過去と情報社会について

何を契機に本文を書いているかは、あえて書かない。未来の自分が想起できるのかそれとも想起できないのか?それもこの文章をここに記す大きな意味を持っている。

今のところ、過去自分が発信した情報、他人が発信した真偽はともかく自分に関連した情報は全て全期間保存される世の中であり、情報識別子として、自分が特定できる場合は、未来永劫過去の自分の主義主張、過失含めて完全にフルオープンで世の中にさらされてしまう状態である。(情報化社会における情報の拡散容易性は殺人的であり、情報開示範囲設定などは意味を持たない。)

完璧な人間など存在しないと筆者は思っている。誰しも、自らの欲望のため、過ちを犯すし、全治全脳な人間など存在しないのだから恥ずかしいミスもするし、生まれた瞬間から常時”美しい”わけではない。

世界に存在する宗教において、この人間の不完全性をここからの行いでいかに克服していくのか?贖罪をしていくのか?に関してフォーカスを当てていないものはない。それほど自明なものである。

「人間は、過去に囚われず、生き方によっては生まれ変わる事ができる」自分自身もこの真理には救われていると思っているし、さらにハイレベルでも、この真理により、その時の過ちを改め、立派に再起を果たしている国家/企業も数えきれないほどある。

ただ、ここからの社会どうだろう?我々は上記の通り、過去の過ちを改め、生きなおす事ができるのだろうか?個人がSNS等で発信するしないの問題ではない。情報化社会における振る舞い方は、大きく個人に依存するし、その振る舞いを押さえつける事はできない。もはや個人の情報化社会との付き合い方レベルで解決できる問題ではなくなっている。また、それを助長する検閲/検証機能を失い情報転送屋と化した一部の使命感欠如傾向のあるメディア/インフルエンサーも、もはや止める事はできないだろう。

高速のネットワーク、無尽蔵で安価なストレージ、資本/拝金主義にて倫理性の欠如した情報プロダクト/サービスの跋扈。この3つが存在している限りこの現状は変える事ができないし、私の子供達はこの時代を今から生きていく事になる。1情報化社会に関連する人間として、この未来を何とかできないかと最近思い悩んでいる。

高速ネットワーク、無尽蔵で安価なストレージこれ自体は問題なないと考えるし、人類にとって、価値以外の何物でもないだろう。※もちろんこれによる消費エネルギーの問題は再エネ等でしっかりカバーしなければならないものだと強く思う。

問題は、資本/拝金主義にて倫理性の欠如した情報プロダクト/サービスの跋扈であり、これに対しては何かできるのではないかと思う。


まずは情報サービス産業における「採用」である。

私は、もはや何よりも「倫理感」を重要視して採用を進めるフェーズに来ているのではないかと考えている。情報産業は以前、「命にはかかわらない産業」であったが、だが今は違う「情報産業は人の命まで左右する産業」となっているのである。全てのサービスは「人を幸せにするため」に存在しなければならない。これはビジネスが成り立つ必要最低限の条件であるべきだし、それが満たされないところにビジネスが成り立ってはならない。

これは綺麗事で言ってるだけではなく、上記の通りここからの時代「一度犯した過ちは今のところ消せないから」である。

2つ目は、上記の元サービス設計をもっと「時系列的、空間的にとらえる事」である。例えば、Facebookは少なくとも開始されてから20年間程度主役である。では、現状のサービス設計はそのような20年、30年というユーザの時間を意識したものになっているであろうか?空間といった意味ではどうか?主義主張が異なるグローバルという空間において、シームレスに情報開示や公開ができるという機能に対して、紛争を助長するするような投稿等に対して、開示先による適切なフィルタリングは考慮されていたのか?表現の自由を、Desrespectの自由とはきちがえては決してならないという自明の事実に対して、生前説による中途半端な対処をとっていないかったか?

FBは単なる例であり、それを否定するつもりもないし、筆者ももちろんユーザである。ただ、ここから生み出されるサービスはこのような事を考慮して、人の生命にかかわるサービスとして「本気で」設計がなされるべきであるし、本番ローンチの前の、長期間の実証も行われるように、情報サービスというもの自体に見直しがかかってくるべきだと強く思う。

2チャンネル契機で起きた各種事件に対してホリエモンさん、ひろゆきさんを含め議論している動画も上がっている。これも消せない。「サービスを提供しただけです。そこで何が起ころうが我々は知ったこっちゃない」    それに対する反論として、「そういう風にしか考えられない脳みそなんですよ。」と両者は過去に言っていた。

2人ともすごくファクトを元にして論理的に主張をわかりやすく話してくれるし大好きです。そして、2人とも、今現時点では、そのようには思っていないと思うし、2人が大好きだからそう願うところがある。

でも、これもまぎれもなく、情報化社会の中で、「消せない過去の事実」なのである。

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