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【徹底比較】#1 市販の大豆ミートバーグ編

こんにちは、リサーチ部Masaeです。プラントベースフードの中でも大豆ミートを使ったハンバーグは目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。いま、スーパーなどで販売されている大豆ミートバーグを調べたところ、20種類もの商品があることを確認しました。じわじわと広がりを見せる中、興味はあるけれど、どんな種類があり、どんな味なのか?そんな疑問を解消すべく、Masaeと20~40代のメンバーとともに食べ比べ独自に評価した内容や、それを踏まえての考察を紹介していきます。
 ✓ そもそも、大豆ミートのハンバーグってどんなものなの?
 ✓ どんな種類でどんな味があるの?
   ✓  リアル肉のハンバーグとどんな風に違うの?

市販の大豆ミートバーグは、20種類!(2021年8月、筆者調べ)

大豆ミートバーグの調査を開始していったところ、現時点で20種類が確認できました。まず販売場所ですが、一般的なスーパーでは、ミートボールやレトルトハンバーグのコーナーに混じって見つかることが多かったです。イオンなどでは大豆ミート特設コーナーが開設されており、注目を浴びていることが伺えます。価格は、1個あたり128円~390円、重量は67g~156gと幅があり、動物性原料が不使用の商品は価格が高い傾向。中には内容量100g中固形量60gと4割がソースが占めている製品もありました。

【徹底比較】#1 大豆ミートバーグ編 (1)


味の種類はというと、デミグラスソースが一番多く9種類、その他はトマトソースや和風等で8種類、薄い味付けタイプが3種類。味付きは、ソースの味が強い印象があります。主な原材料は、粒状大豆たん白などの大豆ミートや、粉状の植物性たん白など。ほとんどの製品で、原材料には卵白など動物性原料の表示を確認。ヴィーガン仕様は、3商品ありました。また、パッケージの特徴として”肉ではない”と伝えるため”大豆ミートを使った〇〇”などの表示や、健康志向を意識した栄養強調表示も。例えば、上記写真の”低コレステロール”表示(伊藤ハム)、エネルギー量の比較(大塚食品)がみられます。そして、従来のハンバーグの味・ジューシーさ・香りを期待・連想してしまう写真のイメージがありました。

ハンバーグのおいしさの要素から、大豆ミートバーグを分析

ます、ハンバーグの味わいというのは、“旨味・食感・風味の3つの要素のバランスが美味しさの秘訣”(引用:ハンバーグ委員会)といわれています。今回調べた大豆ミートバーグは、加工品という狭い分野であり、出来立てのおいしさを味わえるわけでもないことから、本来の肉のジューシーさや香りは全く別のものとして配慮していきます。最初に、旨味について、大豆ミート自体には旨味が少ないため、タネやソースを工夫することで補なっていると考えられます。そして、食感では肉の弾力性を大豆の繊維感などで表現されていますが、脂肪分が低い大豆ミートではぎっしり詰まった食感の製品が多い傾向。そして、風味はスパイスを駆使して豆臭をマスキングしている特徴があります。その他では、ソースの味が強すぎたり多いものがあったりと、従来のハンバーグの味わいからは、美味しさに関連する様々な要素が足りていない点が多いといえるでしょう。そんな中で、納得できる商品はあるのかと、様々な大豆バーグを比較・検証してみました。


普段から肉を食べるメンバーでレビューした結果 2021.6.29

【徹底比較】#1 大豆ミートバーグ編 (2)

方法としては、調査した大豆ミートバーグの中から独自に選んだ下記A~Dの4製品を6名(Masaeを含む30代女性管理栄養士2名・20~30代の男性4名)で評価していきます。このメンバーは、普段から肉を食べており、これまで大豆ミート商品を数回は食べたことはあります。

果たしてその評価とは・・・。

A 大豆ミートハンバーグ2個入り(ニチレイ) 259円/袋140g
B デミグラス風野菜大豆バーグ(三育フーズ)260円/袋100g
C ゼロミートチーズインデミグラスタイプ(大塚食品)298円/個140g
D 大豆ミートハンバーグ デミグラス風(日本ハム)189円/袋90g
(R 参照として、お母さん食堂ハンバーグ(ファミリーマート))
番外編 サラダバーグ(茂木食品工業)259円/袋90g

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1番評価の高かったのは・・・A大豆ミートハンバーグ(ニチレイ)です。この商品では、大豆ミート特有の豆臭が、”全くしない、弱い、ほぼしない”と評価され、さらに味付けも本レビュワーたちの口に合っていたようです。逆に1番評価の低かったのは・・・Cゼロミート(大塚食品)でした。この商品は、独特の臭いがするという評価があり、味を感じる前に香りに圧倒され評価が低くなっています。この独特の臭いというのを原材料から推察していくと、使用されている玄米粉が大豆ミートの臭いと混じり、独特の臭いになっていると考えられます。また、”中身の豆乳チーズがあるから食べられた”という意見や、豆乳チーズが口に合わないという意見もありました。

全員のレビューを総合し、高評価から順に並べると、A→D→B→C となりました。全体的に足りていないところというと、”ジューシーさ”です。食感の肉っぽさは表現されているが、日頃慣れ親しんだ美味しいと思えるリアル肉のハンバーグと比べると、この点が欠けているように思えます。” ハンバーグの味わいは、旨味・食感・風味の3つの要素のバランス” で決まります。これらの要素が合わさったとき、★5つの評価が生まれるのかもしれません。

ーーおいしい製品も登場しはじめている。
一方で、番外編としたサラダバーグ(茂木食品工業)は、デミグラスソースなどで濃い味付けがされていない製品なのですが、”試食した9割がおいしい”(引用:食品産業新聞社)と評価されています。薄味で独特の豆臭の臭みを酵母エキスなどを使用し工夫しているようです。実際に試食してみても、ハンバーグの弾力、ジューシーな肉汁っぽさがあります。数種のこんにゃく粉を使用し肉汁をうまく再現するように加工したというのは、こんにゃくメーカーならではの技術といえるでしょう。

まとめ

今回は、特徴的な種類のみで比較していきましたが、実際、評価をする中で食べるのを止めてしまうメンバーもいました。” 肉じゃない”” ハンバーグじゃない” という辛口の評価もあったのですが、これは肉じゃないのは事実なんです。ハンバーグのイメージで食べたとしたら裏切られた感があったのかもしれません。でも、従来のハンバーグとは違う食べ物なのです。私自身は食べ慣れてくると大豆ミートだからという妥協(?)というか、こういうモノだという観点が生まれ、” 結構おいしい” と思えてきたりもしています。

実のところ、個人的には大豆ミートの食べ方として、”ハンバーグ”という料理が向いていないと思っています。おいしくするために、ソースやうま味成分で調整する必要があり、どの商品も多種多様な原料が使用されているんですが、複雑な味にすればおいしくなるというわけではないのです。近い将来、肉・魚・卵の並びに大豆ミートがラインナップされるのであれば、食材に合った食べ方がもっと研究され、自分はこっちの方が好きだと言えるほど、大豆ミートの良さが活かされた魅力的な商品がもっと増えてきてほしいと願うばかりです。

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