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牛丼医療の崩壊

 先日、東京医大の不正入試をめぐる訴訟の判決が言い渡された。

 当然の判決と言える。どう考えても受験生に不利益を生じさせたのだから、賠償は当然だと思う。

 ただ、それはそれとして、この問題の解決には、背景にある構造の問題を解決しなければならない。

 上記記事には、私も専門家としてオーサーコメントしている。全文を紹介したい。

不正入試に対する補償が行われるのは当然だと思いますが、今後こういうことが起こらないようにするためには、不正入試の構造的背景にもメスを入れる必要があります。医師不足の中、24時間365日の医療を提供するためには、若くて長時間働ける医師が必要だということで、入試における女性、浪人差別が容認されてきました。

医療ではコスト・アクセス・クオリティ、つまり早い、安い、うまいの3つを全て満たすことはできません。病院を集約化すれば、交代勤務が可能になり、コストとクオリティを満たせますが、アクセスが犠牲になります。それが嫌ならば、交代勤務もできず疲弊した医師が頑張り続けるしかなく、クオリティは落ちるでしょうし、不正入試を容認する声は減らないでしょう。医師を増やせばその分コストが増大します。

この問題は、誰もが当事者でもある問題だと思います。みなさんならどうしますか?

上記記事の榎木コメント

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