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医学研究、基本の見直しを

 日本の医学研究のナショナルセンターとされる組織は6つある。

国立がん研究センター(東京都)、国立循環器病研究センター(大阪府)、国立精神・神経医療研究センター(東京都)、国立国際医療研究センター(東京都)、国立成育医療研究センター(東京都)、国立長寿医療研究センター(愛知県)の6つのナショナルセンターは、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行う国立高度専門医療研究センター(以下、「NC」という。)として、2010(平成22)年度に独立行政法人、2015(平成27)年度からは研究開発成果の最大化を目的とする国立研究開発法人へと組織を変えつつ、国民の健康に重大な影響がある特定の疾患等に係る医療に関する調査・研究、技術開発及び医療の提供に加え、難治性・希少性疾患など取組が不十分な分野にも取り組みながら、その時代に要請される国民的な医療課題に対応してきました。

https://www.japanhealth.jp/about/details.html

 しかし一文が長いなあ…。

 それはさておき、この6つのうちの一つ、国立循環器病研究センターが、循環器関係の研究、治療の中心であるのは、自他ともに認めるところだ。私達病理医の世界でも、心臓病理は「国循」が常識だ。

 永らく日本の心臓病理をリードされた植田初江先生が定年退職され、いまは畠山金太先生が病理部門のヘッドになっている。

 その国循で、いま研究不正疑惑が取り沙汰されている。

 週刊新潮が熱心に報道しているが、国循関係の研究不正疑惑が次々と明らかになっているのだ。

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