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「アナログレコードの実際」

2021年 1月8日 のブログ

CMS Records web site  http://cms-records.biz

このブログはCMSレコード HP のブログ http://soboro.sblo.jp/ 「そぼろ」by CMSレコードエンジニア 小宮山英一郎 から、転載しています。


 昨日のブログの続きを書きますが、アナログレコードの話です。もう随分前、多分10年弱前だと思うのですが、ジャズのレコードのオリジナル版の聴き比べというのをやりました。

 オリジナル盤というのは、そのレコードがリリース、、つまりこの世に出た時の最初にプレスされたもので、それを好事家の方達は珍重していて、そういうレコード盤は高値で取引されていたりします。音質だけでなく、ジャケットのグラフィックがオリジナル盤の方が優れているとか、まあ一種の原典主義という感じの価値観があるわけです。

 それで、その聴き比べたオリジナル盤というのは、超有名なジャズの名盤、Miles Davis の「Kind of Blue」でした。この盤は実は何かといわく付きで、収録されている、いくつかの曲(音源)がサブマスターを使っていて、オリジナル盤では回転スピードが違い、結果、わずかに演奏の音程(ピッチ)が違う、、ということが、一部では有名な話です。

 近年になって、それらの曲のピッチを修正したもので、CDでプレスされているらしいですが、何十年も世界で聴かれていた音源が、実はそういう事故音源だったというわけです。

 それで、そのオリジナル盤ですが、全部で3枚ありました。 Miles Davis の「Kind of Blue」の場合、インストのレコード(唄の入っていない)には珍しく、最初のプレスはなんと、資料によると8万枚も造られたそうです。

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 ジャズの場合、マイナーな作品は1000枚とか、2000枚くらいしかプレスしないことはよくあることですから、当時のMiles Davis の人気というものは、ものすごかったのだなと思います。

 最近調べて知ったのですが、LPレコードをプレスする元版、、つまり金属のマスター的なものは大体、一枚で4000枚くらいのレコードが製造できるそうで、そのマスターを作る前のさらに大元の盤は、テープから起こして、カッティングし、金属メッキしたものですが、その大元の盤から、金属メッキしたものが、4枚くらい造ることができるそうです。つまり、一回のマスターテープからの製造工程で、4×4000枚、、つまり16000枚のLPレコードが製造できるということになります。

 ということは Miles Davis の「Kind of Blue」の場合最初に8万枚プレスされたわけですから、80000÷16000=5で、恐らくは最低でも5枚のマスター盤が存在していたということになります。

 

 それで、その3枚のオリジナル盤の音はどうだったのかというと、それぞれ違いました。一枚はまあまあの音で、古いレコード(60年以上前)ですから、盤自体も傷んでいるのですが、他の2枚は、盤の痛みより、回転ムラが気になりました。残りの二枚のうち一枚は、緩やかな周期で回転のムラがあり、音が揺れている、つまりピッチが不安定に聞こえました。

 これは再生しているプレーヤーの回転ムラではなく、テープから盤にカッティングする時の、テープか、円盤を回す機械の回転ムラによるものだと思います。そこで混入した回転ムラは、ピッチが揺れる、おかしな音のまま、溝が切られて、それがLPレコードになってしまっていたのです。

 そしてもう一枚は、細かい周期の回転ムラ、、が同じような工程で、できてしまったLPでした。もちろん私のような専門家でなければ、どちらもそれほど気にならない程度の回転ムラなのかもしれませんが、あれは明らかにCDで聞くことができる、揺れのない音源とは違いました。

 細かい周期の回転ムラは音を濁らせますので、これもあまり気持ち良いものではありません。

 ということで、その3枚の名盤、Miles Davis の「Kind of Blue」のオリジナル盤は間違いなく、別々の原盤でプレスされたものであるということがわかりました。ただ、当時のレコードプレーヤーはそれほど性能は良くありませんでしたから、それらの盤は放送局などのプレーヤーでかけない限り、音質の悪さ(回転ムラ)は、そこまでは気にならなかったとは思います。

