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【参加者募集9/28締切】一人で書かない戯曲創作ワークショップ

演劇ネットワーク ぱちぱちでは、2021年12月18日~19日に開催される「八王子ユースシアター」において演劇作品を上演する予定です。その上演台本を創作するためのワークショップを10月に全6回で行います。18歳以上(高校生不可)が対象です。東京都立川市で開催予定です。

講師:西尾佳織(劇作家、演出家、鳥公園主宰)


西尾さん

1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を務めてきたが、2020年より3人の演出家を鳥公園のアソシエイトアーティストとして迎え、自身は劇作・主宰業に専念する体制に移行。「正しさ」から外れながらも確かに存在しているものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようとしている。近年のプロジェクトとして、マレーシアのダンサー、振付家のLee RenXinとの「からゆきさん」の共同リサーチなど。2014年『カンロ』、2018年『ヨブ呼んでるよ』、2020年『終わりにする、一人と一人が丘』にて岸田國士戯曲賞にノミネート。

演出:中込遊里(鮭スペアレ主宰・演劇ネットワーク ぱちぱちディレクター)

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1985年生まれ。東京都出身。演出家。日本大学芸術学部演劇学科在籍中に「鮭スペアレ」旗揚げ。劇作・俳優・演出を経て、2014年より演出に専念。2013年・2014年利賀演劇人コンクール「奨励賞」受賞。2016年~拠点とする立川市を中心に地域の中高生と演劇創作を行う「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を主宰。2019年、2020年「八王子学生演劇祭」総合ディレクターを経て、2021年より「演劇ネットワーク ぱちぱち」ディレクター。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。

「一人で書かない戯曲創作ワークショップ」とは

「戯曲を書く」というと、一人で机に向かって集中して…というイメージが強いのではないでしょうか。知識や才能がないと書けないのではないか?書こうと思っても行き詰まってなかなか完成できない。そんなふうに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

この「一人で書かない戯曲創作ワークショップ」では、たくさんの人が知っている昔話を題材に、みんなで話したり演劇の楽しさを味わったりしながら、講師の西尾佳織さんと一緒にじっくりと戯曲を完成させていきます。

創作した戯曲は、中込遊里の演出で実際に上演されます。

ワークショップ日時・内容

2021/10/2(土) 13時~18時
・「うらしまたろう」のあらすじを一人ずつ全員話す
・ゴミ袋、アジの干物、牛乳パックを使って「シンデレラ」を語ってみる
宿題:自分が扱いたい昔話を持ってくる

10/5(火) 午前中(9時半または10時~12時予定)
・「あかたろう」にツッコミを入れる
・戯曲を書いてみる①→「あかたろう」を題材に短いシーンを書いてみる
宿題:書きかけたものを完成させてくる

10/12(火) 午前中(9時半または10時~12時予定)
・みんなが書いた「あかたろう」のシーンを上演してみる
・戯曲を書いてみる②→原作で省略されている部分をディティールまで細かく書いてみる(自分が扱いたい昔話を題材に)
宿題:書きかけたものを完成させてくる

10/17(日) 13時~18時
・みんなが書いた戯曲を上演してみる
・戯曲全体をどうやって完成させるか、みんなでディスカッション
宿題:シーンを書いてくる

10/19(火) 午前中(9時半または10時~12時予定)
・みんなが書いた戯曲を上演してみる
宿題:シーンを書いてくる

10/26(火) 午前中(9時半または10時~12時予定)
・みんなが書いた戯曲を上演してみる

※扱う昔話は変更の可能性があります。

開催場所

東京都立川市内公共施設。参加者に別途お知らせします。
また、状況により、オンライン開催に変更の可能性もございます。

参加費

無料

対象・定員

・18歳以上(高校生不可)
・演劇経験不問
・定員8名程度
※応募者多数の場合は選考あり。また、25歳以下を優先します。
※原則全日程参加できることが望ましいですが、事情があれば応募フォームの備考欄にご記入ください。

講師・西尾佳織からのメッセージ

「あかたろう」を知っていますか? 老夫婦が自分たちの垢をこねて人型にしたら、命が宿って、おじいさんとおばあさんはそのあかたろうを可愛がる。そしてあかたろうは鬼退治に出かける、というお話です。

その老夫婦が、初めに垢をこね始めた瞬間を想像します。どっちが先にやり出したんだろう? 気付いた方は、「えっ?」と思わなかったのか。そこでドン引きして、やり出した方が孤立する展開にならなくてよかった(悲しすぎる)。二人で垢をこねて小さなヒトガタづくりに没頭している様子は、可笑しくて少しさびしい。もしかして二人は、子供のいない夫婦だったろうか? 例えば子供が欲しかった夫婦が、自らの垢で小さな人をつくっていたとしたら……

なんて、妄想がどこまでも膨らみますが、今回はこの妄想を大いに使って戯曲をつくります。昔話のシンプルでユーモラスで力強いプロットを、現代に生きる私たちの目で、見つめ直してみましょう。そこに湧いてくる感想や疑問やツッコミを材料に、みんなで戯曲をつくっていきます。

演出・中込遊里からのメッセージ

「ファミリー層向けの作品を創ろう」と決めて、真っ先に西尾さんに声をかけました。8年前くらいに知り合ってから劇作家として信頼を寄せていたことが一番の理由ですが、それに加えて、最近、西尾さんと「ママ友」にもなったことも大きな理由です。

西尾さんは、小さい子どもが常にそばにいる生活の中で感じる、自分や自分を取り巻く社会の変化を、瑞々しい感性で、とても具体的に語ります。その具体性が、同じように小さい子どもがそばにいる生活をおくる私にとって、目のさめるようなものなのです。それは、リアルで生々しく、ユーモラスです。そしてすべては西尾さんの溢れんばかりの誠実さに基づいています。

家に籠り、オンラインに頼る生活が続き、他者と生々しく関わることが難しい世の中です。けれども、どんな時でも人間は呼吸して、寝て、食べて、排泄して生きていきます。他の生き物と同じように。

インターネットもパソコンも出てこない昔話の世界に入り込むと、鬼もスズメも人間も同じように生活していて、果物から人間が生まれるという不条理もなんだか受け入れられる気がして、それは「人間がそもそも動物だから」なんじゃないかしらと思います。その人間の原点に、西尾さんとワークショップ参加者のみなさんと一緒に、誠実に向き合っていきたいと思います。

応募・応募後の流れ

こちらのフォームからご応募ください。
「一人で書かない戯曲創作ワークショップ」参加申し込みフォーム

9月28日(火)応募締切。
9月30日(木)までに、参加可否をご連絡します。

同時募集!出演者募集のページはこちら

「演劇ネットワーク ぱちぱち」のホームページはこちら
主催:公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団
運営:一般社団法人AsoVo


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