読書感想:ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾

前回の投稿に「スキ」をくださった方、ありがとうございます!
自分の書いたものが評価してもらえるというのは、やっぱりうれしいですね。

というわけで、引き続いて読書感想を投稿します。
今度は、前回とは打って変わって、現代小説です。

〇タイトル:ナミヤ雑貨店の奇蹟/東野圭吾(角川文庫)

※私が持ってるやつと、表紙が違いますね…(私のは、シャッターに手紙が挟まっているバージョン)

〇読み始めから読了までの期間:2019.4.9~2020.6.28
〇読み始めたきっかけ
 東野圭吾さんといえば「ガリレオ」シリーズをはじめ、もはや日本で知らない人はほとんどいなのではないか…と思われる有名作家ですが、私はこれまで、一冊も読んだことがありませんでした。
 そんなわけで、私は常々「東野圭吾を読んだことあると、とりあえず言っておきたい」という、相変わらずの広く浅くの精神を滾らせていました。
 といっても、シリーズ物に手を出すと、先が大変そうですし、やっぱりいろいろな作家さんに触れたいという思いもある中で、なんか手ごろに読める作品はないものか…と考えていたところ、たまたま立ち寄った本屋で、平積みされていたこの本を手に取った次第です。
〇読み終わった感想・意見
 読み始めから読了まで、1年以上かかっていますが、これは単に私が読み始めてから、しばらく放置していただけの話です。おそらく、多くの方にとって、もっと早く、スイスイ読了できる作品だと思います。
 内容についてはネタバレを避けるため、詳細は記しませんが、日本のとある雑貨店を中心に、様々な時代を舞台に、これまた様々な立場の人物が、時空を超えた手紙のやり取りを繰り返すことで、複雑に絡み合い、物語は展開していきます。
 場面ごとに時系列がくるくると入れ替わり、登場人物もかなりたくさんいるため、途中で話についていけなくなるのではと、不安にもなりました。
しかしながら、全編にわたって、とても読みやすい文章と、「雑貨店を中心とした、時空を超えた手紙のやり取り」という、確固たる話の筋のおかげで、その不安は杞憂となり、すんなりと物語の世界に入っていけました。この「文章の読みやすさ」「話の軸の安定感」こそが、東野圭吾さんの魅力の一つなのかなぁ…なんてことを考えながら読んでました。
 ただ注意点としては、この物語は、いろんな伏線が回収され、一つに収束し、ド派手な大団円を迎える…といった感じの話かというと、そうではありません。むしろ、どちらかというと、各登場人物それぞれの生きざまにスポットを当てた、オムニバスドラマ(それぞれつながりはあるけれども)という印象を受けました。
 正直、私は、前者のような内容を期待していたので、実際の展開は、ちょっと予想とは違ってはいましたが、それでも、全体としては、読後感もとても心地よく、楽しめた作品でした。

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