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プロジェクトリーダーを任されるためにやったこと

プロジェクトリーダーになった人が、「どうやってプロジェクトを運営していくか」についてのノウハウは沢山の書籍がありますが、「そもそもどうやったらプロジェクトリーダーになれるのか」について書かれているものが少ないと思ったので、プロジェクトリーダーを現在進行形で務めている私の実体験を書きます。


この人には従いたくないという人の下で働く

当たり前の話なのですが、プロジェクトというのは、プロジェクトを成功に導くため扱う商材に長けている人がなります。

私は扱う製品に関する知識と経験が浅かったので、私よりも経験のある人がプロジェクトリーダーを務めていました。その方は製品知識は確かにあるのですが、人を扱うのが苦手であり、何より自身の勤怠管理も結構「ずさん」な方でした。

人を扱うことが苦手で勤怠がだらしない人の下で働くということは、とてもストレスがかかります。朝、職場であるお客さん先へ行ってもその人は来ていなかったり、何の連絡もなく、お昼休憩からいなくなったりしていました。

お客さんから「〇〇さんはどちらにいらっしゃいますか?」と聞かれるのは、その場にいる私なので、「なんでリーダーの代わりに私が頭を下げなきゃいけないんだ」とストレスが溜まります。

リーダーへは何度か直接、「どこかへ行く際は一報ください」ということをお伝えしても、数日経てば元通り。
「いるかいないかわからない」という人だけど、「知識はある」というだけで、それなりの給与をもらい、お客さん先へは気分が向いた時にだけ行けばいいなんて、こんなにも優遇されるのは間違っているのではないか、という思いがフツフツ煮えたぎってきて、「じゃあ、この人よりも知識を身につけてやる」という決意が芽生えたのです。

知識を追いつき、経験で追い越す

この時のお客さんは割と、挑戦的な要件をお持ちの方で、我々に丸投げせずに、一緒に考えていきたいという協調体制だったので、密にコミュニケーションをとりながら仕事を進めました。

当然、勤怠がだらしないので、知識があるだけの人がいない場だったのですが、それがかえって良かったのかもしれません。

お客さんからの要望を聞く担当が、リーダーではなく私になり、お客さんからの要望に応えたいという思いから一生懸命に頭を使って調べ、説明し、休みの日も使って勉強して知識を蓄積させていきました。

そういった日々を過ごして、数か月が経ち、リーダーに技術的な質問をしたのですが、私からの質問に答えることができなくなり、返ってくる内容は明らかに方向違いの内容でした。
その時です、「知識でこの人に追いついてしまった」と感じたのは。

勤怠がだらしないけど、知識だけはあることで優遇されていた人に、知識で追いついてしまったら、もうこの人に従う理由はなくなりました。
お客さんとのやり取りをぶんどる形で私が引き受け、経験を重ねる場を増やしていきました。プロジェクトリーダーが不在でもプロジェクトは進むようになり、プロジェクトリーダーは文字通り、名前だけのプロジェクトリーダーになってしまったのです。

気が付けばリーダーになっている

名前だけのプロジェクトリーダーは、次第に他のプロジェクトを担当するようになり、プロジェクトリーダーは正式に私がやることになりました。

その際に引継ぎは何もありませんでした。引き継ぐことはゼロだったためです。

私が感じた「知識はあるけど、勤怠がずさんだから従いたくない」という思いを、私のプロジェクトメンバーにはさせたくないので、自分がリーダーになってからの自身の勤怠管理は特に気を付けています。

また、私のように知識さえあれば、コイツの座っている椅子は取れるんじゃないかと下剋上を狙っているプロジェクトメンバーがいないとは限りませんから、知識があるということに安住せずに、さらに知識を高め、プロジェクトメンバーから聞かれた時にはさっと回答が出せるようなプロジェクトリーダーでありたいと思っています。

最後に

この人の下で働きたくないと思っている人がかつての私のようにいるかもしれません。

リーダーよりも適切に判断が下せるだけの知識や方法論を兼ね備えていれば、リーダーだからという理由だけで、その人に従う必要はなくなります。

その人の下で働きたくない!と腐るのではなく、その人を反面教師として、追いつき、追い越しちゃってください。

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