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【note用】音響にまつわる話2020:世界は音。


はじめに


雑誌にアーティスト坂本龍一氏の特集がくまれていて『世界は音』と掲載されてあった。

哲学的な感じもする表現だ。直ぐに理解ができた、なぜなら自分も音によって世界が成り立っていると、感じているからだ。
目に見えるものよりも、目に見えない音で、現実世界が成り立っているのだ。

音は生活音があり、そのワンシーンにテレビやラジオやスマホから音声を耳にする、言葉を耳にすることで、物事を考えて想像する。聴覚だけで世界を確かめることができるのだ。

あるいは言葉ではなく、音そのものがある。クルマの走行音や風の音。水道の蛇口から流れる水の音。さまざまあって、そのなかで人工的に創られている音楽も、同じように世界を構築する。
いっぽう、自然の不規則な音も、すべて自分を取り巻く音空間であり、世界が成り立っている。


今回は少し音楽の話をしたいと思う。

音楽鑑賞しながらの執筆は、楽しく快適な時間である。本書の趣旨は、素人が考える音響にまつわる雑談なので、楽に読み進めていただきたい。


2020.05.15    モンゴロイド

■無音

ジョン・ケージの4分33秒という曲を、みなさんはご存知だろうか?
究極の曲で4分33秒の間、無音なのだ。「なるほど。無音の曲なのか」と理解した。

ユニークな発想で、凡人が考えることができる曲ではない。ジョン・ケージは音楽を極めたのであろう。

4分33秒って曲は、レコードかCDに収録されて売られていたと思うけど、無音で購入者からクレームはなかったのだろうか。

音が無くても音楽が成り立つ。究極の曲じゃないだろうか。

■音が気持ちよい。

音楽もメロディが綺麗で聞いていて気持ち良いこともある。リズムが気持ち良いものもある。音色が気持ち良いものもある。音質や音響が気持ち良いものもある。

好きな音や音楽を聴いていると、脳内では快楽物質のドーパミンなどが、大量に分泌するのではないだろうか。好きな音楽を四六時中、聴いていると、快楽物質のドーパミンが大量に分泌されっぱなしにならないだろうか。

さて、話は変り。

■クラフトワーク

電子音楽で有名な、ドイツのクラフト・ワークというバンドが、世界的に有名なバンドだ。80年代日本でテクノムーブメントを起こして、一世を風靡した日本のYMO (イエロー・マジック・オーケストラ)よりも先にテクノをやっていた。YMOは現在の特に40代50代に大きく影響を与えた。そのYMOもワールドツアーを2回することで世界的に活躍して有名であるが、そのYMOよりも、クラフトワークのほうが知名度があるそうだ。

クラフトワークのメンバーの1人が先日亡くなった。フローリアン・シュナイダー(73)だ。

多くのテクノファンはクラフトワークのメンバーの死を知って驚いたに違いなくて、自分は、サブスクでクラフトワークを聴く頻度が増えた。
クラフトワークを聴いてみると、音が良く、良い曲だなと再認識する。現在、イヤホンでクラフトワークを聴きながら本書を執筆している。
クラフトワークの曲に感動だ。

■テクノはドラック。

テクノポップとはYMOのメンバーの考えた言葉だけど、テクノの神さまといえるのはクラフトワークであろう。テクノとは、電子音を反復するリズムとメロディが特徴的な音楽であるが、テクノを聴いていると不思議な世界へトリップすることがある。

テクノファンでない友人たちが、「テクノを聴くとトリップするね。ドラックやってるような感覚になる音楽だ」といっていたことを思い出す。決して友人たちがドラックをやってたワケではない(笑)。

