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エンジニアと生成AI№13(設計上の留意点№1)

 前回の生成AIが回答した制御装置のトラブル原因の1番目に挙げた「電源の問題」について更に掘り下げたいと思います。
 各回答結果から更に追加質問も考えられるが、生成AIに頼り過ぎても人財育成の観点から疑問が残ります。今回は、この回答結果からトラブルシューティングから逆算した設計ポイントについて考えていきます。

質問
「制御装置に想定されるトラブルのうち電源の問題として何が考えられるか」

回答
「制御装置における電源トラブルは様々な要因に起因する可能性があります。以下は、電源トラブルの一般的な考えられる原因です。」

1.電源供給の不安定性:電源供給が不安定であると、制御装置が十分な電力を受け取れない可能性があります。これにより、装置が正しく機能しないか、異常な動作をすることがあります。
【考えられる設計ポイント】
事象:供給電源の選定ミス(直流電源の容量不足)
原因:制御装置の消費電力の計算ミス又は未実施
対応:①消費電流計算(最悪条件での算出)
   ②給電ケーブルの選定(消費電流が許容電流の0.7以下)
   ③直流電源の選定(消費電流が電源容量の0.7以下)
確認:クランプ電流計による実測でマージン確認
注記:最近は低消費電力のディバイスが主流であまり神経質になる必要はないのかもしれません。

2.電源の遮断: 電源が途切れた場合、制御装置は停止します。これは電源ケーブルの接触不良、ブレーカーのトリップ、または電源供給装置の故障などが原因となる可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
原因:接触不良等は、製造又は経年の問題となることが多いようです。しかし、設計上の問題として無理な負荷がかかるフォーミング等の問題が考えられます。他の設計上の問題として、1項と同様に設計上の電源容量不足を考える必要があるでしょう。
対応:①ケーブルフォーミングの規定(指示)
   ②消費電流計算に応じた電源選定(1項参照)

3.電源ケーブルの故障:電源ケーブルが損傷している場合、電力が適切に伝わらず、制御装置が正常に動作しない可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
原因:2項同様にフォーミング等による劣化が考えられます。また、ゲーブル選定ミスによる発熱(許容電流マージン不足)で被覆が溶解して筐体とのショートする事例もあります。
対応:①ケーブルフォーミングの規定(指示)
   ②給電ケーブルの選定(消費電流が許容電流の0.7以下)

4.電源フィルタの問題:電源フィルタが故障していると、ノイズやサージが制御装置に影響を与える可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
原因:電源の故障であり、経年劣化の要素がつよく設定上の対応は乏しいものと思われます。
対応:①高品質、実績のある電源の選定

5.電源供給装置の故障:供給電圧が正しくないか、出力が安定していない場合、制御装置の動作に影響を与える可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
原因:電源の故障であれば、5項と同様の対応になります。大容量直流電源の場合、リモートセンシング機能があり、配線過誤によりこれが機能していなことがあります。
対応:①4項と同等
   ②装置の受電部での主線とセンシングラインの接続指示

6.電源回路の故障:制御装置内の電源回路のコンポーネントが故障すると、電源の供給が妨げられ、装置が正しく機能しなくなります。
【考えられる設計ポイント】
原因:電源の故障であれば、5項と同様の対応になります。
対応:①4項と同等

7.過電圧または過電流:突然の過電圧や過電流が発生すると、電子部品が損傷し、電源トラブルが引き起こされる可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
原因:4項と同様に対応になります。
対応:①通常はここまでの対策は講じませんが、設置場所(状況)によっては、過電圧防止又はサージ対策を付加します。

8.環境要因:電源装置が設置されている環境によって、湿度や温度などの要因が原因となり、電源トラブルが発生することがあります。
【考えられる設計ポイント】
原因:電源から発生する熱の放射不足、高湿度による結露による劣化、埃による短絡などが考えられます。
対応:①放熱空間の確保、発熱量によってはファンによる空冷(フィルタ具備)
   ②装置設置環境の条件設定(温度、湿度)
   ③定期メンテナス条件の設定(保守内容、間隔当)

「これらは一般的な電源トラブルの例であり、具体的な装置や状況によっては他の問題が考えられます。システムの適切な動作を確保するためには、電源に関する適切な保守が必要です。定期的な点検や予防保守活動が重要です。」

 こうしてみると、トラブルシューティングから設計のポイントを洗い出す作業はかなり有効に思えます。

 次回は、2番目のプログラムの不具合について考えていきます。

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