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LHD BSD REVOLUTION FREECOASTER HUB to RHD COLONY SWARM FREECOASTER HUB

 一見して見ようとは思わないアルファベットなのにクドくて重いタイトルなので、タイトルから見にくる人はかなり少ないだろうと思われる。
 キーワード検索や、サムネまたはタイトルの文字列でピンと来る人達だけにお送りする、無駄謎知識のスワップアンドビルド記録になる予定。

 以前のエントリ

 でも少し書いたが、またフリーコースターハブのホイールを組もうかなと思っている。
 実際のところ、完組みホイールを買うのがもっともお得で手間が無く、完璧に近い仕上がりを即座に得ることが出来るので今時ホイールをパーツ買いして組もうなんて酔狂な人は少ないように思う。
 実際過去に何度かホイールビルド記事をオコしているが、ビュー数は奮わずまあ、こんなもんかといったトコロである。 が、世間の流行りやビュー数など意に介さずやりたいことをやることこそが趣味だと思うので、今回は平たく言うとFemale車軸のRHD フリーコースターハブを使ったホイールを組む、 というものになる。
 素直にそう書けばいいのにと思うところもなくはない。

 さて、やることとパーツは決まっている。

COLONY
SWARM FREECOASTER HUB  RHD

 に、

BSD
REVOLUTION HUB FEMALE AXLE KIT

 を使ってFemaleシャフト化し、スポークは国産の旭工業さんか、地元の会社の製品かのそれしかないという状況なのもあり

星工業株式会社製
WS-ST#14 ニップル付 ウィングスターステンレス

 と、合わせるのは気に入っている軽く強いリム

ALIENATION
RUNAWAY 20" 

 を使って組み上げるというものである。

 チューブはtpuチューブでは最安? 中華チューブの

Ridenow
超軽量バルブ18/20x1。 20インチtpuインナータイヤ超軽量45ミリメートル長フレンチ
色 : BMX 20 425 48g

 タイヤはお気に入り、BMXでかなり売れていると思われる

MAXXIS
GRIFTER 20x2.3

 というところだ。
 

 さて記事のメインコンテンツとなる、COLONY SWARM FREECORSTER HUB(コロニーフリコハブと呼称する) をFemaleシャフト化したい、 という物事のいきさつと事情と感情を説明しようと思うのだが、はっきりいって利口なやり方でもなくむしろ少し高く付くし、最初からBSD REVOLUTION FREECOASTER HUB(BSDフリコハブと呼称) のFemaleシャフト仕様

 を買えばよいのである。 そうしない理由はなんとなく、でしかなく後述するが本当に大した意味はない。

 さて、この回りくどい導入と面倒くさい文章を並べているその理由について、いくつか説明しなければならない。

 まず、なぜFemaleシャフト仕様でなければならないのか、 についてはフレームがオープンエンドシングルの自転車である、というところに尽きる。 ストリートBMXはジャンルにも拠るがBB~リヤアクスル間は短い方がよい、ということ。 過去にも書いたが、可能な限りミリ単位で詰めたい。
 だがそのリヤアクスルの位置はチェーンによって支配されている。 チェーンテンショナが存在しないのでブラブラさせず、かつこれもやる技に依るがあまりクランクが不用意にくるくる回ってほしくないのでチェーンはガンガン張りである。
 オープンエンドの奥目一杯の位置にガンガン張りにされたアクスルシャフトはホイールの脱着時、前に5ミリ、後ろに0ミリ程の余裕しかない。 これではMaleシャフトのハブの場合、チェーンを切らずにホイールを抜くことは不可能である。
 あとこれもBMXの特徴であるのだけど、オールハーフリンクチェーンを使うことが多い。 軽量を求めてストレートプレートのノーマルチェーンを使うこともあるが、ハーフリンクチェーンにはクイックリンク的な物は存在せず(レアな品はある)、全リンク圧入ピンとなる。

オールハーフリンクチェーンは引っかけても切れにくいが少し重い。 ぼくはまだノーマルチェーンでも問題ないのだけどファッションで。

 となればホイールの脱着の度にチェーンカッターにて圧入ピンを抜き差しするか、クランク側のスプロケットを脱着するかになるのだが、言うなればそんなにカジュアルに脱着したい部品でもない。 脱着の度に消耗磨耗変形が進んでしまう。 なるべくなら避けたい作業である。

こう

 そこでFemaleシャフトです。 Femaleシャフトならボルトを抜けばオープンエンドの溝から自由に移動出来、チェーンを切ることなくホイールを脱着する事が出来るようになる。

