夏音
今日も暑い。空が高い。
君と過ごしていた日々がずっとそんなだったから、僕は夏が嫌いだった。
「ーーーーー」まただ。君が僕の名前を呼んだ気がしてしまう。いつも照れたような君の声は夏の音のせいでよく聞こえないんだ。悲しくて微笑んだり、嬉しくて泣いたり。全部鮮やかに感じる。
夜更けに星を見に行って。「きれいだね」ってはしゃぐ君の姿が嬉しかった。その時の気持ち、今も伝えられていない。そんな夏の音は静かで、消え入りそうで。まるで君みたいだと今も思ってしまう。
「君を救いたい」なんて大袈裟なことを僕は心に秘めていたのに。
さよならの瞬間。目を閉じた君が何か言った気がした。
「ずっと忘れないで」なんてきっと言ったわけないんだけど。
その瞬間、空が真っ暗になった。
時間が経てばきっと君は消えていくんだろう。今はまだ目の前に君がいるみたいで。だから夏は嫌いだ。
君がいないまま、時だけが過ぎていくのを感じるから。
って感じの歌。
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