宗教弾圧(?)の記事を見た
今回はかなり雑談に近いお話になります。
noteの記事のネタ集め中にこんな記事を見かけました。
1.宗教弾圧(?)の記事
まずは引用から。
私はこの記事を読んで、思わず愕然としてしまいました。
オーストリアの宗教に関する法律は全然詳しくはないですが、この記事のみで判断できることとしては以下の二点になります。
・とある団体が、法人はおろか団体としてすら認定されなかった
・オーストリア政府は、可否の論拠を「キリスト教か否か」で判断している
まぁ読む限りでは、「キリスト教の分派としての教会」とは認めない、という表明なのでしょうが、それにしても問題ではないでしょか。
2.問題点
少なくとも日本では、条件を満たせば宗教団体自体は設立が可能です。
そして、法人化するためには団体の条件を満たしつつ一定の信者を獲得した状態で、各都道府県知事の認証を受けてから3年が経過したのちに、文化庁の認可を1年待つ必要があり、大体10年ほどかかるという代物です。
ですので、宗教法人のハードルが非常に高く、宗教団体の発足のハードルが低いのが日本の現状です。
それに照らし合わせるならば、もし日本で団体レベルの認定の判断基準を、特定の宗教に準ずるか否かで決めるならば、明らかに憲法違反となり、損害賠償責任が発生するかと予測できます。下手したら関係者の相当数の首が飛ぶでしょう。
そう考えると、記事を見るに、オーストリアでは
非正規の宗教団体→正規の宗教団体→正規の宗教法人
という日本よりもワンステップ踏まなければならないのでしょうか。
3.記事以外の情報からの考察
そもそも、この宗教団体...ではないのかな...団体の下位互換が存在するのか不明なので、便宜上「宗教的団体」としましょうか。を軽く解説していきましょう。
この宗教的団体_空飛ぶスパゲティモンスター教会とは、自治体の教育方針への嫌悪感からスタートした、という経緯があります。
設立理由としては、公教育にID説(インテリジェント・デザインの略。神以外の頭の良い何者かが生命や宇宙の法則を作ったという仮説。なんだそりゃ...)を義務化する決議をした教育委員会を批判するため、だそうで、教祖であるボビー・ヘンダーソン氏の言い分を要約すると「ID説なんていう非科学的なオカルトを義務教育に入れるなら、空を飛べるスパゲティが、人類と宇宙を創造した、という仮説も容認しろ!」ってところでしょうか。
4.そもそもこれ宗教?
空飛ぶスパゲティモンスター教会を、仮に日本で結成した場合、宗教団体に認定されるのかを考察していきましょう。
結論から言うと、ほぼほぼ大丈夫かと思います。
まず、宗教団体の条件を満たしているので行けるかと思います。
以下の4点がその条件です。
・宗教の教義を広めること
→まず、上記のように設立理念や教団の活動内容が明確。調べたらガイドブックを刊行しているので、教典に転用可能だと思う。
・儀式を行うこと
→調べたら、街中でコスプレしながらスパゲティの怪物を持ち上げてる画像があるので、祭事として認識は可能だと思う。
・信者を教化育成すること
→クリアしていない、とは言い難いだろう。
・礼拝の施設を有すること
→何故か唯一の教会がドイツにある...あと何故か台湾では正式な宗教団体として認可されている。謎だ...
5.感想
他国の宗教事情にとやかく言うのは、基本的にはしてはいけないので、極力控えるべきですが、空飛ぶスパゲティモンスター教会の設立理念は非常に全うではないでしょうか。学問的に、科学的に見て立証されていない学術体系未満、理論未満の単なる妄想を公的な教育現場で教えるのは不適切でしょう。
機会があれば、パロディ宗教の正当性について記事を投稿出来ればなと思います。
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