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メギド72 VS ホラーゲーム

この記事はメギド72をやってない人でも読めます。
(ネタバレなし)
(というよりメギド72
の話はほとんど出てきません)

 人に何かを勧めるというのはとても大変なことである。勧めたものを相手が見てくれるとは限らないし、自分自身でさえも勧められたものを見ると約束することはできない。

 自分から人に何かを勧めるときそれが面白いと保証する「責任」がつきまとう。時間を取って見たにもかかわらず、それがもし全然面白くないものだったら………私は勧めてきた人を非難するだろう。

人が勧められたものを見るためには"実績"が必要だと思う。
 ・この人が勧めてくる作品には面白いものが多い。
 ・他の人も面白いと言っていた。(集合値)
 ・この作品は何らかの賞を取った。
等々、見る前から目に見える"実績"があると勧められた物を摂取しやすくなると私は思っている。

 しかし実績が必要がないパターンも存在する。この作品を見てくれたら自分もこの作品を見るよという

交換条件である。

ホラーゲーム

 話は変わり、私はホラーゲームにハマっていた時期がある。昔は苦手だったホラーゲームも、今やってみるとその恐怖体験が癖になり興味を持った次第だ。中でもFive Nights at Freddy's(通称FNaF)に強くハマってしまい、一時期は作品そのものに思考を奪われていたほどだ。ここで私はあることを思いつく。

「そうだ、Oさんにやらせよう」

 Oさんとはインターネットでの友人であり、ホラーゲームがめちゃくちゃ苦手(好き)な人である。以前彼はホラーゲームをプレイし、そのビビりようといい絶叫具合といい最高のゲームプレイを私にまざまざと見せつけた。彼には"実績"があったのだ。

 以前バレンタインデーにホラーゲームを送り付けたところ、しっかりとお返しとしてホワイトデーにプレイするという義理堅い一面をOさんは発揮した。今回もFNaFを送り付け、プレイしてもらうつもりだった。だがここで問題が発生した。FNaF送り付けようとした矢先、驚きの文が目に飛び込んできた。

このゲームをすでに持っています。

 「噓だろ………?」
Oさんがホラーゲームを買うなんて有り得ない、そう思った。しかし噓ではなかった。たまたま別の人間が既に送り付けていたのだった。でもプレイ履歴はなかった。一体なぜ………?

「怖いから」

 当たり前だ。怖いからプレイしない、そんなのはホラーゲームが苦手(好き)なOさんにとって至極当然のことだった。以前見せた義理堅さはたまたまだった。

 しかし私は諦めたくなかった。自分が好きなFive Nights at Freddy'sを是非ともOさんのゲームプレイで見たかったのだ。どうしてもプレイして欲しかった私はOさんに向かって交渉による交渉を重ねた結果、彼は重たい口を開き、こう言った。

「メギド72を最終章までやったら、いいよ」

 メギド72とはスマホでプレイできるソーシャルゲームである。そのゲームは日本ゲーム大賞の優秀賞を獲得する確かな”実績”があった。Oさんは大のメギド72好きの全身メギド人間だった。ちょうど一年前、私はメギド72をOさん自身の推薦によりプレイしていたのであった。しかし、長くは続かなかった。このゲームは私には難しすぎる……当時はそう思ってゲームプレイを中断していたのである。

 そのメギド72を最終章までプレイしたらOさんはFNaFをやってくれる、私は交換条件を提示されていた。だが私は首を縦には降らなかった。なぜなら最終章までいくのは途轍もなく大変なのを理解していたから。それはOさんも同じ。ホラーゲームをプレイすることはそれほど大変なんだという意思表示だったのかもしれない。こうして交渉は成立せず、条件提示のままこの話は終わった。この時複数人で通話をしていたのだが、参加していた人誰もがこう思っていたであろう。

「メギド72を私がプレイすることはない」
「FNaFをOさんがプレイすることはない」

 メギド72をプレイしている人はもう一人いた。ここでは友人Sと呼ぶことにする。以上の会話を一通り聞いてた友人Sは後日、私にあることを提案してきたのである。それは……

「Oさんに黙って最終章までプレイしてたら面白くない?」

 この話を聞き私は簡単に首を縦に振った。なぜなら面白そうだから。私は「ホラーゲームをやってもらう」というモチベーションから「いつの間にかメギド72をやっていて驚いてもらう」というモチベーションに変更し、メギド72を再開した。もちろんOさんに隠れて…(驚いてもらう+FNaFをプレイしてくれるのであればオールオーケー)。のちにわかったことだがFNaFを送り付けたのは友人Sであった。

メギド72をやる

 メギド72を再開したのは、丁度2021年のメギドの日と呼ばれる7月2日だった。私は友人Sからのレクチャーとともにメギド72の攻略を進めていった。Oさんにバレるわけにはいかないため、メギド72に関するツイートを一切しないようにdiscordサーバーをつくりそこに垂れ流した。メギド公式アカウントである"ルネ@[公式]メギド72"をフォローすることも控えた。(メギド72の公式ツイート、リプライ少なすぎて逆に怖いですよね)

