『プレステージ』...ノーラン監督の映画論

ノーラン監督『プレステージ』。それ自体が純・大衆映画であるわけではないが、「大衆映画の魅力」に関する考察を、映画と奇術との類似において披露している。

実際には起こり得ないことを、あたかも起こっているかのように信じさせる技術こそ、映画製作の魅力であると彼自身感じている(のであろう)

それゆえに彼のスタイルは、SFと相性がよく、したがって興業的成功の目処を立てやすい。

SF映画は、彼の映画製作に関する思想を意識的に実践する舞台として選択されている。

スピルバーグが童心のまま映画製作を行なっているとしたら、ノーランは、より原理的に、イデオロギーに基づいて、「大人として童心を」実現しようとしている。


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