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【合格体験記】システムアーキテクト

割引あり

note概要

このnoteは、システムアーキテクト試験の合格体験記を記事にしたものです。私は2023年度春季に行われたものに合格しています。
私が初めて受けた論文区分の試験でした。

最初の論文試験をどのように戦ったかを知りたい人もいると思いましたので、少し期間が開いていますがnoteに書くことにしました。

午前Ⅰ試験は、他の高度資格を持っている関係で免除でしたので、対策などは割愛しています。

自己紹介

名前:ありか
学歴:地方国立大学院修士(理系)
職業:システムエンジニア・PM
職歴:2021年卒→SIer新卒入社
受験時保持資格:情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト他

X(https://twitter.com/engineerarika)や、プロフカード(https://profcard.info/u/DmVjE4Y8N7QaGVXRsWFerWEcuLF2)も参照いただけると幸いです。

受験までの基本データ

対策期間

対策期間は約4ヶ月(2022年10月下旬~2024年4月)です。
この間に、Oracle Database Administration Iの勉強もしていたので、期間程学習量はなかったかもしれません。

参考書

私が使用したのは次の2つです。
参考書は好みがあると思うので、これでなくてもよいとは思います。

  1. うかる!システムアーキテクト

  2. システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版

総合的な対策で1番目の参考書を購入しました。
2番目の参考書は、論文区分初めてということもあり、論文に特化した参考書が欲しくなったため、購入しました。

結果としてですが、2番目の参考書は購入して大正解でした。

対策内容

対策アウトライン

記事にする前、リアルタイムでツイートしていたので、概要だけ知りたい人はこちらを読んでもらってもいいかもしれません。(ツリーで書いてます。対策も書いてますが、感想も多いのでどこまで参考になるかわかりませんが。)


午前Ⅱ試験対策

ご存じの方も多いでしょうが、IPAの試験での午前Ⅱは、過去問の使いまわしが多いです。

従って、過去問を解くことは必須だと思います。

上記も踏まえつつ、私の場合、次のような流れで対策しました。

  1. 1番目の参考書の選定問題を全て解く。

  2. 1を全問3連続正解するまで続ける。

  3. 2が完了後、過去問全年度を回す。

ある程度の知識がある人(応用情報技術者資格試験をとっているくらいかな、と思います)であれば、まず問題を解き、知らない知識や分からない問題に出会ったらそこをしっかり復習する、くらいでどうにかなると思います。

上記のハードルが厳しそうな人は、何らかの参考書で知識を入れてから過去問演習に進むとよいでしょう。
個人的には、「過去問道場」のアプリのない試験区分なのが残念です。

午後Ⅰ試験対策

システムアーキテクトの午後Ⅰ問題は、国語とデータベースの簡易版、というように感じています。
受験時にはデータベーススペシャリストの資格を持っていませんでしたが、それでも普通に解けるくらいの問題、例えば正規化など、だった印象です。

人によって感じ方は違うと思いますので、まず1回、過去問を解いてみたうえで、対策にどのくらい時間をかけるかを判断するとよいと思います。
(念のための注釈ですが、午前Ⅱ以外では過去問の使いまわしはありません。)

具体的な午後Ⅰ試験の対策は以下のような形です。

  1. 1番目の参考書の演習問題を全て解く。

  2. 1で解いた問題以外の過去問題を全年度解く。

なお、過去問を解いたうえで技術的な知識(例えばDB周りの知識)が不足していると思った場合、応用情報技術者試験の過去問を解くことをおススメします。あまり解けていない場合は、(応用情報レベルから)知識の再学習が必要です。

基本的に高度情報で知識が足りない場合は、応用情報技術者試験の過去問をきっちり解けることを目指すと、基礎が押さえらえるので、おススメです。(筆者は人生最初の高度情報だったネットワークスペシャリストで同じようなことをしています)

午後Ⅱ試験対策

IPAの試験で一番嫌な試験でしょう。いわゆる「論文」です。
私は、自作論文を本番以外に書いてません。

しかし、これに関しては結果論で、そもそも書いた方がよい(対策で書くつもりだった)のですが、逆に言えば書かずとも受かることが分かったため、そのエッセンスを含め、記事に表現できればと思います。

具体的な対策の流れは以下です。

  1. 2番目の参考書の第1部(SAの論文試験への心がけや基本的な対策論)を読む。

  2. 2番目の参考書の第2部(論文事例)のうち、作者を1人決めて写経する。

  3. 本番まで、事例を読み込む。

今思う、午後Ⅱ試験対策のコツを箇条書きにすると、以下になります。

  • (前提)試験時間内で、要求される文章量が書けるようにすること

  • (前提)質問書への回答を考えておくこと

  • インプットをたくさんすること

  • 論文を解く際に「区分の視座」を持つこと

詳細を以下に述べていきます。

(前提)試験時間内で、要求される文章量が書けるようにすること

こちらは前提になります。ここの力が怪しそうな人は、書く練習が必須だと思います。
いまだに論文試験含めIPAの高度情報試験はペーパーテストですので、「物理的に書く力」が必要になります。
書く内容を考えるだけでも結構大変なのですが、実際に2000時を超える程度の文字数を原稿用紙に書く必要があるので、それなりに速く(かつ、読める程度の文字で)記述する必要があるのです。

