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INDEPENDENT 4th seasons FUK 観劇レポート

東京オリンピックも終盤となった8月7日から9日の三連休、台風9号の接近する福岡・博多の街には今年で5年目(independent自体は今年の11月で20年)となる30分の一人芝居を上演する最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT」(プロデューサー、相内唯史)が開催された。

【公式ホームページにはもっと詳しく今後の予定とかも載ってます。ご参照ください。】

前置きが長くなりましたが、今回の「INDEPENDENT」は大阪や九州各地を本拠地にするアーティストや俳優、脚本家、演出家ののべ6組12名がそれぞれの得意分野、個性などをジャンル問わずに表現していた。自分自身も、連休中日の8日に観劇して参りまして、今回は観劇しての率直な感想を団体ごとにまとめて徒然なるままに書き連ねていきます。

長くなるとは思いますが、どうかお付き合いください。

まず、1組目は僕自身も二年前に北九州は八幡東区の枝光アイアンシアターでのINDEPENDENTで初めて観て感化された

長崎県を拠点に活動する「謎のモダン館」(以下リンク公式HP)

という団体の白濱隆次さんによる作・演・出「実況上戸」(2019年初演)をトップバッターに勢いのある何気ない日常を実況を交え、ヘッドホンマイクを手で握るようにして軽やかに虎視眈々と話す素振りが印象的でした。

二年前に観たものと変わりなくて、どこか懐かしい、故郷に帰ってきたそんな感覚で観ていてどこかに温もりを感じました。

2組目は、僕のガチの故郷熊本を拠点に活動される「不思議少年」の脚本・演出・俳優の大迫旭洋さんの脚本・演出で福岡・北九州の劇団、「飛ぶ劇場」所属俳優葉山太司さんによる「そのころ」(以下リンク公式HP)

5年前、ゆめアール大橋で行われた「INDEPENDENT」で初演の作品。

一輪のの花火が打ちあがると同時に見えてくる、感じてくる人々の思いや考え、行動、生き様、何気ない日常に見えてどこからか聞こえてくる「そのころ」、同じ時間を生きる人々の「そのころ」が感じられて、「生きてるだけで誇らしい」って思いました。

3組目は、大阪を拠点に活動する「カヨコの大発明」の俳優「有元はるか」さんと同じく脚本「二郎松田」さん脚本、札幌の演劇団体「yhs」の脚本・演出担当の南参さんによる演出。「Pnish Heaven」(2019年初演)

この作品は僕の中でも特に印象的である。

昭和生まれのチンケなバックコーラスと銘打った女性、中島みゆきと永井麻里子を足して2で割ったようなルックスとビジュアルの持ち主、有元はるかさんの鍛え抜かれたコミカルな動きと表情筋がまさにレコーディング風景のリアリティーを醸し出している。

終始、魚の名前が主に出てくる曲がシュールすぎて笑いのツボを擽られる

急に車の話になったり、下品に感じられたりしたけれど、とにかく言々自在な雰囲気。女性目線で描かれているのかもしれないと感じたジェネレーションギャップというワードが時折通過する物語。

劇中の及川君は、及川光博ではないのかなと勝手に想像してさらに笑いのツボを擽らせていた、これもこの作品の醍醐味なのではないかなと勝手に醍醐味と言ってしまった。(かたじけない・・・。)

最後のメインボーカルの歌い方がエキセントリック、曲調も至って激しめ。まさに、中島みゆきのような感じだった。

「ワゴンRに乗って、環八通りを行く・・・・。」という魅力的な歌詞をはじめ、女心を歌にしていて素晴らしかった。

強いて言うなら、一番好きなタイプのお芝居。自由自在に伸び伸びと動き回っていた。

INDEPENDENT自体は一旦50分間の幕間故に換気の時間ということになるが、後半3組もかなり魅力的だった。

4組目は大阪を拠点に活動する役者の身体表現を追求したコーポリアルマイムを専門とする​フィジカルシアターユニット「tarinai nanika(たりないなにか)」主宰の巣山賢太郎とタニア・コークは、長年ロンドンのマイムカンパニーTheatre de l'Ange Fouに所属し、エティエンヌ・ドゥクルーの最後のアシスタントを務めたスティーブン・ワッソン氏とコリン・スウム氏に師事した経緯があり、現在はコーポリアルマイムの伝統を引き継ぐ第三世代のアーティストとして、クリエーションとエデュケーションを軸にした活動を展開しています。(公式HPより抜粋、下記リンク参照)

そんな「tarinai nanika」の表現する。「このカラダ」(2020年初演)はエティエンヌ・ドゥクルー作「瞑想」より主宰の巣山賢太郎による構成・演出・出演でタニア・コークによる演助によりクリエイションされた。

特に印象的なのは、滑らかな体の動きが描き出す絵画のような美しさということでしょうか・・・。瞑想しながら聞いていたようであまり覚えていないのが悔いでしかございません・・・。またの機会があればしっかり目に焼き付けたいなと思いました。

5組目は大阪で拠点に活動する。「star jacks」(最新情報等は公式Twitter参照)という劇団の主宰ドヰタイジさんの出演で同じく脚本演出の浜口望海のよる「夜嵐のさめて跡なしの花の夢」。

この作品は、落語と殺陣を兼ねた斬新な表現スタイルで、劇場へ向かう途中のタクシードライバーとの実際にあった会話がモチーフなのかと思いきや、それは前説のようなもので、本編の落語は全く別の世界戦での物語だった・・・。

関西弁訛りの流ちょうなセリフ語りで朝ドラのみたいな雰囲気で殺陣の立ち回りも鮮やか且つ潔い・・・。

今回のINDEPENDENTのオオトリを飾るのは、地元福岡を拠点に活動する。非・売れ線系ビーナス主宰・劇作家・演出家・俳優の田坂哲郎さんによる脚本・演出でエンタメユニットmiwakuのメンバーであかりのプロダクション所属の女優、森淑乃さんによる。「スーパースター」(2021年新作)

(所属ユニットの公式サイトは以下リンクより)

首浦星の小学校時代から始まる物語で印象的だったのは、やはり、タイトルの「スーパースター」と「素パスタ」を駄洒落みたいにかけていて面白かった。

スーパースターから広がる首浦の生きる世界で起こる何気ない日常が舞台、星という名前を胸に抱いて生きる心強さが観客の心を引き寄せた。

田坂さんらしい創り方・演出がなされてて、特に印象的な作品。

シャインと社員がかかってたり、汗だるまというあだなの男の子を表現する「ベチャベチャ」というオノマトペが好きだった。

一人芝居ならではのテンポ感がしっかり表現されていた。淑乃さんの新た表現が首浦星の精神状態や心理・感情がしっかりと伝わる非常に濃い内容の30分でした・・・。

会場内からも終始、笑いが起きていて、これぞ役者と観客がひとつになれると感じたINDEPENDENTだったのかなと思いました。

independentのツアーはまだまだ続くのでこの感想をお読みになって今後の皆さんの活動の励みになればと思い感想レポートとしてまとめてみました。

このご時世ですが、皆様、お体ご自愛下さいませ・・・・。


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