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【就活】自己PRでどのような強みをアピールしたほうが良いのか

就活生の相談に乗っていると「自己PRではどのような強みをアピールしたほうが良いでしょうか」という質問をよく受ける。

ねばり強さ、協調性、柔軟性、好奇心、リーダーシップ、課題解決力、交渉力、創造力、責任感、向上心など、一般的なアピールポイントのうち、どれをアピールするのが良いのか(選考において有利なのか)という質問である。

人事部で採用担当をした経験から言わせてもらえば、アピールしたほうがよい強みは、学生本人の特性や企業が求めている資質に応じて変わってくるものなので、「必ずこれが最適解だ」というものはない。

ただ、そのように言ってしまうと、元も子もなくなるので、ここでは参考になるかもしれない資料について紹介したい。

下記は、2022年5月に経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」という資料の一部で、2015年と2050年に求められる能力を示している。

未来人材ビジョン

現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されるが、将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められる。

未来人材ビジョン

2050年には「問題発見力」「的確な予測」「革新性(新たなモノ、サービス、方法等を作り出す能力)」が一層求められるとのことなので、このうちのどれかをアピールポイントとして自己PRするのも良いかもしれない。ただ、いずれのアピールポイントも、裏付けになる強めのエピソードは必要になるだろう。

さて、2050年に必要となってくる能力では、個人的には「分析力」というか「正誤判定力」というか、そういうものが必要になってくるのではないかと推測している。2050年にはさらにAI全盛になっていると思われ、一方でAIがアウトプットする結果が全て正しいというわけではないだろうから、その結果の正誤を判定するスキルが必須になっているのではと思う。

そういう意味でも、今回の「2050年の能力需要」について、どのように推定されているのかを確認して、結果が妥当かどうか確かめたいところなのだが、資料の中には推定方法の詳細は記載されていなかった。

資料にある能力ごとの数字についても気になる。

2050年
問題発見力 1.52
的確な予測 1.25
革新性※     1.19
 :     :

未来人材ビジョン

「各職種で求められるスキル・能力の需要度を表す係数は、56項目の平均が1.0、標準偏差が0.1になるように調整している」とのことなのだが、正規分布だとすると、「問題発見力」の係数が1.52なので、標準偏差σの5倍以上ある、つまり「問題発見力」は99.99994%以上の確率で必須になるという理解で良いのだろうか。

もちろん、今回の推計結果は、
考え得る未来のシナリオのいくつかにすぎない。
将来起こる大きな産業構造の変化に対応するため、
本推計を一つの参考として、
一人ひとりが新たな能力・スキルを身に付けて、
次の一歩を踏み出す契機となることを期待している。

未来人材ビジョン

話の焦点が少しずれてしまった。

まとめると(繰り返しになるが)、アピールしたほうがよい強みは、学生本人の特性や企業が求めている資質に応じて変わってくるものなので、「必ずこれが最適解だ」というものはない。

一方で、省庁(経済産業省など)や民間企業(野村総研など)の未来予測などから、世の中で将来必要となるスキルや能力を読み取り、自分の強みをそこに寄せるのも作戦としては有りだろう。裏付けとなるエピソードも準備しておきたい。


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