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嫁と姑

姑は些細なことで嫁をいつもいじめていました。

嫁はいじめられる度に姑に対して恨みが大きくなり、「いつか仕返ししてやる」と思いました。

ある日、姑が風邪で寝込んだ時、姑は嫁に近所の寺に行って薬を分けてもらってくるように言いました。

嫁はここぞとばかり、姑からいじめらていたことを和尚に伝えました。
「姑は苦しめばいいのです。そうだ、姑が苦しむような毒薬をください」

和尚は嫁の話を聞いて可哀そうに思い、言われるがまま毒薬を嫁に渡しました。和尚は「この薬はすぐに効かないので、姑の機嫌をとりながら、根気強く飲ませ続けるように」と、嫁に念を押しました。

嫁は早速、「これは良薬だから」とやさしく介護しながら、姑に薬を飲ませました。嫁は、苦い薬を飲むのを渋る姑を毎日やさしく励ましながら、毒薬を飲ませ続けました。

すると姑は涙を流しながら「こんなに優しくしてもらって私は嬉しいよ。今まで意地悪ばかりして本当に悪かった」と、嫁に心から謝りました。

この姑の言葉を聞いた嫁は心苦しくなりました。嫁は自分がとんでもない事をしてしまったことを悔いて、嫁は大急ぎで和尚のところに駆け込みました。

和尚は嫁に告げました。
 「実はあれは元々毒ではない。ちゃんとした薬だ。どうだ、善い行いをしてやさしく人に接すると、相手の心もきれいになるであろう」

やがて姑の病は治り、二人は近所でも評判の仲の良い嫁と姑になりました。

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