見出し画像

新訳 科学的管理法(ダイヤモンド社)

現在の機械的なパラダイムにおける「マネジメント」はこの人から始まったと言える。この本を読むと、当時の時代背景とか、そのときにどんな想いでフレデリック・テイラーが科学的管理法と呼ばれる体系を作ったかが垣間見える。

当時は、職人たちがそれぞれのやり方で仕事をしていた。その中では、決められた以上に働くことは「他の人の明日の仕事を奪う」ことに他ならなかった。その中では、決められた範囲の仕事をやるインセンティブが働くし、生産性を上げようという発想には至らない。

また、当時の現場の作業員は識字率が決して高くなかった。それはすなわち、抽象的に体系立てて思考する能力が発達していないことにもつながる。であれば、それを特定の「マネージャー」という専門家に委ねる方が理に適っている。

当時の科学思想が「時計仕掛けの宇宙」、つまりは万物はシンプルな法則に分解して理解できる、にあったことも下地にある。

総じて、その中でテイラーの目指したのは「雇用主と労働者の協調関係を作ること」にあった。
一方で、それが現在においては適用されなくなってきた面がある。これまでの否定ではなく、超えて含むような変化がますます必要になっている。

#組織論 #科学的管理法 #機械的組織

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?