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劇トツ20分2021観てきました。

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本日7月18日は土曜日ぶりに北九州へ足を運び、九州各地から集まった5団体が【上演時間20分】【登場人物は3人まで】というルールのもと、短編の演劇作品を創り、競い合う企画「劇トツ×20分」(2年ぶりの劇場開催)を観劇して参りました。

出場団体のほとんどが高校大学演劇出身かつお知り合いということでどこか親近感極まりなく、初めましての劇団さんのことも知れたので良かったです。

どの団体もそれぞれの作風で個性といい味出てるなぁって思いながら観ました。素晴らしかったです。

まずは、1団体目「※ 演劇集団宇宙水槽」(鹿児島)

※ 演劇集団宇宙水槽 : 鹿児島大学演劇部テアトル火山団OBで結成

タイトル「MEMORY](作・演:宮田晃志)

県外の人にも宇宙水槽のお芝居を観てもらえるという機会が与えられたので世界観に触れて欲しいとのことでした。

作品の雰囲気として、前半はしんみりとしているものの、後半少しバタつきがあったように思えた。

思い出を記憶するではなく記録するというテーマ性がしっかりと表現されててよかった。

5分しか生きることのできないクレアと郵便配達の人との愛情がどこか儚かった・・・・。

とにかく、元気の良さが観客の心を鷲掴みにした。

2団体目 「万能グローブガラパゴスダイナモス」(福岡)

タイトル 「僕は笑わせることしかできない」(作・演:川口大樹)

流石は福岡を代表するコメディー劇団の底力である。お芝居に対する熱意や熱量が半端ない、特に横山さんのお芝居はコミカルで迫力がある。

コント的な始まり方で、小道具にも凝っててオリジナリティーあふれる創り方をされていた。

先に述べた横山さんは僕の大学の先輩でもあり、お芝居の面から尊敬している一人であり、横山さんのロボットの物まねが特に印象的です。

様々な選択肢と闘いながらも長い間の経験が紡いだ奇跡なのではないかなと客席で観ながら思いました。

3団体目 「劇団言魂」 (北九州)(作・演:山口大器)

タイトル : 「ふわ」 

タイトルが「ふわ」ということでシンプルイズベストなところが僕は好きでした。

風船が割られるシーンは何かの感情が破裂する気がしてハラハラしたけど、審査員の方も仰られていたようにモラハラってこういうことなのかと気づかされたお芝居でした。

愛することだけが好きにつながることはなく、一緒にいる(生きる)こともできないというキコのセリフとその後の出ていくところが印象的でした。

冒頭、めちゃくちゃファンタジーチックなのに次第に感情がフワッと溢れ出て宙に浮くような感覚。

お芝居の世界観で時間と空間、めちゃくちゃ意識してあって創り手目線から観ても非常に感慨深い作品なのかなと思いました。

言いたいことをはっきりといえる心強さがキコの空を飛ぶことへの勇気につながり、観てる人への生きる勇気にもなっていたと思います。

4団体目 「若宮計画」(北九州)

タイトル 「未」 (作・演 : 若宮ハル)

架空の劇トツに出場するための稽古に集った3人、古典劇をやりたい先輩と日本語リアリティーのある芝居を書いたら?と提案する後輩の意見の食い違いがあったり、実際の演劇の稽古場にいるような雰囲気がとても好きでした。役者の団結力と仲の良さは僕の中で一番だったのかなと思います。

お芝居の世界からいきなり現実の世界に引き戻される感覚がすごく好きだった。しかも、劇トツのゲネ終わりというなかなかリアルなオチでした。

こういう作品絶対あるだろうなってとこと、真新しさ、センス的にも心動かされた。ワクワクする、演劇を様々な目線から俯瞰して創りこんであってとても良かった。

最後は 劇団小倉演劇部 (北九州)

タイトル 「桜坂殺人事件」 (作・演:北畠耕一)

出場団体で最年長世代の団体ということもありオオトリに適していたのかなと思いました、作品の内容もクラシカルかつ古典チックで現代ネタを盛り込んだお芝居という老若男女問わず楽しめる作品だったのかなと思いました。

そこまで型に嵌ったお芝居というわけではなく、歌とダンスを交えた、大衆演劇っぽい感じだった。

中年のオジサン二人が若者言葉を語尾に使うギャップと渡哲也の刑事ドラマと刑事コロンボみたいな刑事のキャラが好きで昭和のコメディー映画を観ているそんな気分でした。

中でも「遺影を撮るぞー!」というセリフからお芝居が急展開していき、鳥肌が立つほど楽しかった。

突然ダンスが始まったり、歌が始まったりというシュールさが老若男女のツボをくすぐっていた印象です。

ハムレットから始まる物語、祝祭的だなって感じつつも、オジサン3人による往年の記憶と経験とが積み重なって今があって、自分もこんなオジサンになりたいなぁと思いました。

桜の花弁が亡くなった同級生の魂にも見えてどこか切なくなりました。

今回の劇トツで心に残ったことたくさんあって非常に感慨深かったです。

いろんな意味で一味違ったなと感じました。演劇って生きる上で本当に素晴らしい存在なんだなって改めて身に沁みました。団体ごとにそれぞれの色や味が出ててすごく良かったし、僕自身も心動かされました。

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そしてあらためてガラパの皆さん、劇トツ優勝おめでとうございます!

出場団体の皆々様、素晴らしいお芝居をありがとうございました!!

来年のガラパ北九州芸術劇場本公演を心から楽しみにしております!!

#劇トツ #福岡 #演劇

#北九州芸術劇場  

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