そして廻るバニーホップ⑤
ついこないだ見つけたフロントアップ、低まり侵入スライド式フロントアップが最近またうまくいかなくなってきた。 何だろうこの不安定さは? 力み過ぎているというかフロントの軽さを感じないというか……。
そんな折、なんとも言えぬ感覚、名状しがたいイメージがぼくを包む。 もっとこう、 こうやんか? と。
それでも禁じ手から目を逸らし、自分のセオリーを守りバニーホップで跳ぶべき目標物(バックパック等)を目指し進む道中、腰を落としそのまま前へバーにしがみつく格好から一気にバーを前へ突き出して身体を後ろに放り投げるフロントアップを頑なに守っていた。 何よりもテニス肘の左腕に優しいのだ。 寄る年波に煽られぼくはもう、ビデオで見るようなパワー溢れるフロントアップをするべきではない、と思っていたのだが、この低まり侵入スライド式フロントアップから沸いてきたイメージが頭を離れない。
この低スラフロントアップに上からのプッシュを加えられるのではないか、 つまり高い位置から一気に屈み込み、スライドさせながらするフロントアップである。 よく言うボート漕ぎのムーヴ、つまり平たく言うと普通のバニーホップフロントアップなのだが、BMXを始めて4年半、暑い日も寒い日も跳び続けやっと普通のフロントアップの具合がイメージとして身体に収まりつつあるのかもしれないという憂い無き感情。
この高スラフロントアップは昔のぼくには屈み込むアクションが増えタイミングが難しかった。 だけどストロークが少なくフロントアップまでの時間が早い。 つまり普通のフロントアップなのだが、タイミングがとても取りやすい。 余談だが、もしかするとバーを今までで一番低く下げたこともプッシュのやりやすさに加点しているのかもしれない。 逆に言うとバーを下げた事によって低スラフロントアップがやりにくくなったのかもしれない。
このパワー型と呼んでいたフロントアップは肘に良くないと思っていたが、今やっている上スラフロントアップは肘にそんなに悪くない。
これが正解なのか?
まだまだ始めたばかりであちこちに改良点を感じているが、この日もあと50本くらい跳びたかったという程にゾーンに入っていて調子が良かった。 だが夕飯までに大人しく帰らないとこの趣味に家族からより多いケチが飛んできてしまう。
それは好ましくない。 より良い健やかなBMXライフには家族のご理解が欠かせない。
時計を見ながらあと何本跳べるか考えつつ一本一本を大切に跳んだがタイムアップは無視できない。
低スラフロントアップも感動したもんだったが、かかる時間と高さの限界を改めて感じ始めていた。 高スラフロントアップは低スラフロントアップの欠点をほぼ解消しているように思う。
かつての60センチオーバーに届きそうだった頃程の無理やり感はない。 軽いし、滞空時間も長くなったように思う。
やっていて思ったのは低スラフロントアップは腕が伸びきり過ぎているのかもしれない、高スラフロントアップだと腕が伸びてから引く動作が角度的にやりやすいのかもしれない。この辺はまだよくわからない。
かつてのフロントアップでは、タメに入るタイミングを取るのが難しかった。 リズムに乗れない子みたいだったが、今のやり方だとワンツースリーという感じで跳ねながらタメ動作に入れる。 これは慣れなのだろうか?
低スラフロントアップはタメ動作を捨てたフロントアップだったのでやはりタメが効くと軽く上がるのだろうか。 あと何回かこの新しい普通の高スラフロントアップを練習して身体に染み込ませたらまた100バニをやりたい。 少しばかり涼しくなってきたしね(感覚のマヒ)
タイヤの空気圧を60psiから80psiに上げたのでタメの反発も周波数が高く、かつての乗り方では多分タイヤの反発を使えていなかったと思うが、今回はしっかりと潰れるのを感じ取れる。
今度こそ迷走する迷えるバニーホップは完成されるのか、それは…… やはり数の賜物なのだろうか。
少しばかりの技をやってきた経験から、一つの技を会得するのにかかる回数は全く何もその分野の運動神経が無い状態からだととりあえず形になるまでに3000回、安定して伸びてくるまでにさらに3000回、そこそこの完成度を見るのに累計10,000回くらいやればいいのかなって気がしている。 バニホもたぶん、カウントしていない回数を含めると優に一万は越えていると思う。
ここに若さを加えると半分以下で実行可能、という説明が付きそうであるが、まあじじいでも倍かそれ以上やれば成せば成るのだと自分を納得させたいみたいな気持ちがどこかにあるのだろうと思う。 年寄りの意地みたいな。
早く次乗りたいね。
ご安全に。
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