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ディクテーションの威力(後編)

ある生徒さんのレッスンノートをご紹介します


ディクテーション(聴こえた音を文字化する作業)

先ずはSteve Jobsさんの音声を聴いて分かる部分は英語で、分からない部分はカタカナで近い音を書く。

【1回目ー標準速度】
At the campass we supposter every レイボン every draw beautiful パラグラフト

【2回目ー速度0.7】
to rap the campass,every poster every レイブオン every draw with beautiful hand カラグラフト

【3回目ー速度0.5】
to rap the campass,every poster every レイブオン every draw with beautifully hand キャラグラフト

【スクリプト英文】
Throughout the campus, every poster, every label on every drawer, was beautifully hand calligraphed.


聴こえていない単語を洗い出し原因を探る


 (正)                       (誤)                              (原因)
throughout          at the,  to rap       throughoutの正しい発音を
                    認識できていない

campus                    campass        campusのスペルミス

label on       レイボン、レイブオン    label on の正しい発音を
                     認識できていない

drawer                   draw                               語末の er が聴こえていない

was                         with                                 was の正しい発音を
                                                                        認識できていない
 

calligraphed  パラグラフト      calligraphedの正しい発音を
       キャラグラフト      認識できていない


聴き取った英語で和訳ー自己ベストを尽くす


3回目が自己ベストの英文であり、和訳する際の手持ちの駒です。
この段階で正答率90%以上なければ、誤訳になる確率は相当高くなります。

to rap the campass,every poster every レイブオン every draw with beautifully hand キャラグラフト

この英文を和訳するとしたら、推測するしかありませんね?
・(大学の?)キャンパスをrap(ドンドン叩く)する?
・every poster どのポスターもみな
・レイブオン ???
・every draw  どの draw (くじ引き?)もみな
・with ~  キャラグラフト  美しく手で。。。?

このように、音声→文字化の段階で聴き取れていなければ、意味を理解することも難しくなるのです。 これではとても訳し難いと確認したうえで、
スクリプト参考和訳を確認します。

100% 語彙・文法の足場固めをする

【スクリプト参考和訳】
キャンパスの至る所にある、どのポスターもどの引き出しのどのラベルも美しく手書きされた書法が施されていた。

正しい英文を読んだ時に、果たしてきちんと和訳ができるかどうか?
もし和訳できないのであれば、それは語彙力・文法力が不足しているという証拠です。 この段階でしっかりと語彙・文法の理解を充実させます。


英文スクリプトの音声認識をする

【音声認識1回目】
ぶっつけ本番で、音声認識した結果をそのまま書きだします。2-hour the campus every poster every later on every drawer was beautifully handcuffed. (認識NG語を洗い出しますーここでは太字にしました)

【音声認識2回目】
calligraphedとdrawerがにんしきされましたが、その他のNG語を改善
sewer the campus every poster, every lebel on every drawer, was beautifully hand calligraphed.

【音声認識3回目】
throughoutが認識されましたが、その他のNG語を改善。
Throughout the campus every postal, every later or every door, was beautifully hanukkah gift.

【音声認識4回目】
今までOKだったposterがpastaに崩れてきました。labelがNGのままです。
Throughout the campus every pasta, every later on every drawer, was beautiful and calligraphed.

【音声認識5回目】
4回目より悪くなっているようです。NG語要改善ですね。
Throughout the campus every postal, every level or every droewors beautifully hannah kelly.


認識されないNG語の発音記号の改善点を研究

ほぼ毎回NGになる語をメインに書きだしました。

poster /póʊstɚ/  
・二重母音 /óʊ/ 1つの音。流れるように「オゥ」と発音。
・R性曖昧母音/ɚ/ ---曖昧母音に軽く/r/を添える音。
「ポスター」ではなく「ポゥstɚ」と発音できているか?

label /léɪb(ə)l
・二重母音 /éɪ/ は1つの音。流れるように「エィ」と発音。
・語末のLは「オ」で代用。
「ラベル」と日本語発音すればNGになる。
カタカナで最も近い音は「レィボー」である。

5回連続で正しく poster や label と認識されるまで頑張ります。
単語単位で認識されなければセンテンスに入ってもNGになりますので、
ここが頑張りどころです。OKになったら、全体での認識続行します。

【音声認識6回目】
labelのスペル違いですが、少し近づいてきましたね!
前回OKだった語がまたNGになっていますので要改善です。
to all the campus every poster every lable on every drawer was beautifully hand telegraphed.

【音声認識7回目】
とうとうやりましたね! labelが正しく認識されました👏👏👏
throughout~wasまで、綺麗になりました。
throughout the campus every poster every label on every drawer was beauty freehand color graft.

前半で集中力が途切れて後半がガタついたのですね。。。でも、ここまで
もってこれたので良く頑張りました。何度かOKになった語が崩れることは良くありますが、全体的に集中して練習すればもう一息でセンテンス100%OKになりますよ。 頑張ってください (^▽^)/

と、言う感じで何度も 音声認識>改善>音声認識>改善を繰り返して、この後、とうとう全ての語を認識されるようになりました。

めでたし、めでたし。。。。 と、ここで終わってはいけません!
ここからが本番です。

音声認識が全てOKになったセンテンスを暗唱する


暗唱の練習手順は以下のとおり。
先ずは速度0.5で①~⑤のルーティンで完成させる。

①Repeating

Jobsさんの音声を聴いた後に、文字を見ながら発声練習。
自信が付いたら②に移ります。

②Shadowing
Jobsさんの音声に少し遅れて発声練習します。できれば文字ナシで。 
自信が付いたら③に移ります。

③Overlapping
Jobsさんの音声に100%重ねて発声練習します。できれば文字ナシで。
自信が付いたら④に移ります。

④Reciting
 音声ナシ・文字ナシでこのセンテンスが言えるまで練習します。

⑤Voice Recognition (音声認識)
暗唱したセンテンスを速度0.5で音声認識させる。
NG語があれば100%OKになるまで改善。


私達は非ネイティブなので、そこまで速く話す必要はありません。
なので、私のレッスンでは速度0.5で暗唱ができればOKとしています。

が、テンポ良く会話を進めるためにはある程度のスピードは必要です。
もっと上を目指したい方は、速度0.5を完成させたうえで速度0.7→1.0に
挑戦してみてください!

このように多方向(音声・語彙・文法)から理解を深めたセンテンスを、
暗唱までできたら自分のものになった、と言えるでしょう。ただし、これで終わりではありません。 ここからがいよいよディクテーション~暗唱で
養ったチカラ試しの真骨頂です。

暗唱したセンテンスを流用して外国人講師と会話する

今は本当に良い時代になりました。

安価で英語を話す環境が作れるわけですから、暗唱で終わっては勿体ないのです。身に付けたセンテンスを流用して、オンライン外国人講師との会話で使ってみてください。

これで会話が成立すれば「使える英語」が身に付いていると言えます。
そして、このルーティンを継続すれば本物の英語力が短期で身に付くこと間違いありません!! 先ずは1センテンスから、本物の暗唱をしていきましょう。

※このルーティンとは:暗唱→会話→暗唱→会話 の両方向からアプローチする学習方法のことです。






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