ひるタブ、第10回ビジュアルアナリティクス

今回は、これまでのような一つ一つの機能の紹介ではなくて、グラフはなぜ訴求力があるのか、その訴求力のポイントは何かということについて考えてみます。考えるというより、Tableau公式サイトにとても良いテキストがあるので紹介します。
Tableauのサイトには有用な情報が多数掲載されていますが、今回はその中から
Tableau の分析ベストプラクティス
というドキュメントに注目しました。

https://help.tableau.com/current/blueprint/ja-jp/bp_analytics_best_practices_in_tableau.htm

この辺りはBluePrintという、Tableauの普及定着を図るためのヘルプが書かれています。その中でこのセクションは
・ビジュアル分析を利用する理由
・ビジュアル分析のサイクル
・視覚的なベストプラクティス
・組織の資産
の4つの章からなっています。今回はこの中から、いくつか取り上げたいと思います。今回のブログは完成版というより、シラバスというかレジュメに近いので、是非リンク先をお読みください。というわけで、ビジュアルの回なのにビジュアルが皆無なブログですいません。

■ビジュアル分析を利用する理由
この章ではPreattentive Attributesについて書かれています。Preattentive Attributesとは人間にとって、認識しやすい属性についてまとめています。
ここにある10個の属性の内、位置、色、大きさ、形が特に重要な属性と言われています。

■ビジュアル分析のサイクル
この章では、ビジュアル分析のサイクルについて書かれています。スパイラルに成熟が図られる姿が描かれていて、ExploreとViewerの役割についても明確にすることができます。続いて、各ステップで具体的に何をするかについても書かれています。
質問から開始→データの取得→ビジュアルマッピングの選択→データの表示→インサイトの獲得(分析)→アクション (共有)→そこで生まれた新たな質問への対応→(続く)

つまり、グラフ書くという作業と、データを分析するという作業は別々ではなくて、スパイラルに一体となっているというのがモデル化されています。

■視覚的なベスト プラクティス
この章がメインです。
ーオーディエンス 誰に何を伝えたいか
ーコンテキスト 術語としても色んな使われて日本語にしにくい単語ですが、ここではタイトル、キャプション、単位、解説等ビジュアルの意味付けを行う各種情報のことだと思います。
ーチャートの選択
さらにここがメインです。どういうときにどういう表を使うか
①折れ線グラフ — 一定期間の傾向を見る。
②棒グラフ — カテゴリー間でデータを比較する。
➂ヒートマップ — 2 つの要因の関係性を示す。
④ハイライト表 — ヒートマップ上で詳細な情報を提供する。
⑤ツリーマップ — 全体に占める割合として階層データを示す。
⑥ガントチャート — 一定の期間を示す。
⑦ブレットグラフ — 目標と照らし合わせた指標のパフォーマンスを評価する。
⑧散布図 — 異なる変数の関係性を調べる。
⑨ヒストグラム — データの分布を理解する。
⑩記号マップ — 割合ではなく合計に使用。わずかな違いを認識することは困難なので注意が必要です。
⑪エリアマップ — 合計ではなく割合に使用。適切なベースとなる地域を使用する必要があります。
⑫箱ヒゲ図 — 一連のデータの分布を示す。
一つ一つでひるタブ一回分の分量があって、面白いです。エクセルにはここにないグラフもあり、これらを使ったコホート図やウォーターフォールチャートと言った面白いグラフもあります。
手書きやエクセルで書くのは、折れ線、棒、がほとんどで、ちょっとスキルがあると散布図やヒストグラムを書ける人もいるかと思います。
ツリーマップは最初の講習会で取り上げたグラフですね。こういうグラフや箱ヒゲ図は手書きでは無理ですね。
Tableauではブレットグラフをかなり推しているような見えます。これはBarinbarともいわれ、棒グラフを2つ重ねて比較がしやすくなっています。

そして、Tableauの強い機能として、地図があります。地図も講習会で取り上げたかと思いますが、都道府県ごとのデータのヒートマップに最適です。ここでは⑩と⑪がそれにあたります。

ーレイアウト ダッシュボードのデザイン。一枚のダッシュボードにグラフは4つまで、スクロールはしない。が基本

ー色 反対色を使う(達成、未達成)、グラデーションを使う(売上のステップ化)等効果的な訴求にぴったりです。
最近の傾向として、プレゼン資料のモノトーン化があり、あまり沢山の色を使うことは好まれません。ピンポイントな刺激が効果的です。

ータイトルとサブタイトル 何のビジュアルなのかを端的に表すコピー
ーツールヒント 吹き出しです。マーク(グラフの棒や線)にマウスを載せると、その点についての情報が表示されます。これは他のツールにない武器です。余計なものは見せず、オンマウスで詳細を見せるというものです。仕上げの作業で、面倒なのですが、共有していく際には重要な要素になります。
ーフォント 字体は余り日本語では重要ではないかもしれませんね。大きさと色くらいでしょうか。
ーダッシュボードのサイズ 固定サイズを推奨、そのサイズに表現できる世界にデータをコンパクトにするということがとても重要という考え。エクセルやMINEOのような広大なキャンバスというのはTableauにはあり得ないようです。書ききれない場合はダッシュボードを複数つくり、インタラクティブに切り替えることが有効な方法です。

■最後に
この他に「視覚的分析のベストプラクティス」という優れたPDF書類があります。内容はこのページに近いのですが、より読み物として優れていて、グラフのサンプルも載っていますので、併せてお読みください。
https://www.tableau.com/ja-jp/learn/whitepapers/tableau-visual-guidebook

また、このブログもコンパクトにまとまっていてよかったのでリンクしておきます。
https://zenn.dev/m_ando_abc/articles/96be6a596ae65c

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