「レベル1のズル」21'0112の日記
enjoy!
・ドリンクバー、いつも僕たちをエンジョイさせてくれてありがとう。
さて。
気がついたら年が明けていた。これまでの人生で一番無感動に年始を消化したかもしれない。
・世間のムードも相まって、2021年になれど、本当に何も代わり映えしないように思える。当然と言えばそうなんだけど。
・何なら西暦だって半年くらい前から『2021年』だったような気がする。逆にまだ2020年だったの?って感じ。長すぎじゃない?2019年~2020年って体感で2年半くらいなかった?。そんなに引っ張って突然終わられたら2021年も心の準備ができてないだろう。
毎年の事だけど、実家で親戚一同と会するイベントがあった。人数も少ないし別に由緒ある家柄でも無いので、なんとなく集まってなんとなく酒を飲んで半日過ごす、みたいなやつ。
・僕には甥がいる。10歳の男の子で、絵に描いたようなやんちゃ坊主だ。彼は何故か僕に懐いているようで、会う度に苛烈な攻撃を受けている。去年は居間で昼寝しているところを叩き起こされ、今年は休憩なしで4時間ほど人生ゲームに付き合わされた。人生ゲームって社会不適合者がやるもんじゃないな。一回も勝てなかったし。
・ゲーム中、僕と甥以外のメンバーがちょくちょく入れ替わっていた関係で、僕がずっと「銀行役」をしていた。一人だと大変なので、大勢のプレイヤーに金銭を配ったり徴収する時だけ甥に手伝ってもらう形で。
・人生ゲームをプレイした方なら分かると思うけど、「結婚」や「株価の変動」といった全プレイヤーを巻き込むイベントが起こると割とわちゃわちゃする。「えーと、じゃあ全員から○○円徴収…あっ、両替するのねOK、えっ、貴方は手持ちが足りない?じゃあ約束手形渡すね、これがお釣りで…」という風にゲームをストップさせて、盤上で何往復も紙幣をやり取りするのだ。暗算がそう早くない僕はヒーヒー言いつつ、甥と協力して精算していく。
・その度、甥はこっそりと銀行からお金を抜き取り、自分の手持ちに加えていた。あるいは徴収した紙幣3枚のうち1枚をスッと懐に入れたり、何食わぬ顔で自分の約束手形(借金を表すマイナス資産)を人の精算に紛れ込ませたり。真剣な表情で、彼なりにバレないように。
・なんか、「良いな~~~~~」と思った。良いというか、あるよな~~~というか。ノスタルジックというか……言語化の難しい感覚だ。「レベル1のズル」という感じ。大人と子供の知恵や目線の非対称性、それら全部を包括したゆるい雰囲気。何度か彼の母親にバレて叱られていたけど。
・これもしかして性格の悪い話か?まぁいいや。
・何というか、ズルすること自体は必要なスキルだと思う。人を傷つけず、法に触れない範囲なら、適度にモラルから外れる選択肢はアリだ。少なくとも「モラルから外れられない」よりはずっと良い。このへんはバランス感覚の話で、明文化が難しいが。こういう小さい体験の積み重ねで、人は自身と他人、善悪や功罪の距離感を把握していくのかなと思った。正月に親戚の集まりで考える事じゃない。
・上手く書けないな、ズルを推奨したいという話ではないんだけれど。将来、正攻法が通用しない壁や負荷に対して、ダーティーな手段を取れるか否かで割と人生が変わっていく気がするから。理不尽なYES or NOにぶち当たる回数を減らせる。
・甥の両親はしっかりした方だから、恐らくだけど悪い方に転がる可能性は低いだろう。怒られるたびに沢山のことを考えて、彼が強かな大人に成長したら素敵だなと思った。
年末年始にKindleを漁っていたから死ぬほど積ん読がある。何故僕は読まないうちに買ってしまうんだ。電脳化してテキストデータをダイレクトに脳に送りたい。USB4規格のケーブルで。
・カチッと側頭部にコネクタを繋いだ途端、一瞬で話題の感動作をラーニングして泣き崩れたりしたら面白いだろうな。
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