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愛は偏愛~科博クラファンに思う

 国立科学博物館のクラウドファンディングが、目標を遥かに超える金額を獲得して終了した。

 まずは評価したい。日本の人々の理科や科学への不人気、無関心など杞憂だということが明らかになり、日本は「寄付文化」が乏しいという定説も、やり方次第ということが明らかになった。

 日本人には「科学愛」があるのだ。

 ただ、多くの人たちが懸念するように、この愛は「偏愛」だ。

 全国的に人気のある有力博物館だからこそ、これだけ集まったと言えるし、全国には資金難にあえぐ博物館、美術館は多々あるからだ。

 そして、今回科博がこれだけの金額を集めたのは、初回だからというのもある。

 これを恒常的な資金源とするにはあやうい。

 愛は冷めやすいのだ。

 そのあたりのことは、館長は重々承知だ。 

同じようなクラウドファンディングはもう2度とできないと思っています。館の安定的な運営を考えれば、今回支援をしてくださった方たちに、継続的に科博を支援していただけるサポーターになっていただくことも必要だと考えています。

https://www.businessinsider.jp/post-277601

 一時的な熱情ではない、恒常的な愛にするにはどうすればいいか。

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