昭和を終わらせろ
昭和最後の日をはっきりと覚えている。
当時高校2年生。なぜかテレビをつけっぱなしにして寝てしまい、早朝ただならぬ緊迫した放送が行われているのに気がつき目が覚めた。
天皇御一家が次々と集まっているというのだ。
あ、ついに来たのか、と思った。
この半年ほど、天皇の下血量や容態が報じられ、いわゆるXデーが近づいているのは誰しもが分かっていた。
Xデーは今日なのか…。
それからはテレビを見続けた。
崩御の発表から小渕官房長官(当時)が平成と書かれた額縁を掲げるまで、すべて見た。ああ、昭和がこれで終わるのか。歴史的瞬間に立ち会った妙な感覚を味わった。
あれから35年。
その平成も終わり、令和も6年になろうとしている昨今。昭和の魔物が暴れ出した。
昭和は終わっていなかったのだ。
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