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産婦人科で私が絶対にしないこと

それは待合室で赤ちゃんが写ったエコー写真をみないこと。

妊娠経験のある方ならわかると思うのですが、胎嚢が確認されるとエコー写真を
先生が渡してくれます。

お腹の膨らみも全くないこの時期に「ここに赤ちゃんがいますよ~。妊娠していますよ~。」と教えてくれているようで、妊娠した喜びを実感できる嬉しい瞬間でもあります。

それ以後赤ちゃんが大きくなっていく姿を、診察の度にエコー写真として渡してもらえるんです。

夫に見せるとすごく嬉しそうで本当に幸せな気持ちになるんですよね。

でもそうやってエコーの写真を楽しそうに見ている姿に傷ついてしまう人もいます。

不妊治療をしていた当時の私がそうでした。

最近では不妊治療専門の病院や一般の産婦人科と待合室が別になっている病院もあるそうですが、私が住んでいる地域にはまだそういう病院はありません。

なのでお腹の大きいお母さんと一緒に待合室で過ごす。

これだけでも結構精神的につらいのですが、エコー写真をみてはしゃいでいる人を
みるとますます心に刺さるんですよね。

一人目を妊娠する前に重度の子宮内膜症だと告げられ、今のままで自然妊娠は不可能、手術をしても自然妊娠できるかどうかはわからない、体外受精を視野に入れてくださいと言われた直後、涙をこらえるのに必死だった私の横で「みて!これが赤ちゃんだって」とエコー写真をみながら楽しそうにはしゃいでいる夫婦がいました。

その時、心をえぐりとられるような、今までに感じたことのない気持ちがこみ上げてきてその場から一刻も早く逃げ出したい思いをぐっとこらえながら過ごしました。

今でもそのときの光景は鮮明に覚えていて、決してその夫婦が悪いわけではないのですが、私はそのとき「人前で、産婦人科の待合室で、エコー写真は絶対にみない」と心に誓ったのでした。

それから2回の妊娠中、エコー写真を待合室でみたことは一度もありません。

診察室を出る前に鞄にしまうようにしていました。

今の私は、エコー写真をみている人がいても微笑ましく思えるようになりました。


エコー写真だけではなく、自分のとった行動で誰かを傷つけていることが日々あるのかもしれない。

あの一件以来そう考えるようになりました。

考えたらきりがないことなのかもしれませんが、周りの人の気持ち、相手の気持ちを推し量ることのできる大人になりたいと強く思います。

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