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バニーホップ⑦怪我の功名

 久しぶりにバニホバーを跳んできた。

 過去記事のバニホバーは改良を加えられて、軽量コンパクトに。

上の横棒がスポンジから13塩ビ管に。
便利な目盛り付き。
Max1140 45インチ
ヘッドは脱着式ミニクイックホルダーなのでカメラもセット可能
ミニ万力みたいな部品。 
13塩ビ管を取り付けたトコロ。 色んなものが咥えられる。

 この改修により強度も上がり、かなり荒っぽくぶつけても平気。(前のは三脚の部品が折れた)
 目盛り付きなので当たって狂ってもすぐに直せる。 

 「バニホバーを跳んだ」 という言葉に含まれる意味合いは、いつもの適当跳びとは違って今何センチ跳べるのか、どこまで足掻けるかを確認する行為のことを指す。
 いつものお気軽物跳びとはまた違うものだ。

 「久しぶりに跳んだ」というのもしばらくはフォーム改造を優先していて全く高さが出ないというか、フォームに慣れる前に違う跳び方がよく思えたりして忙しい期間だった。
 何度か書いているけど、フォームを変えた理由は両腕肘の故障、テニス肘になったことだ。
 テニスのバックハンド的な使い方、机の上のものを持ち上げるような動作のときに肘の筋の、いわゆる腱鞘炎なのだけど、これは放置したり悪化しすぎると手術コースになったり後遺症になったりすることもあるようなので痛いくらいなら我慢してやってしまえ、というのはあまりよろしくない。

 フロントアップのやり方に問題があるようで、まあ先程書いた手の甲側に力を入れるような動きを全て封じることから始めた。
 経歴は過去ログにたくさん書いてきたので割愛するけど、このフォーム改変は留まることがない。
 今取り組んでいるのは、フロントアップから踏み切ってジャンプする時にバーを引き切る、というものでなかなか感覚が掴みづらい。 今までのはフロントアップからバーを引き切る時に踏み切ってジャンプする、というものだったのだけれど、この差異がぼくの感じている一番いい時に脚を使えない、伸び切って死んでいるというものへのよいアプローチになるかもしれないと思っている。
 そこになんの違いがあるのか、という人はきっと何も考えずに高く跳べる人なんだろうと思う。 羨ましい。あやかりたい。
 ぼく的にこういうのは結構影響があって、例えばフロントアップの初期動作のバーを突く行為にしても、自分が後ろに投げ出される感覚でやるのと自転車をかなり早く前へ突き出す感覚でやる時で名状しがたい何かが違う。

 エクストリーム自転車のトリックHowToで最も数が多いのはバニーホップだろう。 だからここで講説を垂れる必要など全く無いのだがぼくが感じている事を書くとすると、使えるものは全て使え、ということだと思う。

 今のところ思いつくことは全てやって未だ60センチを超えられないのだけれど、確実に何かいい感触はある。
 先ほどのビデオのラスト一本は62センチのバーに掠っただけで、実際の高さは不明だけどWelcome 60cmの雰囲気がある。 

 低いものばかり跳んでいても上達(この場合は高さアップ)はしない。 腕が壊れてから40センチ台にまで落ち、やれども変えども高さは上がらずついに、バニホをやりながらテニス肘はほぼ、(ダメな動きを続けると今でも痛みだしはするが私生活においては)完治した。 
 前回60センチに届くのでは? と意気込んだのは1年半前だった。 長かった。 真面目に養生していればもっと早かったのかもしれないけど、でも痛みが出るやり方はぼくには間違ってるんだと思うので徹底して痛まないやり方を模索した。

 いや腕が完全に壊れなくてよかった。 私生活もそうだけどBMX諦めるかってくらい何をやっても痛かった時期もあった。 二週間乗るのを我慢(腕に負担のない事をしたりはした)りしたけど、治ったかなと思わせてもすぐに痛みは戻って来る。

