宗教家と信者の違いについて

宗教について色々調べていくうちに、ふと表題の意味について、教祖である私が説明を出来なくては問題がありすぎると感じたため、今回はこのことについてまとめてみようと思います。


目次

①宗教家とは

辞典からの定義

宗教家とは、一体何なのでしょうか?まずは検索してみました。

宗教家(しゅうきょうか):
信仰心のあつい人。信者。
宗教活動に従事する人。大きくは以下のようなものがある。
教祖 - 開祖
聖職者 - 宗教指導者
伝道者 - 伝道師 - 宣教師
祈祷師 - 修道士 - 修道女
教誨師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

なるほど、恐らく宗教家には広義の宗教家と狭義の宗教家があり、まとめるとこんな感じなのだろうか

広義の宗教家:熱心な信者全般
狭義の宗教家:宗教の教義を教え広める信者

因みに、信者をwikipediaで調べると以下の結果が出てくる。

信者(しんじゃ)とは、
特定の宗教や宗派を信仰する者。別に信徒(しんと)、檀信徒(だんしんと)、「~教徒」とも言う。
上記より転じて、特定の個人や団体や主義や製品などに熱中し、異なる主義を客観的に判断しない者。
概要
実際に信仰している者を指すことが多いが、宗教的組織の名簿に形式上記載されているのみの者まで指すこともあり、明確な境界はない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

どちらも似たような感じがしますが、「宗教的組織の名簿に形式上記載されているのみの者まで指すこともあり」といように、熱心でなくても信者としてカウントする形式には、やや違和感を覚えますね。
少し話はそれますが、「宗教統計調査」を漁ってみたところ、日本人口の1.2億人に対して、全国の信者数は何故か1.6億人存在するとのこと。不思議ですね。
それはそうと、日常生活を送っていく中で、特定の宗教を信仰している方にお会いするとき、あるいは知人や家族と宗教に関する話題の中で、私たちは無意識に宗教家と信者を分けているような気がします。
例えば読者の方も、初めてお会いした方が宗教に入っていると言ったとして「へぇーアナタは〇〇教の信者さんなのですね」とは言うかもしれませんが、「〇〇教の宗教家なのですね」とは言わないと思います。
イメージとしてはその宗教内で役職を持つ人やそれ自体で生計を立てている人を宗教家、それ以外を信者と言っている節があると思われます。

ここまでをまとめると
① 言葉の上では、信者=宗教家と読み替える事は可能である
② 宗教家は信者である
③ しかし、私たちは必ずしも「信者は宗教家である」、ーとは解釈しない
④ 故に、信者=宗教家とはならず、宗教活動に従事する人を役職の有無で 判断している?
という一応の結論が出ました。
しかしながら、このままだと日本語って面倒臭いよねーという本末転倒な締め括りで終わってしまうため、次に「信者と宗教家を明確に分ける基準は何ぞや」を私なりに述べていこうと思います。


②信者の条件とは

法律からの定義

では、方法として先に信者の定義をもっと深掘りして、相対的に宗教家とは何かを考えていこうと思います。今度は法律的な解釈でのアプローチで考えていきましょう…といきたいところですが、ここで問題発生。社会を維持するために存在する法律から導き出せば、万人がその定義に納得するだろうと思い、ウキウキで調べたのですが、少なくとも日本国憲法及び宗教法人法には「宗教家とは〇〇の〇〇である」や「信者とは△△であり…」といったような明確な区別が明記されていなかったため、以下を参考に進めていきます。
宗教法人法の第一章総則の第二条、宗教団体の定義にはこのように書かれております。


(宗教団体の定義)
第二条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体



今回のテーマに役立ちそうなのは二条の本文にある


この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう



という文言です。特に「信者を教化育成する」という箇所。
ここから読み解くに、信者とは信奉する宗教団体から教義の内容や儀式に関する知識を学ぶ、と解釈出来ます。つまりは宗教家と信者との関係は、教師と教え子との関係に近いのでしょう。もし全員が教師であるならば、教え子が不在になり、教師という概念がなくなってしまいますし、逆もまた然りです。二者間は知識を授ける側と授かる側の両方が存在して初めて成り立ちますし、授かる側である教え子がその教師や知識それ自体に感銘を受けて、教師になったりもするでしょう。このことは宗教界でも同じだと考えられます。


③感想

宗教家と信者の違いは、教義を教えるか学ぶかで区別されるのではないでしょうか。
そう考えると、名簿に載っているから信者である、という理屈は通らないのではないかとも思いました。そのため各宗教団体は、しっかりと教化教育を受けて祭事に参加しかつ熱心な者のみを信者として正しくカウントする職業倫理が発生するのではないかと思います(恐らく、少しでも信者数を増やしたいがために、赤ん坊や、宗教が理由で絶縁している宗教2世などもカウントしているでしょうから…)。

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