武田と希望退職という名のリストラ
武田薬品工業の希望退職募集の件
まずこの記事(武田薬品工業、国内で希望退職募集 30歳以上対象)を読んで欲しい。
対象者は勤続年数3年以上、30歳以上の国内ビジネス部門の社員。主にMRや事務職などで、研究開発(R&D)や生産部門は含まない。
要約すると、30歳以上の事務・営業社員のリストラを行いますよということだ。武田は今期の予想を上方修正したにも関わらず。
上場企業の希望退職と年齢について
※日付は希望退職発表年月
※年齢規定があるもののみ
【35歳以上】
・さいか屋(小売)2020/5
・レオパレス21(住宅)2020/6
【40歳以上】
・ジャパンディスプレイ(メーカー)2019/6
・ファミリーマート(小売)2019/11
・オンワールドホールディングス(アパレル)2019/12
・佐鳥電機(商社)2020/1
・ラオックス(小売)2020/2
・東海染工(メーカー)2020/3
・リズム時計工業(メーカー)2020/4
・三共生興(商社)2020/6
・タツミ(メーカー)2020/7
・ワールド(アパレル)2020/8
【45歳以上】
・エーザイ(メーカー)2018/10
・カシオ計算機(メーカー)2019/1
・富士通(メーカー)2019/2
・ノーリツ(メーカー)2019/11
・サッポロホールディングス(メーカー)2020/2
・日本ケミコン(メーカー)2020/3
・廣済堂(印刷)2020/4
・タチエス(メーカー)2020/5
・ダイヤモンドエレクトリックホールディングス(メーカー)2020/6
【48歳以上】
・ジオマテック(メーカー)2020/1
【50歳以上】
・味の素(メーカー)2019/11
・LIXIL(メーカー)2019/11
【55歳以上】
・ダイドードリンコホールディングス(メーカー)2020/1
【58歳以上】
・リョーサン(商社)2020/1
【60歳以上】
・曙ブレーキ(メーカー)2020/1
【管理・専門職】
・日立金属(メーカー)2019/10
出典:大企業の「希望退職・早期退職者」募集は止まらず…… 各社のボーダーラインは何歳?
出典:2020年上半期上場企業「希望・早期退職」実施状況、最多人数はレオパレス
出典:【希望退職者募集】1000人のレオパレスを筆頭に上期だけで29社、昨年1年間に迫る
ところがどうだろう。
武田薬品工業は30歳以上である。これは他に類をみない。思い切りが良すぎるというか。
少しだけ考察したい。
武田の年収
私は武田の人間ではないなので、様々な情報から推測して書く。
2020年3月期の有価証券報告書によると、従業員が5,350人で平均年齢42.2歳、平均勤続年数は15.0年、平均年間給料は1,091万円である。
新卒の給料は2019年学部卒の実績で月24万円。
リクナビエージェントの求人情報を加味すると、総合職の年収レンジは少なめに見積もってもこんな感じだと思う。
20代後半:500万円〜
30代:700万円〜
40代:1,000万円〜
30代でも700万円だ。
上場企業の40代でも給料が700万円を超えない企業はある。そもそもの賃金ベースが違う。
多くの企業が40代以上をリストラ対象にするのは、40代以上は給料が高く、多くは管理職であるので実業務を動かす分には差し支えないからだ。
武田の場合は30代でも十分に給料が高い。そしてここは想像だけれども、昔と比べるとMRの存在意義が変わってきているのではないだろうか。働きアリの頭数を減らす算段も少なからずあるのかなと思っている。
武田と中途採用
私が疑問を持っているのは中途採用だ。
希望退職を募集する一方で事務系職種の募集を行なっている。
※画像は2020/8/19時点のリクナビエージェントサイト
画像は全て事務系職種である。
URL(参考:https://www.r-agent.com/kensaku/kyujin/20200331-447-01-159.html)を見た感じでは、3月末に募集が掛けられた様相。
3月末の時点で希望退職を行う議論がされていたのかは知らないが、7月の段階では中途の採用を行う意思があった。何故ならば書類通過の連絡があったからだ。
事務系で募集したい職種はある。(見たところMRの募集はない。)だからといって、MRを教育して経理や購買をやらせる手間は掛けたくない。そんなところだろうか。私としてはモヤモヤするが、勝手にモヤモヤしたところでしょうがない。
そもそもリストラってどうなのって議論
そもそもリストラってどうなのって議論については、私自身の意見がないので割愛させてもらう。
一つ言えるのは、ここ最近コロナを度外視しても大企業の希望退職が増えている。旧来の雇用制度を維持し続けることに歪みが生じているのかもしれない。
読み物として面白かったので、最後にこれを紹介させてもらおうと思う。普通の退職も希望退職も有能な人から手を挙げていくものだ。
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