自分はその時、テクノという音楽が、そのようなものだと、考えてなかったけど、なるほどと思った。確かに、精神的にトリップしたり、気持ち良くなったりする。


■時間の概念。

音楽が世界を変えてしまうほどチカラがあると自分は考えている。音楽を聴いていると時間の概念も忘れてしまうことがある。

8時間以上、音楽を聴く夏フェスに、行った時の記憶で、8時間が、まるで1時間に思えた、不思議な時間の喪失感があった。世界が変わったのだ。

世界で流行る音楽は必要なんだと思う。戦争をやめさせるチカラはないだろうけど、音楽のチカラで人々の、苦悩を和らげる効果があると思うのだ。

戦争よりも音楽を聴こう。楽しもう、そして創ろうという人々がたくさん増えると世界は平和になっていくであろう。


■ヘビメタの音楽


ヘビメタは悪魔の音楽といわれたりするジャンルだ。なんとなく分かるけど決して悪魔の音楽ではない。

サイケデリックやパンクやテクノも、なにかと薬物に関係した音楽のように語られていた時代があったが、自分だけが記憶していることだろうか。

薬物をやると音楽の創作が素晴らしいものができるから、アーティストが幻覚剤のLSDなどを使っていたという話を、みなさんは聞いたことがないだろうか?特に80年代に耳にしていたのだが・・・。特に海外のアーティストの話である。

■軍国歌

政治と音楽もプロパガンダとして密接だ。日本の場合、戦時中は音楽を楽しむことが許されないことだったようだ。軍国歌で指揮を高めたり。国のために闘争心をあおる歌が唄われてた。プロパガンダであり、今の時代に聴くと、楽しくも、おもしろくもない歌ばかりである。

■バンドは宗教。ファンは信者。

音楽と宗教も密接だ。宗教音楽というものもある。
自分はYMOが、まさに宗教バンドだと捉えていた時がある。ファンの自分は、いわば信者なのだ。真剣に考えていた。YMOのリーダー細野晴臣氏は宗教に傾倒していた、同じメンバーの坂本龍一氏は宗教に傾倒することが嫌だったと聞いたことがある。

バンドとは多かれ少なかれ宗教的であり教祖と信者の関係にあると思うのだ。なにかのバンドのファンはバンドの信者だといえるだろう。

■テクノロジー

音楽と機械。コンピュータやシンセサイザなど。テクノロジーとの関係も密接だ。
テクノポップは特にそうだ。


■感情を左右する。

一概にはいえないけど、音楽は感情や思考を左右するものである。

音楽が必要であり、ストレス緩和の効果もあり、子どもに音楽を聴かせてあげることはオススメだ。

音楽を聴いた時に、働く脳の部位と、人が喜びを感じた時に働く脳の部位とは同じということがわかっている。
音楽は生活のなかにあり人間に必要なもので、赤ちゃんの時に親が子守歌を唄ってくれることや、テレビなどからは音楽が、溢れ流れていたと思う。
周りの大人たちは、なにか歌を唄ってくれたはずである。

保育園や幼稚園では、みんなで歌を唄うこともあったはずだ。

■音で判断する。

冒頭の『世界は音』の話に戻るが、音と世界は密接だ。

真っ暗闇の場合は音で周りがどうなっているか判断する。
後ろから足音が聞こえてきたら恐怖になる。
また、心地良い音もある。花火の音が聞こえるのなら、夏を感じるし。虫の鳴き声を聞けば秋を感じたりできる。
川の流れの音を聞いて川があると分かる。雨の音や雷の音など、天候も分かることもある。

お化け屋敷って、結構怖いものだ。真っ暗闇で聞こえる音で、不穏な音が聞こえるだけで怖さが倍増する。
日常生活で聞く、救急車やパトカーのサイレン音は、とても不穏なものである。


■重要な効果音。

映画で耳にする音は映像と物語をリアルに表現する効果音である。無声映画は映像のみの世界であるが、映画音楽は、映画を素晴らしいものへ変える重要な効果がある。

ゲーム音楽もゲームの世界を構築している。効果音も楽しく気持ち良いものがある。
近年、ゲームをしないけど、昔のゲーム音楽を聴いて、そのゲームの世界を思い出すことができる。
自分が、特に好きなものはスペース・インベーダー。ディグダグ。スーパーゼビウス。ドラゴンクエスト。などで、音を聴けば直ぐにゲームの世界にトリップできる。時空を飛び越えるのだ。

■オーディオ

音楽が好きな自分はオーディオで音楽を聴く。
現代はイヤホンやヘッドホンで聴く音楽鑑賞のスタイルが多くありBluetoothスピーカーも、そのひとつ。 自分も良く使っている。

