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革を裁断する道具

革を裁断する専用の包丁、“革包丁”を使っています。

刃は、一般的に知られている料理包丁や大工道具にも使用されている鋼で、安来鋼(ヤスキハガネ)と言われるものです。
その安来鋼で作られている刃物鋼には、いくつかの種類があり、刃物の硬さ、それぞれの硬度により、白紙(白鋼)、青紙(青鋼)などの名前があります。

基本、四本の革包丁を使っていて二種類の青紙を使っています。青紙は白紙よりも鋼自体の硬度が高く、粘り強さも持っています。

基本的に革を裁断すること、また部分的に薄〜く革を漉く時にも良く使います。
おそらく... 今のテクニックなら、魚の皮をうまく削げるような気がします。。。
匂いが着いたら困るので、やりませんけどね。。。

では、その革包丁などを少し。

革包丁01

手前、表面のザラザラとした梨地(なしじ)と言われる仕上げが施された二本。
青紙の中でも一番硬い“青紙スーパー”と呼ばれる刃が付いています。
私は、ある程度の使い分けをしています。
単純に硬い革、そして一枚の革だけを裁断するばかりでなく、数枚の硬い革を貼り合わせた“革の層”を裁断する場合など、こちらの一番硬い“青紙スーパー”の革包丁を使用しますと、他の革包丁との微妙な硬度の違いを実感します。
刃が斜めになっているものは、デザインなどでカーブしているようなR部分を裁断する場合に使います。


そして、別の二本。

革包丁02

こちら中央の手前と奥の二本は青紙2号。2号より1号の方が硬度が高く、こちらは青紙スーパーの二段階下の硬度です。
主に、革を荒裁ちする時や、柔らかい革を裁断、本裁ちする時に使用しています。
柔らかい革の層などになると、切るときに“ウニ〜って”潰れながら、逃げたりすることがあります。その場所だけに圧力がかかる感じです。(私の感覚)
柔らかい、しなやかな革などは、刃の粘りと言うのでしょうか? 硬い青紙スーパーよりも、こちらの方が切りやすさを感じます。個人的な感覚です。
細く刃先が斜めになっている切出小刀は、革用の刃物ではなく、ホームセンターで見かけ購入したものです。青紙としか表記されていなかったので、何号かは不明... 


豆鉋という小さい鉋。

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こちらは二種類の豆鉋で“反豆鉋”と“豆鉋 平”。基本コバ(革を裁断した端)の面取りなど、コバ仕上げ、綺麗に整える時に使用しています。
奥の平鉋はハイスピードスチール、略してハイス鋼(HSS鋼)と言われる別の種類の刃物鋼が付いています。とても硬く研ぎにくいです。お手頃な安価な道具ですが、ちゃんと研げれば使えます。


これらの革包丁などの刃物の道具は、切れ味が鈍ってきたら研ぎます。
二種類の砥石(中研ぎ用、 仕上用)、最後は革砥というものを使って仕上げます。

最終的な裁断、本裁ちと言いますが、大事な箇所などで正確な裁断ができるよう、良い仕事ができるよう、今日はこれらの道具を研ぎました。
手仕事をする私は、この他にもいろいろな道具を使います、とても大事です。
道具が無ければ、ただの“おっさん”になります。。。(笑)


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