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連載11・学校の勉強もタロットに役立つよ?

世界と人生、そしてこの世の現象を知って
理解したいという気持ちは

いろんな思想や学問に発展してきました
 
例えば、今でこそ
天文学、科学、数学や現代医療といったものは
大学院レベルで勉強するような学科ですが、

神秘学に通ずる考えが根底にあって、
古代に発生しました。
 
天文学といわゆる”星占い”の占星術は
もともと「天の動きを知りたい」
気持ちから芽生えた、起源が同じものでした。

鉛を金に変えようとする錬金術の試みは
化学のルーツになりました。

今、日本でも流行っている
数秘術という占術と、
数学は発祥が同じで、

紀元前600年のギリシャのピタゴラスは
「この世の事象の全てには数が内在していて
数字と計算によって
宇宙の法則が解明できる」と言った
数学の父、そして数秘術の父です。

そして「癒したい」「治りたい」「健康を求めたい」という
人の気持ちが、ヒーリングや祈祷や、民間療法などになり、
時間が経つにつれて科学的な現代医療へと発展してきました。
 
つまり、
この世でなぜ、何が、どうしてそうなるか、 
何をどうすれば変化が起こるのかといった、

この世の現象の仕組みを知りたいという
好奇心があらゆる学問になってきたんです。

私達が学校で学ぶ学科も、
日常生活に関わる社会の仕組みも

全て

何千年の歴史があって、
時間と労力をかけて
先人の叡智がまとめられた研究結果が

枝分かれしたできあがったものです。

何千年も前からある
あらゆる学問の「種」になった
この世を知りたいという
知的好奇心に
最初から「神秘学」という名前がついていたわけでは
ありません。

人がこの世について解明しようとする試みの中
いろんな思想や学問が発展してきて、

そのうちのいくつかが
精神論にも関わる哲学的なトピックにもなって、

そんな
アプローチをまとめて呼ぶために
19世紀にフランスで作られた造語が
「神秘学(ésotérisme)」です。

そして
エリファス・レヴィが使い始めたことから
一般化された単語になったそうです。

(英語ではesotericismと言って、
やはり19世紀に
英語圏にもたらされたそうです。)

ésotérisme、あるいはesotericismは
日本語で「秘教」と訳されることもあって
「奥義的な」または「深淵なこと」を意味するので

タロットカードに関連づけられた
高い精神性を追求する学問の深淵さが
タロットを単に絵が描いてあるだけの
占いカードにはとどまらせない理由でしょう。

ちなみに、ここほんの10年ほど、
ヨーロッパでは「神秘学」も
れっきとした学科として
大学レベルで勉強できるトピックになってきましたよ。

神秘学が単なるスピリチャル論ではなく、
哲学的な学問であることが強い証拠です。

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(イタリア人のロドさんと対談:タロットともっと仲良くなる話(1)
講師の私すら知らないタロットの外国事情)

[https://youtu.be/GT1e5J-20g8] 8:51

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参考文献:

  • A History of Greek Mathematics From Thales to Euclid v.1: by Thomas Heath、1981

  • アントワーヌ・フェーブル「エゾテリスム思想―西洋隠秘学の系譜」1995

  • 竹下節子 『無神論 - 二千年の混沌と相克を超えて』 中央公論新社、2010年

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タロットを本質から知る連載、続きます😃♪

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