 プレイして嫌でもわかったことがある。それは「最終章までは大変すぎる」ということ。これは問題だ。まず私が耐えられない。早くメギド72の話をしたり適当なイラストをかいてTwitterにぶん投げたりしたかったのである。この問題を解決するべく、ホラーゲームの話題になった時にさりげなくOさんに聞いた。

「最終章まで進めたらホラゲやってくれるって本当ですか?」

「最終章までは流石にキツくないですか?」

さりげなく言質を取ると同時に条件をまけてもらうことにした。交渉の結果は「6章まででいい」のことだった。私はこの会話でメギド72をやっている素振りを全く見せないように気を付けていた。プレイしていることをバレるわけにはいかない。するとOさんが口を開く。

「うーん、FNaFやろうかなぁ」

…………は?なんで…?

 有り得ないことを口走ったのである。そんなことをされてしまっては一溜まりもない。突然プレイし終わった報告をして驚いてもらうというモチベが崩壊する。そしてやってもらった以上やる側に回らないといけない。これだけは何としても死守する必要があった。理由を聞いたらOさんはこう答えた。

「それでメギド72をやってくれるんだったら…」

「どんだけだよ!どんだけ周りの人にメギドをやってほしいんだよ!」と思った。そこまでしてプレイして欲しいと思わせるメギド72は一体何なのか、メギド72をプレイしない理由はこれで私の中から完全になることになった。その日、FNaFを先にやられるわけにはいかない私は何か適当なことを言いながら話題を変えた。

 しばらくしてもう一つ問題が発生する。その問題はゲームの中で発生した。敵が、全く倒せなくなったのである。

 メギド72はレベルを上げて敵をしばくRPGである。その敵を倒す適正レベルでなくてもしっかり戦術を考えると攻略できるという絶妙なバランスが評価されている。逆にレベルを上げればバカでも殺せるという意味だ。私はどちらかというとバカ側だった。RPGをプレイする上でキャラクターのレベルは強いほうが良いし装備も強いほうが良い。圧倒的ゴリラパワーでボスキャラを倒すのに快感を覚えるタイプだった。

 しかし今回はそうはいかないのである。このゲーム、キャラクターのレベルを上げるのにどうしても時間がかかるのである。キャラごとに曜日によって変わるクエストのようなものがあり、それで素材を集めないと進化できない(その曜日以外でも集めることはできるが、ここで詳しく書くことは避ける)。なので短期間でゴリラになることはできないのであった。

 一刻も早く6章までクリアしたい私は、前者の戦術を考えるプランで攻略を進めていた。スタミナドリンクも攻略チケットもガンガン使用し、全部なくなるまで使うほど急いでいたのだ。こうした前のめりなプレイも4章のラスボスで止まってしまった。終わりだ………

しかし、この問題はたった一人の少女の手で解決した。

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メギド72プレイヤーにはもはや説明不要。
「うーん〇〇が倒せないな~」→「せや!ジズでお掃除や!!」が成立するメギドを引き当てたのである。

画像2

(適当に育てたジズで悩みに悩んだ4章ラスボスをいとも簡単に突破してしまい、当時の自分もドン引きしている。)

こうして自分はゴリラパワーを手にし、爆速で攻略を進めることができた。

メギド72をやった、が

 無事に6章まで駆け抜けることができた。以下クリアした日付を参考までに記録する。ジズを入手した後からはスピードが段違いなので参考にならない気がするが………

2020/07/20 メギド72インストール
2020/??/?? 1章クリア クリア日数不明
2021/07/10 2章クリア 約1年
2021/07/16 3章クリア 7日
2021/08/02 4章クリア 18日
2021/08/07 5章クリア 6日
2021/08/09 6章クリア 3日

 6章そのもののクリアはかなり急いだ。なぜならOさんが連休で暇そうにしていたからだ。その暇、ホラゲの予定で埋めてやるぜ!
で、Oさんに伝えた結果、子犬みたいに喜んでくれた。良かった。

そして肝心のホラゲ部分は………

やってくれませんでした。

まぁ………………………………

………………

………

……

 私はこの企画(?)を終えて、ようやく表立ってメギドの話ができるようになった。はれてTwitterにメギド72の呟きをしたりイラストをぶん投げたりできるようになったわけだ。これからはメギド72とは適切な距離を取り、もう少しだけのんびりプレイしようと思う。

 メギド72をプレイしたことを8月8日の夜にカミングアウトしたのだが、その日はたまたまFNaFが7周年だったらしい。おめでとうございます!まぁ…


やってくれませんでした。


けどもね。

良心に苛まれて、いつかFNaFをやってくれることを祈って。
ー えび ー

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