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連載15・タロットカードの構成にも意味があるの?

四大元素思想、
カバラ、
そして占星術の3種類の思想は、

発祥の地も、時期もバラバラですが、
全て「この世の仕組みを知りたい」という気持ちが生み出した、
宇宙の在り方を解明しようとする考え方です。
 
19世紀にレヴィとメイザースによって
これらの考え方が組み合わされて
タロットの骨組みとして確立されました。
 
(本当はその前にも後にも

タロットと神秘学を関連づける活動に関わった
人や組織はいますが、ちょっと省略しちゃいます💦)
 
タロットカードは全部で78枚あって


・22枚の大アルカナ

・16枚のコートカード(宮廷の人物カード)

・40枚がナンバーカード
という3つのグループに分かれています。
 
それぞれのグループには神秘学の組み合わせが
”公式”のように決まっていて、
それを解釈することでカードの意味が現れます。
 
大アルカナ
大アルカにとっての大切な概念は
カバラの言語、ヘブライ語、
そのアルファベットの22文字です。
 
ヘブライ語のアルファベットを分析して
タロットに当てはめようとした試みは、
500年以上も前に
クリスチャン・ローゼンクロイツによって設立された
秘密結社、薔薇十字団も手がけていたようですが
19世紀にフランスのレヴィが
システムを確立した第一人者とみなされています。
 
ヘブライ語は旧約聖書が書かれた言語ですし、
世界の始まりと発展を伝える言葉なので

崇高な言語だと考えられてきました。
 
世の中には他にも
崇高と思われる言語はあるのですが、
ヘブライ語がタロットに関して特別な理由は
カバラの言語というだけでなくて、

そのアルファベットにあります。
 
他の言語のアルファベットは
単に音だけで、特に意味はありませんが、
ヘブライ語のアルファベットは
一つ一つが意味のある単語になっているので、
意味付けがしやすいと考えられたことが要因だと思います。
 
そこでそれぞれの単語が表す概念を解釈したものと、
四大元素思想の概念を組み合わせた、
22通りのストーリーを
大アルカナの22枚に関連づけられたものが、
意味の原点となりました。
 
コートカード(宮廷の人物カード)
 タロットの中のグループで

コートカードが苦手という方は多いですが、

きっとそれは
コートカードが「人」を表すと
思い込まれているからだと思います。
 
確かに、
日本では「コートカードは人物」として
説明している解説書が多いのですが、
それだと「状況」や「解決策」といった時に
どう捉えたらいいか分からなくなる場合もありますよね。。。💦
 
だから、
コートカードが表現しているものは、
エネルギーを擬人化したもの、と考えてみてください。
 
そしてそのエネルギーは

「この世は4つのエネルギータイプでできている」と説く
四大元素思想がベースになっています。
 
4つのエネルギータイプそれぞれを
互いに掛け合わせれば、
4x4で16通りの概念が出来上がるので、
それを16枚のコートカードに当てはめたものが
カードの意味の基盤になりました。
 
ナンバーカード
ナンバーカードは40枚もあるので、
1枚1枚暗記することはとても大変だし、
似たような意味を持つカードも多くあって、
混乱してしまう方も多いようです。
 
ナンバーカードの原理は、
カバラの数秘術的な1から10という数字の流れが表現する概念に、
四大元素思想の4つのエネルギータイプの概念を掛け合わせることで、
10x4で40通りの概念です。



それを40枚のナンバーカードにあてがったものが
意味を形作る原理になって、
さらにそこに占星術から星座と惑星の要素を加えることで
ナンバーカードの意味が深まりました。

 
このように、
タロットカードの意味は論理的に構築されています。
 
ここを理解できれば
整理整頓して学ぶことができますし、
四大元素思想や占星術などの共通点を見出せれば、
似た意味を持つカードのニュアンスを把握して、
繋げつつ細やかに解釈することが簡単になります。
 

 
タロットカードはイタリアで78枚ワンセットの決まりになりましたが、
19世紀に神秘学と関連づけられてからは、
ますますそのルールが確定して、
一枚多くても、少なくてもだめになり、

神秘学の理念が根底に表されていなければ
タロットとは呼べないという決まりもできました。
 
神秘学の理論が、
マルセイユタロットに不思議なほどにぴったりとフィットして、
最適な意味づけをすることができたのは
偶然だったらすごい確率ですし、
努力の賜物だったら相当に考え抜かれたものだと思います。
 
四大元素思想、カバラ、占星術といった
神秘学の学問は
「世界の在り方と仕組み」を解説する理論なので、
これらの思想を反映しているタロットカードは、

やはり世界の在り方と仕組みを表現しています。
 
レヴィは
「78枚のカードさえあれば
牢獄の中にいても宇宙の真理を身に付けて、
あらゆる物事の仕組みについて理解することができる(意訳)」と記しました。
 
そして「あらゆるものがお互いに在り方を反映している」という、
エメラルドタブレットに表現された原理をベースに、

タロットカードと世界の在り方は反映しあって、
世界の在り方と人の在り方も反映しているから

タロットカードが人の在り方も反映している、
という論理が成り立ちます。
 
だからタロットは単に当たりはずれのエンタメや、
霊感や直感で当てずっぽうな言葉を伝えるための媒体でもなく、

人生と心に真剣に向き合う「考えるため」のツールなんです。

 
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タロットを本質から知る連載、続きます😃♪

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参考文献:
「The Doctrine and Ritual of High Magic: A New Translation」  Eliphas Lévi, John Michael Greer(2017, Tarcher Perigee)



 

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