報告 長興寺

この記事は以前使っていたブログから引っ越して再投稿した過去記事です。ご了承ください。

初筆 2022年10月25日

夕焼けを見ながら演奏会場に向かう、最近ではあまりないシチュエーションでした。
今回は先週末の、えんじろう単独演奏会「長興寺 オカリナコンサート」の報告記事となります。

経緯

演奏のご相談を頂いたのは1本のお電話からでした。演奏会を開くのは初めてのこととおっしゃる主催者さんと色々できることを煮詰めていった結果、今回の単独でのコンサートにたどり着きました。

主催者の婦人会の方々が今回の企画をされた理由は「地元の皆さんに本物の音楽を届ける機会を作りたい」という願いからだそうです。僕は「自分の演奏って本物なのだろうか?」などと一瞬戸惑いかけたものの、10年以上やり続けられているのは本当のことだから良いのかなと考え直し、お引き受けしました。

会場の長興寺さん

こちらが会場の「長興寺」さん。とても立派なお寺でした。当初は30から40人くらいのお客様を想定されていると伺ったので、それならお寺の環境ということもありぜひ「生音」を中心にしたライブにしてみますと宣言。

実はちょっと前にこのブログでご紹介した「完全電池駆動の電源レス音響」は、この日のために組みました。

こちらは始まるずいぶん前のひとコマなのですが、当日はなんと60名を超えるお客様が起こしくださったとのことで、予想外の人数に音響面でかなり戸惑っていました。
充分に後ろの方まで届けられるのだろうか?かと言って伴奏ばかりの音量を上げると、肝心なオカリナの音色が聞こえなくなってしまう・・・。

腹をくくった瞬間

いろいろな想像が駆け巡ったものの、結局「初志貫徹!」最初の方法を貫き通すことを決めました。

人間も動物の1つです。だからあらゆる感覚にはその感度を自由にコントロールできる機能がついています。ただ現代人は均一化された音量や証明によってそういった自主調節能力が少々弱まっていると感じています。
だからこそこの機会を利用してそういった能力を生かして楽しんで頂く、まさに「生を楽しむライブ」にすると決めました。

気持ちを切り替えたら一挙に楽になり、会の最初にその趣旨を皆さんにも力説しちゃいました。するとどうでしょう?皆さんの聴き方が本当に動物的な鋭いものになっているような空気を感じました。与えられるままに・・・ではなく、余すところなく楽しむぞという雰囲気です。

演奏者としてこれは非常に光栄で幸せな会場の雰囲気でもありますが、考えようによっては自分の気持も態度もすべてが見透かされるような一時になることを意味しますね。どひゃーという気分でもあります。

そこは続けてきた経験(演奏後に喜びの言葉をかけていただけた数々の体験)が、僕の背中を後押ししてくれました。

この演奏で「今を楽しむ姿」を見てもらい、幸せな空気を振りまくんでしょ?だったら今進んで幸せを感じずにどうするの?という声が聴こえてくるようでした。

本番10分前。右側に写っている控室で、えんじろうは発声練習をしてました。
歌うわけじゃないですが、今日はこれをしておこう。そうすれば一発目から音程が安定するに違いないという謎の確信を信じて。

そしてこの確信は正しかった。

スター

今回も演奏写真はご用意できずすみませんが、演奏後に撮影した星の写真です。僕の目では完全悩みなのに、携帯で撮るとこんなにも星が光っているのですね。とても面白い。文明に感謝してしまいます。

大成功

話は戻り、発声練習のかいあってか、最初からしっかりエンジンのかかった状態でステージを始めることができました。特に元々苦手なおしゃべりが、言葉を整理したく鳴るくらい言葉が浮かんできました。

今回は初めてオカリナの音色を聴かれる方がかなり多いとのことなので、誰もが知っていそうな曲とオカリナのために作ったオリジナル曲を半々くらいで演奏しました。元気な曲も、ゆったりとリラックスな曲も、重く響く曲も色々詰め合わせたような内容でした。特に後半はお寺さんでの演奏ということもあり、九十九神の中からチョイスした曲も割と多かったです。

ハミング参加の「タタンタンのタン」では、女性に続き男性の皆様の声も徐々に聴こえてくるのが「ライブだなあ」と感じました。アンコールを頂いて演奏した「七つの子」では、反対に男性陣の優しい声が本堂に響き渡り、これも雰囲気があって素敵なひとときでした。ご参加くださりありがとうございます。

今回の楽器たち

今回は9本と割りと少数精鋭でした。会場や演奏曲の雰囲気に合わせて使用できる楽器を選べるというのは、本当に幸せなことだと思います。

終演後はいくつか温かいお言葉を頂くことができました。そしてオカリナに興味を持たれた方が、楽器を見に来てくださることも演奏の幸せの1つです。
そうしてこの楽器を好きになってくれる人が増えていったら、僕は人生を支えてくれるオカリナに恩返しができたことになりますからね。

今回はスタッフとしてりょうこさんと後援会のS氏が同行してくださり、物販などを助けていただきました。
魂心の「九十九神」も数枚売れたとのことで、とても嬉しかったです。

TL = R

  • T(トランスファー)は、伝えての心

  • L(ライク)は、受け手が伝えてのことをどう思っているか

  • R(レシーバー)は、受けての心

今回の演奏を経て、なんだか突然こんな公式が浮かんできました。公式の書き方とかもわかっていないので、的外れかもしれないのですがね(笑)今回の場合は・・・

演奏者 ✕ 好感度 = お客様

ということになるかな?演奏者が喜びを感じていると、演奏者になんの感情も持っていない初めて見た人(好感度が1の人)には、演奏者と同等の喜びがそのまま伝わる。演奏者を好きな人にはその度合が掛け算されて伝わる。更に嫌いな人(好感度がマイナス値)には、喜びと真逆の感情が伝わる。

いやいやこんな風に面倒くさい書き方せんでも、普通に考えりゃそうじゃんって話ですが、意外とこの「係数」の部分って見逃してしまうと感じます。特に演奏者は「誰からもよく思ってほしい」とか考えてしまいやすいものです。本当はこの係数の部分は、普段の行動の結果であってそのときだけどうにかできるようなものではないってことですよね。自分でそんなことを書いておいて、今結構「ドキッ」としたりしています(笑)

なーんか話がぜんぜん違う方向に流れてしまいましたが、今回は本当にたくさんのお客様にじっくりと聴いていただくことができ、晩秋の静かな夜であったことも相まって本当に素敵な環境で音楽を届けることができたことに感謝でいっぱいです。主催者様と、お寺のご住職様、そして興味を持ってくださったお客様、ありがとうございました。

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