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「電子フルーツ」20'1029の日記

僕は作業中、色んなWebラジオのバックナンバーを片っ端から再生している。すると突然、「電子フルーツ」という聞き馴染みの無さすぎる単語が耳に飛び込んできた。

・君は電子フルーツを知っているか。



・ラジオ内では「トンデモ科学の一つ」として軽く話題に出た程度だったけど、無性に気になって自分で詳しく調べてみた。スピリチュアルとか民間療法とか、冗談みたいな言説が大マジの体裁で語られている現実って中々に面白いなと思ってしまう。今更注釈する必要は無いと思うけど、僕の性格が悪いだけなので色々と気を悪くされたら申し訳ない。



検索すると、電子フルーツとやらの概要や販売サイトが数件ヒットした。思ってたより数が少ない。トンデモ界では割とマイナーなのだろうか。詳しく解説が載っていたので目を通そうとしたが、長い。やたら長い。しかも目が滑りまくる。この手の概念は顧客に「なんか凄そう」以上の理解を与えないように書かれているから、きちんと読み込もうとすると凄く体力を消費するのだ。流石にリンクを貼るのは気が引けるので、興味のある人は各自調べてみて欲しい。

・電子フルーツは、『電子技法』によって生育された果物らしい。『電子技法』とは、大宇宙・自然界の法則を基に「電子技法カーボン」や、水と「エレクトロチャージャー」によって生成する「電子エネルギー水」等のスペシャルなアイテムを用いて行う農耕及び畜産の手法とのこと。通常の青果精肉とどう違うかと言うと、植物や家畜の「潜在能力」が引き出され、「無限の可能性」が開かれている点だそうだ。具体的な記述は少なかったけど、病気になり辛くシンプルに品質が上がったりするらしい。

・正直に言うと、このへんの基本情報以外の詳細は全然読めていない。上でも書いたけど長いのだ。長い上に無数のトピックに分かれていて「宇宙対向の静電気」だの「相似象学」だの、聴いたこともない概念のオンパレードで目眩がしてきた。シュタインズゲートのサブタイトル?しかもこれ、その手の人達しか使ってない造語だから定義が本当に謎だ。専門(?)用語が出てこない記述でさえ、4000字くらいの段落を読み解いても「不作が続いて大変だった」という情報しか得られなかったりする。手強い。

・気になったのは、「電子フルーツ」を我々に訴求するような表記が販売サイト内に殆ど見られなかった事だ。「宇宙パワーが得られる!」とかはやり過ぎにしても「健康に良い」「○○に効く」みたいなキャッチコピーがありそうなものなのに。「甘くてジューシー」くらいしか書いてない。

・どちらかと言うと「電子技法のススメ」的な、「農家の方!電子技法、始めてみませんか!?」って感じのテキストを全面的に押し出している。『電子技法中央協議会』のHPによると、電子技法にチャレンジするためには「エレクトロチャージャー」や「用途別5種類の炭素」、ヨモギから造ったグリーンタンソ(?)、電子食品(正しい波動を持った食べ物(?))、会誌(持ってると心を浄化するらしい)等が必要不可欠らしい。この手のヤツにありがちな「利用者の声」欄には、消費者ではなく農業・畜産業従事者のコメントが羅列している。

・これ、我々ではなく、完全に農家の人をターゲットにしてる。



・あ~~~~~、そっちか~~~~~~~~~。



今日の記事はこの「そっちか~~~~~」って感覚が面白かったので書いた。何かちょっと盲点を突かれた気がして愉快だったから。ボクシングの試合に出ようと会場に訪れたら「すみません、今日は将棋大会やってるんで……」と追い返された気分だ。

・こういう商法って一般消費者をターゲットにしている先入観があったな。でもよく考えてみたら、広い土地が必要な第一次産業従事者って(偏見だけど)地方のご年配が多いだろうから、比較・検証できる情報が少なくてハマってしまったりするんだろうか。

・とはいえ、信じて救われるものなら(ご自身の冷静な判断で)信じた方が精神的なメリットを得られるケースもあるので。色んな現実の可能性を模索するのもいいと思います。雑なまとめ。

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