80歳まで働きませんか?不安定でよりフラット化する未来に向けて。

日本ってバブル崩壊以降、不景気、デフレ経済に突入し、最初は「失われた10年」と言ってたけど、アジア通貨危機やらリーマンショックやらあっていつまでも浮上できず、気づけば「失われた20年(以上)」になっている状況。そしてアベノミクスも中国の成長鈍化や不安定さで、うまくいってない、失敗だ、いやこれは外的要因だけで内部の経済はましになってるだの姦しい現在。
その間に、日本の社会構造は予測通りの少子化高齢化が急速に進み人口減さえ始まった。団塊の世代以上がマネーをある程度握っているし、一人当たりのGDPは低下してないので、消費の翳りはまだ出てきてないけれど、今後人口が減り続ければ、当然内部需要はジリ貧になるし、一方でそれ以上の少子化で労働力とのバランスも難しい状況になりそう。

ただ世界経済については、日本だけでなく、ヨーロッパ、中国、アメリカそれぞれが政治的、民族的リスク、それも相当重大なものを抱えているので、日本だけがどうこうという問題にはならないと思う。
ヨーロッパは中東からの難民問題も、EU内の経済格差と民族問題も、どれも解決できずに分裂するリスクはあるだろうし、中国はまだしばらくは成長しても一人っ子政策による急激な労働力減少と高齢化、さらに経済格差と民族問題は巨大なリスクのままだろうし、アメリカはいつまでも偉大なアメリカを演じられるか、そこからうまく降りられるかにかかってるだろうけど、まぁ一番リスクは少なそう。
で、じゃあ他のエリアからのし上がるところがあるかっていうと、どこも行き詰まりそうなわけで、そう考えると、日本はたしかにリスクと不安だらけだけど、この世界中の不安定さのチキンレースに勝つ余地はまだあるんじゃないかと、私は楽観してる。

で、そんな中での日本の経済力維持の方策としては「80歳まで働きませんか」というのは大きな力となりうるんじゃないかな。

まず、80歳という年齢が何かと考えると、日本人の男性の平均寿命が今、80歳台、女性は87歳に近い。でも、健康寿命は男性が71歳台、女性が74歳台あたり、つまり健康寿命を伸ばして働くことを意味する。

最初に挙げた日本のこれからの経済上のリスクは、少子化高齢化による
労働力減少
→生産力、消費の減少
→経済の弱体化スパイラル
社会保障費の増加
→国民負担の増加
→経済の弱体化スパイラル
なわけで、80歳まで働く人が増えることで
労働力増加
→生産力、消費の増加
健康年齢の上昇
→医療費や社会保障費負担の減少
を目指したいわけですね。。。

ここで問題点として上がりそうなのは、若年層労働者との職の奪い合いにならないか、ということ。
60歳以上の労働者比率がどのくらい上がれば、若年層の労働力減少をまかない、さらに徐々に経済力の増加へとシフトアップできるかというのは、ちゃんと統計的に概算しないとまずいのはたしか。。。

ここで気にしておかないといけない点は、
60歳以上で働くのは負け組でないという意識改革
→でもこれは役立ちたいと思っている人が多いからそれほど敷居は高くない
あくまでも社会保障をカバーする程度で当初は考える
→若年層との奪い合いや過剰な高給を避ける
現在不足している業種を優先する
→介護や保育、スキルの継承が重要な製造業あたりを中心に考える

そもそも定年制の概念の一方には、労働者の循環の他に、その後を子供達と過ごす部分が相当大きなウェイトとして考えられていたはずなのに、現在のように核家族化が進んで、親子の接点がやや希薄になって、歳をとってからの時間が無為なものになりかねないリスクを考えれば、労働という形で社会との接点を持ち続ける、という回答はありのはず。
おそらくこれから先、労働力不足に対しては、移民問題、外国人労働者という安価な労働者という考え方も出てくるでしょうし、それも十分機能し得ると思ってますけど、一方で、高齢化が進む日本を考えれば、健康なお年寄りを増やして医療費や社会保障費を抑制し、労働者不足も解消でき、さらにうまくいけば、そこから少子化問題を解決する糸口にもなる、80歳まで働くっていう方法論はもっと真剣に考えていいと思うんですよね。(おそらく国際化、多様化という面からいけば、両者併用が望ましいと思う)

老老介護とかいってるけど、こないだお年寄り夫婦が年老いた犬を散歩させている姿を見たりして、老々々介護まであるのか、とか思ったりもしたのでね。。。

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