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ダメの自覚と自己肯定感

 人間は自分を自慢したがる生き物だ。

 このことについては、何度も記事を書いてきた。

 隙があれば、人を馬鹿にし勝ち誇る。こうしたマウント合戦は、SNS上を見れば24時間365日どこかで行われている。

 それが、人間の本質と言ってしまえば、それまでだが、何とかならないものかと思ってしまう。

 一方で、自分を過剰に卑下してしまうのも人間と言うものだ。

 私の出た神戸大学医学部は、地元のスーパー進学校、灘高校からは数人しか進学してこない。一人もいない年もある。東大、京大、阪大の医学部には10人以上入るのに。

 出身者などに言わせると、灘から神戸大医学部は、灘の落ちこぼれなのだという。

 こうした進学校に行って思った成績が取れないと、必要以上に自分を卑下してしまう可能性がある。

 本当に人は難しいものだ。今日中になれなくて悔しいと言う悩みを私に打ち明けてきた人がいるが、私のような医学界の最底辺にいる人間にそういうことを言うのは、卑下と見せかけたドーダなのかなと思ったりもするが、本当にそう思っているのかなとも思ったりもする。

 自分の至らなさを自覚する事はとても重要だ。一方で、自分がダメ人間だと卑下するのもおかしい。

 劣等感でもなく、優越感でもない、バランスの良い自己愛を持つにはどうすればいいのだろうか。

 結局ドーダも卑下も他人を評価軸にしていることに共通項がある。

 他人と比較して、上だと思えばドーダ、下だと思えば卑下になってしまう。自分を盛ってしまう人も、貶めてしまう人も、結局は、他人の手のひらの上で踊らせており、自分の人生の主導権を他人にゆだねているのだろう。

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