MaleシャフトのMADERAハブとFemaleシャフトのプロファイルエリートハブ。 今はこのMADERAハブもFemale化した。

 そのような理由からFemaleシャフトへの飽くなきこだわりが人生にスパイスを与えているのだ。 ロードバイクやマウンテンバイク等の比較的緩い目に留められるホイールアクスルは元々中空Female構造にシャフトを貫通させてロックするクイックリリースなるものが主流だと思うが、まあなんせ体重100キロはありそうな白人のガイが3メートル程の高さから着地するのに、上手く行くまで延々繰り返したりするような乗り方をするBMXには向かない構造であると予想されるし、そのような機構を採用した車両も存在しない。 (一部ルックバイクや街乗りファッションバイクは含まないものとする)
 そのため前輪はFemale仕様が多いが、後輪はMale仕様がほとんどだ。 14ミリもあるクロームモリブデン鋼のシャフトか、高級チタンシャフトだ。 それでも折れる話は聞く。

けして抜けないここはオープンエンドMaleシャフト

 強度以外でFemale仕様がいいことずくめのように聞こえるかもしれないが難点もある。 Female仕様にすると14ミリシャフトにボルトを差し込んで留めるのでボルトは3/8インチの10ミリになってしまう。 14ミリのオープンエンドに10ミリボルトで位置を決めることになるため、スペーサー的なカラーを入れたり段付きボルトを用意したり、ペグのあるなしでその厚みを調整しなくてはならなくなり組み合わせを間違えるとハブの端部が壊れたりホイールが傾いたりガタガタしたりする。
 それでもFemale仕様の有り難さは掛け替えがなく、今回こうしてMale仕様しかないハブをFemaleにするという前置きを並べるのに2,600文字も書いてしまうのである。

 さて今回の主役? のコロニーフリコハブにはMaleシャフト仕様しかない。 これを使いたい理由は安さに尽きるので買って手元に届くまで色々ドキドキであった。

コロニーフリコハブ。 安いが品質は全く問題ない。

 このハブをこのまま組んでもよいのだが、長ったらしい前置きの通り、脱着の度に大変な手間を浴びるのがイヤでかつ、寸法的妥協もしたくない理由からFemaleシャフト化をする。 その材料は別の会社のBSDフリコハブの後出しFemale化キットのシャフトだ。
 別会社のシャフトなんて使えるのか、というのが最大の焦点になると思うが、結論から言うと使えそうである。

コロニーフリコハブのアクスルシャフトとBSDフリコハブのアクスルシャフト。 違いが判らない。

 前から持っているBSDフリコハブのLHD仕様を、使うことはないので売り払おうかとメンテして箱詰めして保管してあったが届いたコロニーフリコハブと双方バラして寸法を確認するとアウターシェルとジャムナット等以外、全く同じであった。

BSDフリコハブのシャフトで組めてしまったコロニーフリコハブ

 もう工場からまったく同じでしょうと言うほどに、このフリーコースターの特徴であるプラネタリクラッチからコグドライバーから何から何まで同じだった。 
 そのプラネタリクラッチシステムは両ハブとも同じパテントの技術を使用している近年人気の新しいフリーコースターハブである。

全く同じプラネタリクラッチの起動部。 ここに油を差してはいけない。

 同特許を使用したフリーコースターハブは他社にも存在するが、ぼくの知る限りAlienationのVenusハブはシャフトの寸法に差異がある、と同社のシグネチャーライダーがYouTubeで言っていた。

 オーストラリアのコロニーフリコハブがスコットランドのBSDフリコハブと同じであるという確信はなかったが、見た感じと手に入る寸法でもしかして、と思った程度だった。
 これも探せば海外のコミュニティーやYouTubeでもう周知なのかもしれないが、まあダメなら諦めてMaleシャフトのまま乗るか程度の気持ちでポチった。
 めでたく驚きの類似性を確認した両ハブを手に、BSDのFemaleシャフトを注文した。
 あとはこのシャフトとスポークが届けばホイールにする事が出来る。 ここから先は有料記事、なんて事はなく上手くできたらまた追記なり、ボリューム次第では別記事にて発表しようと思う。 何も上がらなかったら惨めな気持ちでいるものだと想像してくれてかまわない。 そっとしておいてあげてほしい。
 結果的に安くもなく手間ばかりかかるがもし、コロニーフリコハブを持っていて同様の悩みがある氏に届いたならば最高であるし、目ざとく暇な自転車乗りの無駄な知識のひとつになってもいい。
 ここまで事を起こすまで、LHDのハブをRHDに出来ないものかとハブのアウターシェルを煮たり茹でたり色々やってみたが上手くいきそうになく、繊細なので壊してしまったらそれはゴミになってしまうから手を引いた。

アルミと鋼鉄の熱収縮差を利用したラチェットリングの脱着反転を試みたりする画像

 鼻息荒く、フリーコースターハブのホイールを捻出するのに頑張っているがはたして今のぼくにフリコハブは乗りこなせるのだろうか?
 初めて買った完成車にはヘビーで半回転近くすっぽ抜けるペダルギャップを持つRantのフリコが付いた自転車だった。 その後FEDERALの完組みホイールも同じ様な古めかしい伝統的なフリーコースターハブが付いた物からBSDのフリコハブを買うまでに至ったが結果的にカセットハブでないとフェイキー戻りが出来るようにはならなかった。
 まあ戻れなかったとしても、フェイキーの練習にはとてもいいはずなので、期待して。

 うまくいけば後日に続く。

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