上記を踏まえたうえで、写経は1つの有効な手段だと思います。

というのも、後述するインプット学習と同時並行しつつ、実際に手を動かすことで、時間内に書く、という物理的な力も鍛える事ができます。
初めて論文区分にチャレンジする場合は、この方法はありだと思ってます。

(前提)質問書への回答を考えておくこと

論文試験型の午後Ⅱでは、「質問書」が存在します。
詳しくは参考書を見て頂きたいのですが、論述する内容の概要を回答するものになります。

ここに関しては、正直、参考書の中身を見て各自で準備しておくことが必須だと思います。
参考書に書いてあったことですが、ここがしっかりかけていると、論文の出来もよい、っていう傾向があるようです。
採点者へのファーストインプレッションにもなると思うので、ぜひここは準備しておきたいですね。

インプットをたくさんすること

私にとって、論文試験は、インプット試験です。
つまり、試験の合格・不合格を分ける第一の要因は、インプットをどのくらいしているか、にかかっている、という風に見ています。
具体的に、インプットしたものを優先順に書くと、次のようになります。

  1. 論文の事例(参考論文)

  2. 午後Ⅰの事例

論文事例

論文事例のインプットは、参考書に挙げた事例集をとにかく読むことです。
前述したように、写経というのはインプットの良い方法の1つです。

インプットすべきは、論文の正しい書き方(型)と、各参考事例の収集、殺し文句、の3つです。
まず、正しい書き方です。
論文はある程度、「どのように書くべきか」というフォーマットがあるため、これを知らないと絶対に合格できないかもしれないです。特に、「問題を分解して章立てする」ことはシステムアーキテクトに限らず、論文がある試験区分では必須でしょう。

次に、各参考事例の収集です。
論文では、自ら書かねばなりませんが、そのための経験が豊富な受験者はそんなに多くないのではと思います。経験があったとしても、それで対応できる問題が出ないかもしれません。ですので、事例収集(疑似体験を積む)ことが必要になります。
こちらも、論文事例をとことん読むことになりますが、重視すべきは具体的なエッセンスです。
具体例をたくさん持っておくことで、試験の場で臨機応変に対応できることと思います。

最後に、殺し文句です。
事例をたくさん読むと、「このパターンの文が必ず出てくるな」ということに気付けます。
参考書の事例集では、一部ピックアップしてくれていることもありますし、論文に入れておくと説得力がかなり増すと思いますので、おすすめです。
ここは合格確率を上げるためのものですが、個人的には必ず意識したい部分だと思います。

なお、有料コンテンツではありますが、私の合格論文も再現してみています。こちらも参照してもらうと、インプットの1つになりえるでしょう。

午後Ⅰの事例

ここはなくてもよいかもしれませんが、おまけとして。
演習をした午後Ⅰの問題を論文の観点から整理すると事例収集の一つになります。
論文事例集だけで不安な場合はこちらもやってみるとよいでしょう。
なお、事例集の本により具体的なやり方があるので、こちらは割愛します。(優先度も高くないですし)

論文を解く際に「区分の視座」を持つこと

個人的には、論文の対策は、最終的にここに集約されるといっても過言ではないと思います。
論文は、「その区分にふさわしい人間であること」をアピールする試験ですので、区分の視座がないと当然合格できません。
区分の視座を、具体的に知るためには、受験の試験要綱を読むのがいいと思います。論文の事例集でもここには触れられているので、そちらを読むことでも代替できます。
そのうえで、区分の視座から物事をとらえる練習をしていくことが大事です。
具体的には例えば「自分の業務をシステムアーキテクトの観点から見ると、どうなるのだろう」と考えることが、挙げられます。
そういったことを深く考えることで、視座を得ることができ、ともすれば、現在の自分が従事しているプロジェクトを論文へ転化させることができます。

試験結果

試験結果は以下の通りでした。

午後Ⅱに関しては、点数で出ない(高いレベルの合格なのか、ギリギリレベルの合格なのかわからない)のが残念ですが、A判定を頂けてホッとしました。

合格論文再現について

選択問題

私が選択した問題は、問1になります。
選択した理由としては、DX絡みの問題だったからです。
インプット量が一番多かったカテゴリーだったのと、「区分の視座」で考えた自己の経験もあったので、こちらならまだ書けるかなと思い、選択しました。

システムアーキテクト2023年度午後Ⅱ問1

ここから先、有料コンテンツとしてではありますが、再現論文を掲載します。
合格していますので、全く参考にならないことはない、と思います。
かなり荒いところや、無理やりなところもあるかもしれませんが、逆に「このレベルでも合格できるんだ」ということが、分かるかもしれません。
全ての内容の使いまわしは無理でしょうが、使える表現を抜粋したり、事例の1つとして、参考にしていただければ幸いです。

有料コンテンツを参照されない方もいると思うので、ここで中締めを…。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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それではここから再現論文に入ります。
※ITストラテジストに受かった今の自分から見ると、結構ギリギリで合格したんじゃないかなと思う出来でしたので、参考程度にしてください。

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