6/29 溺れる男

無事に充電器も部屋に届けてもらい、

お風呂のお湯が張れて「それじゃ入りましょ」と促しながらも、不安・・・

本当に入れるのか・・・入るって言うなよ~~~っていう気持ち、

服を脱ぐときも「脱がしましょうか?」って言うと「できますから」って言う。

浴室に入ると備え付けのバスチェアをおもむろに湯船に入れ出した。

「え?」と声に出しそうになった。いやじゃぁ(T_T)汚いやん!

浴槽が少し深いので・・・と言う

確かに彼はほぼ前傾なので、真っ直ぐになるのは難しい=湯船に沈んでしまう。

仕方ないとは言え、湯船にバスチェアを入れて入るのは抵抗がある・・・自宅でもやらない

もう!入らなきゃいいじゃん!!!!って声を大にして言いたい。

でも、お風呂に入るのが限られた日で毎日暑い日が続いたら、お湯に入りたくなるよね・・・

そう思ったら何も言えないなぁ・・・

体を軽く洗って、湯船に入るときに浴槽の縁が高くて苦労したけど、何とか入れる事ができて、

その中に沈めたバスチェアに喜んで座ってた。

私も自分の体を洗って、振り返ると浴槽の車椅子男(仮名)が今にも溺れそうになっている。

えーーーーー!ってなって慌てて起きあげる。

自分で浴槽の縁を支えてないと顔が前傾なので湯船に浸かってしまうんだ(・_・;

支えながら浴槽に入って向かい合って、体を支える。両脇を持ち上げるように支えないと無理だ!バスチェア入ってる浴槽なんて無理!とか言ってる場合ではない・・・

喜んで浸かっている車椅子男を前に違う意味で汗だくになりながら大人の体を支える。

尚且つ会話。

「頭を洗ってほしい」

と言うので、湯船から出て

バスチェアを出してシャワーの前に座らせて頭をシャワーで流し、

シャンプーをつけて泡立てる。

・・・100倍楽だ・・・(前傾だから?笑)

さっぱりとして部屋に戻るとご満悦のようだった。

私はその分3人くらい接客したような気分だった。

ヘトヘトになりながらまだ続くのかと思うと意識が遠くなった。

おそらくまだだろう・・・と、確信できるのはロングタイムだったから・・・

180位だったかな?

ベッドに移動すると(その時点でやっぱりプレイするのか・・・と肩を落とす)

「責めたいので・・・」と言って私に仰向けになるように促す。

えぇ~~~何するのんだよぉ怖いよぉう(T_T)

もちろん四つん這いの状態で彼は自分の体を支える事ができない。

なので、両膝、片方の肩をベッドにつけた3点倒立(?)状態で私の胸に攻撃をしてくるんだけど、それも頭部から半身を全力で私の体に乗せてくるので重い・・・

うはぁ・・・苦しい( ; ; )

それでも触りたい、舐めたいの一心不乱でほぼ私は南極1号・・・(古い!せめてラブドールと!

つか、南極1号のWikipediaが面白すぎる)

声も

「あーーーーー(重い)うぅーーーー(痛い)あぅーーーー(早く終わって)」の繰り返し、

さながら瀕死の小動物の鳴き声のような感じ・・・

彼の満足度はなかなか上がらないようで、一休みを何度か入れながら、それは続いた。

「無理しないでください、変わりましょうか?」

「あ、いえこれが好きなんで」←いやもう拷問

どのくらい続いたか・・・記憶が遠のく直前で彼は疲れたのか満足したのか、

ようやく私の隣に仰向けで寝転んだ。

先が見えたようで私の未来が明るく見えた。

何だか窓の外から眩しい光が漏れているようにも感じた。(そんなわけがない)

選手交代した後は難儀な事はなかった。

神の手(え?)により天に召されるように彼は昇天(使っちゃいけない言葉のチョイス、危ない表現な気がする(*´∇`*))

少しだけベッドでゆっくりと会話して、時間を考えて身支度をする。

支度にも時間がかかると思ったので・・・

早過ぎず、遅過ぎない時間でタイマーが鳴る。

帰りのエレベーターも来た時と同じように四苦八苦しながら乗り込んで無事にホテルを後にする。

「これから○○(施設のある)に帰られるんですか?」

「いえ、今日は門限に間に合わないので近くにある泊まる施設があるので、そこに連絡してありますので、またお会いしましょう」

「・・・気をつけて~~~(また・・・の部分には触れない)私はこっちなので」

駅とは真逆の方向を指差す。

「それでは」そう言って彼は暴走して行った・・・

それからお店に電話して発狂した事は言うまでもない・・・

冒頭で「何度かご利用されてて誰からもクレームもNGも出てませんよ」

スタッフはそう言ってた。

「嘘でしょ?」って思ったんだけど、

彼はしきりに「大丈夫です。自分でできますから」ってそう言ってた。

それってやっぱり煩わせて嫌がられたくない真意なんじゃないかと思った。

無責任な女性なら「できません」って言えば多分彼は「そうですか」と諦めるだろうし、

考え方によっては楽なお客さんなのかもしれない・・・

そんな無責任な接客でいいのかな?

私は無理だし、かといって「できません」も言えない。

したくなくても希望して叶えられる範囲であれば叶えたいと思ってしまう。

これが楽に考えられない私の性分。

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