封建制度衰退

資本主義は18世紀までに西欧で徐々に姿を現した。
封建制度が衰退し、経済活動のベースとなる移動の自由などを個人が手に入れたことが影響した。
都市国家では徐々に商業が発展し、交易を通じた富の蓄積が進むと、西欧各国は重商主義を展開した。
輸入を規制して国内の商人を保護し、植民地の開拓を進めた。

資本主義を支える仕組みも次々と生まれた。
1602年、世界初の株式会社ともされる東インド会社が誕生。
株主がリスクを負って資金を提供し、利益を分け合う仕組みが広がっていった。

金融業も発展し、17世紀に入ると株式や債券を取引する市場が整備され、オランダ・アムステルダムや英ロンドンが国際的な金融センターとなった。
英国では毛織物などの農村の手工業も生まれた。
市民革命で個人の所有権が確立され、富を蓄積する主体が国から個人へと移っていった。

価値観も変わった。アダムスミスは18世紀後半、利己心に基づく個人の行動が社会全体の利益につながる動きを「神の見えざる手」と説いた。
個人や企業による利潤追求が社会の推進力となり、資本主義の礎が築かれた。

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