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「横綱」の孤独

 昔の話だが、今は亡き祖父母が大相撲を熱心に見ていた。

 若貴ブームの時は存命で、日々の取り組みを話題にしていたのをよく覚えている。

 先日亡くなられた朝潮なんかは、話題に出る力士だった。

 まあ、朝潮関はなぜか7勝7敗になって、最後の取り組みでなんとか勝ち越すみたいなイメージが強かったが…。

 上の記事は、朝潮関の引退のことを書いている。

 引退を口にして最後の一番を取ろうとして止められたという話だ。

「あしたは思い出の一番にしたい」「もう一番だけ取りたい」

 だが、その18年前に大鵬が同じ希望を述べて相撲協会に止められた。闘志が萎えた者が取るのは相手に失礼。引退の意思表示をしたら土俵に上がってはならぬ。大鵬でさえ却下された願いは、やはり通らなかった。

上記記事

 引退はかくも難しい。特に上位番付にいるものなら尚更だ。

 大関ならまだ負け越して陥落しても、返り咲きを狙うことが許されている。ところが、横綱はそれが許されない。

大関までならケガや負け越しで陥落したとしても現役を続け再起することはできますが、横綱は勝てなくなったら引退するしかありません。

https://sports-infoclub.com/yokozuna-retirement-conditions/

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