ステンレスは錆びない魔法の材料ではない

今回はステンレスについてお話します。

ステンレスは正式名称を「ステンレス鋼」といいます。

ステンレスは合金であり、その基本的な成分はFe-Cr-Niです。

Feはそのままの状態では非常に錆びやすいです。

そこで、Crを12~13%合金化することで、大気中や海水噴霧中に長時間放置しても侵されにくくなります。

硝酸に対しても同様の性質を示します。
(これを不動態化といいます。)

しかし、塩酸や硫酸には侵されやすいのが特徴です。

Fe-Cr合金にNiを加えることで、塩酸や硫酸にも侵されにくくなります。

これを「ステンレス鋼」といいます。

一般的には、炭素量が少ないほど耐食性がいいです。

成分中に炭素が存在すると、Crを多く含んだ炭化物をつくるために、固溶体中のCr量が減少します。

加えて、炭化物自体が局部に電池を構成し、耐食性を低下させます。

そのため、Crを添加し炭素量を減少させ、性質をフェライト層に変化させます。

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