イヤホンやヘッドホンをすると自分だけの世界に入り込むことが可能だ。一種の自閉的な世界であり、擬似的な自閉症になる。音世界が自分の内へ向かうのだ。


■音響を聴くこと。音楽を聴くこと。

音楽が好きでオーディオで聴いている。しかし、実は音楽を聞いているのではなく、オーディオで音響を聞いているようなのだ。
音楽のことを、さっぱり分からないのである。リズム感もないし、歌も音痴っていうのは、音楽を理解してないからだと思うのだ。
鑑賞であって、音楽を演奏するワケではないからであろう。


■音楽でテンションを上げる。

スポーツ選手は試合の前にイヤホンをして自分の世界に入り、モチベーションを高める集中力は半端ないと思うのである。
個人競技の選手たちに多いことに気づく。自分との闘いなんだなと思うのである。

■音響機器

多種多様な音響機器があると思うのであるが、時代と共に進化している。オーディオはハイレゾ化してリアルな音響を再生する。

■音響が心理状態を変える。

音響で不穏にも愉快にもなる。不快にも快感にも感じる。音響とは重要なものだと思うのだ。部屋の音響によって、快適にもなるので、音響対策って意味がある。
騒音は不快だし、音に敏感な人は、ノイズキャンセリング、ヘッドホンやイヤホンや耳栓が必要になるであろう。

■音を楽しむ。愉しむ。

現代ではイヤホンやヘッドホンに需要があるようだ。たくさん高性能なものを聞き比べを愉しむために、コレクションする沼にハマっている若い方がいる。「イヤホンで高価なものを、そんなにたくさん揃えてどうするんだ」、と。古い人間からすると理解に苦しむのだが・・・。人それぞれだから否定はできない。
自分も「イヤホンとヘッドホンを、それぞれひとつくらい合っても良いかな。欲しいかな」と思うが、高価なものは要らない。
イヤホンやヘッドホン沼にハマるのは、時代だなと思う。

音を愉しむという意味では理解ができる。

■音と空間。

居心地の良い音空間があると、人生豊かになる。そういう意味でもイヤホンやヘッドホンが必要なのだろう。
都会では特にそうなるのだろうね。

空間は大切で、広いところが好きって人もいるのだろうけど、自分は狭い空間が好きである。宇宙船内のような空間は落ち着くのである。

みなさんは、病院にあるMRIという機械で検査したことがあるだろうか。
あの狭い空間で苦しいって聞くことがあるんだけど、自分は落ち着くのだ。しかも、あの、ガガッガガッガガガーコッコッコッガガガーという音が最高に好きである。
変わっているだろうか?分かる方もいると思うのであるが・・・。

クルマの中が好きとか、ないだろうか?クルマの空間ってロマンだなと思う。クルマが好きな方なら分かるだろうか。ま、自分はペーパードライバーだけども。クルマを持っている方が羨ましいと思う。

話が脱線したけど、クルマの中で聴く音楽も楽しいものだ。

■水の音。

流れる水の音や。ポタリ、ポタリ、垂れる水滴の音も良い音だなと思うのだ。水の音って気持ち良い。

水中に潜ることは、あまり好きではないが、テレビで見て聞く水中音も、また、良い。

海の波音は神秘的だ。少し怖いけど・・・。落ち着く音である。

水に音楽を聴かせると、水の結晶が変わるらしい。
ホントだろうか?だとしたら味も変わるだろうね。

■嫌いな音は風の音。

ヒューヒューゴーゴーという台風の時の音が大っ嫌いである。

嫌いな音ってたくさんあると思う。
音楽を聴いてる時に気になる音があると音楽が楽しくない。

みなさんは、好きな音。嫌いな音があるだろうか。

音フェチなことってあると思うんだけど、自分は変わっているだろうか・・・。

■動物や昆虫にも音を判別することができる。

しかし、人間よりも超高周波音を聞いているのだ。
特にコウモリは、超高周波音を発信して、障害物からの跳ね返りで、自分のいる位置や障害物を判断する。

動物によっては目で視るものに色がないことや、格子状に視えているそうだ。

要は音で世界を判断しているのであろう。世界は音なのだ。


2020.05.23       モンゴロイド


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