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第18回 エンジニアと生成AI№18(設計上の留意点№6)

 前回の生成AIが回答した制御装置のトラブル原因の6番目に挙げた「環境条件の変化」について更に掘り下げたいと思います。
 今回も、この回答結果からトラブルシューティングから逆算した設計ポイントについて考えています。

質問
「制御装置に想定されるトラブルのうち環境条件の変化として何が考えられるか」

回答
「制御装置における環境条件の変化に関連するトラブルは、さまざまな要因により引き起こされる可能性があります。以下は、環境条件の変化によるトラブルの一般的な要因です。」

1.温度変動:制御装置が運用される環境の温度が急激に変動すると、電子部品やセンサーの性能が影響を受ける可能性があります。極端な温度変化は故障の原因となります。
【考えられる設計ポイント】
対応:温度については、高温の場合、劣化の加速が考えられ、部品選定等による耐久性向上があります。低温の場合、凍結等による動作不良が考えられ、同様に部品選定が重要になります。何れも、装置の温度管理として、放熱又は保温対策を検討します。

2.湿度の変化:高湿度の環境では電子部品の酸化や腐食が進み、低湿度の場合は静電気の発生が増加する可能性があります。いずれも制御装置の信頼性に影響を与える可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
対応:温度に関する対策は、動作不良に直結する為、対策を講じることは多いのですが、湿度についてはあまり配慮されることが少ないのが現状です。低湿度は、AIの回答にもある静電気対策が中心になりますが、高湿度対策では結露対策が重要です。特に、制御基板が多層基板になりますので湿度による層間剝離対策を検討することが重要になります。

3.振動や衝撃:制御装置が設置された場所での振動や衝撃が発生すると、内部のコネクタや電子部品が緩む、割れる、または変形する可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
対応:劣化・摩耗と同様な対策が考えられます。従って2項と同様な検討がポイントになります。

4.電磁干渉:周囲の電子機器や無線通信機器からの電磁干渉が制御装置に影響を与える可能性があります。これは通信障害や誤作動の原因となります。
【考えられる設計ポイント】
対応:第15回3項と同様に、EMI対策としてノイズフィルタの具備、電磁遮蔽板による対策が考えられます。更に踏み込んで、光通信の採用も検討課題となります。

5.化学物質の影響:制御装置が設置されている場所で化学物質が発生する場合、これが装置の部品に影響を与える可能性があります。腐食や変色、材料の劣化が起こることがあります。
【考えられる設計ポイント】
対応:密閉、腐食に強い部材の選定が考えられます。腐食性ガスによる評価も考えられますが、制御装置では現実的ではありません。制御装置設置時の環境条件の明確化が重要です。

6.光環境の変化:制御装置が光にさらされる場合、特に紫外線はプラスチックやゴムの部品を劣化させる可能性があります。これは外部のケースや封じ込められたエレクトロニクスに対して問題を引き起こすことがあります。
【考えられる設計ポイント】
対応:光にさらされない、遮蔽及び制御装置設置時の環境条件の明確化が重要です。

7.エネルギー供給の不安定性:電力供給が不安定な場合、電圧の変動や一時的な停電が発生する可能性があります。これにより制御装置が正常に機能しなくなる可能性があります。
【考えられる設計ポイント】
対応:第13回の電源問題の対策が必要になります。

 次回は、7番目のセキュリティの問題について考えていきます。

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