 さて、 今回バニホが楽しくなってきたのはまたフォームを変えたら具合が良かったからで、これを文字列にして強く脳に刻んでおこうと思う。
 
 最近YouTubeを動画ストレージにしているのだけど、BMX人口はここに多く居るみたいだね。
 ちょこちょことコメントを貰えて、永年ぼっち会員様のぼくとしてはとても嬉しい。
 おかげでこちらの更新が遅くなっているような気もせんでもない。
 いまのぼくを見た上で頂けるコメントはとてもありがたいもので、ぼっちのぼくが一番欲していたものだった。
 そのコメント内容は、後ろへの重心移動が足りない、もっと低まれ、自分が跳ぼうという気概が感じられない、のようなものだった。
 全体的に判ってはいるけどそうはできないんじゃーって事を指摘されまくったわけで、つまり今一番悪い直すべき所ということらしい。
 ちょうどその頃はアクションを小さくして瞬圧的な動きだとどうなるかやっていた。 ロングストロークだとどうしてもダラダラとした入力になり最大圧は高まらない。
 こう、タメからキュッとバーを押すんだけど確かに力は強く働くけど何かが違う。 そう思っていたときだった。 後ろ、後ろへ、どうやったらこれを後ろへ強い力を掛けながらそれが出来るのか……
 答えが出た。 いままでのぼくのやり方は、とにかくフロントを上げるんじゃーの頃からバーに大きく覆いかぶさりフロントタイヤを潰す勢いでタメを作っていた。 つまり自転車を前へ繰り出すスタート地点はぼくの頭がステムより前にあった。 そこからえいーと腕を突き出すのだけどそうじゃなくて、タメは自転車の真ん中辺で行い、突き出しのスタート地点、頭はステムの上より少し後ろ、からドンッとバーを突くと身体はいつもより後ろへ行き、尚且つ早く強い入力が出来る。
 フロントが軽い…… こんなの初めて……

 そこからえいやほいやとその動きを身体に染みつけるためにやっていたらその次のコメント、低まれ、ジャンプしろ
 これは本当に長らく悩み続けていた事なんだけど、低くまで沈むともうすべてが間に合わない。 沈みきるまで他の動作を渋滞させていたらオブジェクトに突っ込んでしまうかバランスを崩す。 根本から何かやり直すべきなのか…… と考えていた頃だった。
 低まれ、ジャンプしろ、どうやったら…… の答えは上記の閃きと同じものだった。

 間に合わないならスタート地点をズラせばいいじゃない。

 つまりぼくのタメ動作は、なるべく高い位置から一気に低まる様に行われていた。 それはもう高く、足ピン状態。
 足ピンからすこしリラックスした膝を柔らかく曲げた状態に下ろした。 つまりBBに乗ったニュートラルポジションだった。

 俗に言うウンチ座りの低さが100とすると、それまでのタメはタイミング的には20〜30くらいしか低まれない。 このスタート地点を30から始めると、同じタイミングで50〜60あたりまで沈み込むことが出来る。 伸びのストロークは20〜30だったのが、50〜60に倍増した。 伸びるのに時間がそれだけ掛かるので、いままで悩んでいたバーを引くタイミングで既に足が伸び切って死んでいる、を同時に解決することになった。
 
 この令和の大革新は4日間ほどの間に起きたため、バニホフォームがそれはもうしっちゃかめっちゃかになって毎度パニクるのだ。
 こればかりは数やるしかないので隙あらば跳んでいる。 第一弾革新の時は疲労が凄かったのだけど第二弾革新後は疲労がそこまででもない。 ジャンプする脚にはより大きな負担がかかっていそうなんだけど不思議だ。

 今おじさん向けバニホで意識しているキーワードを並べておく。

◯ニュートラルポジションに居直る。
◯そのまま低まってタメる。
◯タメきる前くらいから前へ全力バープッシュ。
◯それは完全に腕を伸ばし切る。
◯フロントが浮いて来るのと同じに脚を伸ばす。
◯伸ばした腕をその反動で思い切り腿まで引く。
◯バーが腿に付いたら無条件で突きに入る。
◯その時なるべく脚はしゃくる。
◯バー引きと踏み切りのタイミング要考察。

 全てがそれなりに上手くいくととても気持ちが良く、軽く滞空時間が長い。 腕が壊れる前の跳び方は本当に全力の全力で跳んでいたので筋力アップ以外に高さを得る方法はもうないと考えていた。

 そんなこんなで可能性を感じちゃったので高さ計測がしたくなったというわけだ。
 結果は以前の最高と同じモノか、あるいは超えたのではないかという感覚がある。

刺しがあと少しのようでいて遠い。

 でもその62cmも非常に惜しかったと言えるし、それでもまだタイミング等の問題で全力で跳べたという感触はない。 つまりまだ行けそう…… マジで?

 肘を壊してから1年頃はカラコン無理なのかなという受け入れがたい感覚が湧いてきては擂り潰していたけれど、 やっぱり出来るまでやれば出来る、なのかもしれない。 諦めない、 モチベーション維持、 フォームも道具も研究する。 し続ける。

 今年はカラコン行けるかな?

 ご安全に。

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