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「知識は主観的な解釈として顔の見える関係を通じて流通する」という仮説を実証するための個人的な実験です。詳細はこちらの記事を御覧ください→ https://note.com/enf…
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#身体知

身体感覚で『論語』を読みなおす。 ―古代中国の文字から― (新潮文庫)

論語そのものについてというより、著者の安田さんの「論語の捉え方」に惹かれた一冊。人が「言葉」という道具を発明したように、「心」というものも3000年前ごろに言葉によって「出現した」ものだという。 「心」という漢字は、孔子が活躍するほんの500年前まではこの世に存在しませんでした。 で、ある日、「心」が出現した。王朝が殷から周になったころです。 その突然の出現に人々は戸惑い、「心」をうまく使いこなせないままに500年間を過ごします。そんなとき孔子が現れて、人々に「こころの使い

身体の聲 武術から知る古の記憶(PHP研究所)

組織を「機械的」「生命的」というメタファで捉えたり、その背景にある「西洋的」「東洋的」という文化の対比にまで考えたり、ということをこの2-3年やってきたが、とても近しい構造から「身体観」という切り口から深く洞察されている。 自分自身の個人的な好みとか知識経験の偏りから、「人」を内面的な方向から掘り下げることが多いけど、同じ構造で「身体」を捉えるというのは、考える範囲が広がるような感覚だった。 著者の光岡さんの武学研究会で直接お話を伺い、武術の簡単な型も体験したが、身体が左