「憧れの僻地」の光と影
昔から、遠隔地や僻地に憧れていた。
映画「遊星からの物体X」を見た時、南極にいる隊員が、暇つぶしにコンピュータゲームをしているというシーンがあって、なぜかああいうのいいなあ、と思ってしまった。
それ以来、南極観測隊員になりたいと本気で思ったし、いつかは都会から離れた僻地、遠隔地の研究所で研究したいという思いが募っていった。
その夢が実現したのは大学4年生の時だった。神奈川県の三浦半島の三崎にある臨海実験所で卒業研究をすることになったのだ。
夢にまで見た遠隔地での研究。さあやるぞ!と意気込んだのを覚えている。せっかく東京の大学に入ったのに、何も遠く離れた(といっても同じ関東圏ではあるが)場所にいかなくてもいいのに、という反応はあったが、遠隔地に行けるワクワク感の方が上回った。
しかし…。
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