 ちなみに、「Kind of Blue」の場合、そういうわけで、オリジナル盤はたくさん存在していますので、その取引値段はそれほど高くないのだそうです。それにそれだけ沢山のマスターがあるということは、音質のばらつきもかなりあるので、レコードのとしての価値も、あまり高くはないということができますよね、。

 私の価値観で言わせてもらえば、そういう粗悪な骨董品を愛でる趣味はありませんので、ピッチが修正され、理想的な形でマスターテープからデジタル化され、回転ムラを感じない、音源を聞いた方が、より音楽が楽しめるわけですから、CDや、配信の方で聴きたいと思います。

 ただ現代のやり方でプレスされたLPレコードは当時とは随分レベルが違う、音質の良いものであることは付け加えておきたいとは思います。

 ちなみに、良い形でマスタリングしなおされた音源を元にプレスされたLPなら、かなり良い音で聞くことができるとは思いますが、所詮アナログですから、ちゃんとした環境で再生しても、デジタル音源にはあらゆる意味で、勝てはしないということは、確実に言えます。

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CMS レコード主宰 細川正彦の演奏情報

トリオHTK 8thライヴ 時間が変更になりました。

2022年 1月13日木曜日 at GROOVE 19:00~ 

〒901-2122 浦添市勢理客 2-18-10 地下一階. tel,fax (098)879-4977.

メンバー 細川正彦 p 高尾英樹 b 川原大輔 ds


2022年 2月13日日曜日 鹿児島県 徳之島 A-House 〒891-7101 鹿児島県大島郡徳之島町亀津7315 0997-83-2981

細川正彦トリオ ベース ジェフ 蔵方 ドラム 川原大輔

細川正彦トリオ ベース 古荘昇龍  ドラム Sebastiaan Kaptein 熊本ライヴ(終了しました)

2021年 10月26日火曜日  大劇会館   〒860-0808 熊本県熊本市中央区手取本町4-1

       

     10月27日水曜日  おくら 〒860-0848 熊本県熊本市中央区南坪井町1−12


〒901-2122 沖縄県浦添市勢理客2丁目18-10 098-879-4977
大森ひろ"The Drummist" レコ発ツアー 細川正彦p トリオ 加藤雅史ba 大森ひろds(終了)
8月25日 水曜日  名古屋 キャバレロ クラブ  〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2丁目15-28 小島ビル 1F 052-931-0914
 8月26日 水曜日 岐阜 アイランド カフェ 〒502-0911 岐阜県岐阜市北島5丁目3−5 058-213-7505
 8月27日 木曜日 大阪 八戸ノ里 バー蓄音機 〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪5丁目6-5 06-4307-0080 中止
8月28日 金曜日 高知 Panchos(パンチョス) 〒780-0841 高知県高知市帯屋町1丁目2−1 088-823-0647 中止
 8月29日 土曜日 兵庫 明石 Pochi
 〒673-0892 兵庫県明石市本町1−1−2丁目 ローソンストア100明石本町店 B1F 中止
2021年 7 月 ライヴスケジュール(終了)
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〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2丁目15-28 小島ビル 1F 052-931-0914
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 ピアノトリオ 山本 学 bass 弦牧 潔 drums 細川正彦 piano
 7月17日 土曜日 大阪 放出 ディアロード 14:00〜
 〒538-0044 大阪府 大阪市 鶴見区 放出東3丁目-20-21東大阪リビングセンター 4F 090-8141-7309
 ピアノトリオ 山本 学 bass 弦牧 潔 drums 細川正彦 piano
 7月19日 月曜日  名古屋 スターアイズ
〒464-0836 愛知県名古屋市千種区菊坂町3丁目4−1052-763-2636
   竹中優子 as 加藤雅史 bass 細川正彦 piano

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