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第11回せんがわ劇場演劇コンクールYouTube配信 ほろびて「あるこくはく」(40分・作演、細川洋平)を観た

ここでは、配信を観たうえでの率直な感想を書く。

この物語で時折「人間じゃない」というセリフがあるのだが、実はこの男が「石」であり、中身が固く、思っていることをすんなり口にできないという心理の持ち主であるということを表しているのではなかろうか。

物語が伝えたいこととして二人の意思が思うようにまとまらずに虫の居所が悪くなった父親を説得するまでの一部始終を描いたような感じに見えて、現実味があって面白かった。

「拾ってきた石(「意思」という言葉に掛けているのがなんともセンスあるなぁ)を引き出しの中に入れて何度も見返して」というセリフから石と呼ばれた男の過去の記憶が蘇る気がして非常にわくわくした。

後半に石のような扱いをされたあとの男の気持ちを考えると辛辣な展開になっていき、観るのが切実だったけれど、親子関係と男の存在感がキーワードでもおかしくないかなと思いました。

彼女側の主張と男の主張、父親による主張とが激しくぶつかり合ってるのが印象的。

そんな娘の海愛(まなみ)という海(数多くの生物がいるという幸せを大事にしてほしい)を愛する名前の由来にも作者の思いが込められていて感慨深かった。

以上にはなりますが、第11回せんがわ劇場演劇コンクール第一日目の締めを飾った「ほろびて」の「あるこくはく」を観劇した感想でした。

第11回せんがわ劇場演劇コンクールについて(公式HPは↓)

https://www.chofu-culture-community.org/events/archives/456




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