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大好きな飲食業界について

私事になるのですが本日1月8日が私の誕生日で、大切な家族と今日近所のガストでささやかな誕生日会をしたのですが、娘が上記のアンパンマンセットでとても幸せそうな笑顔をプレゼントしてくれて最高の誕生日をむかえられました。外食って最高!!(もちろん万全の感染対策とお店は20時で閉店していました)

そんな私が何故、飲食業界について投稿しようと思ったかというと、前職、前前職と約12年間にわたり飲食業界をサポートしていく関わりを持つ中で、仕事に対するスタンスや、生きていく上で大切にしなければいけない事を沢山の出会いから学びました。

昨日、緊急事態宣言が発令され、過酷な影響をうける飲食店の裏側には、素晴らしい仕事を素敵な想いでし続けている人達がいる事をこのnoteを通して少しでも知っていただけるきっかけになれれば幸いです。

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飲食店というビジネスモデル

初めに飲食店というビジネスモデルについてですが、とても過酷な労働環境にも関わらずに利益を出す事が極めて難しい事業だと私は思っています。超ざっくり収益構造を説明すると、月商が1000万円だった場合(月商1000万円作るのもとても大変ですが・・)

食材原価:350万円(35%)
人件費:270万円(27%)
水道光熱費:50万円(5%)
販売促進費:30万円(3%)
雑費:50万円(5%)
家賃:100万円(10%)
借入金返済:100万円(10%)
利益: 50万円(5%)

もちろん上記は一例で全ての飲食店に当てはまるわけではないですが、コストの割合はこんなイメージです。ここでお伝えしたいのが、ほとんどのお店が残る利益は5%〜7%ほどで、10%出れば超優秀店です。更にこの売上を立てるためには、

長い労働時間
調理

接客
スタッフの採用と育成
仕入れ
シフト管理
メニュー開発
衛生管理
広告媒体管理
競合他店との差別化を考える


などなど、素人の私が考えつくだけでもこれだけあるので現実はもっと沢山の業務があります。

それら全てをこなして、なんとかして作った売上で残る利益が10%以下です。加えて、食材費の高騰、人手不足、人材採用難、競合店との競争激化、口コミの影響力、極め付けは新型コロナウイルスの影響とコントロールの効かない外部要因と闘いながら、毎月来るかどうかも分からない約束されていないお客さんを信じて万全の準備をし続けないといけないのが飲食店を運営するという現実です。

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繁盛する店とは

ここまでは飲食業界の大変な部分ばかりを伝えてしまいましたが、そんな過酷な状況な中、繁盛しているお店ももちろんあります。ここでは繁盛するお店の共通点を私なりの見解で2つお伝えしたいと思います。

一つ目は、『当たり前の事を当たり前のように高いレベルで行っている』事です。飲食業界では基本的なお店の良し悪しをはかる指標としてQSCという言葉があります。

Q=Quality (味、品質)
S=Service (接客)
C=Cleanliness(清潔感、空間)

※一部私の解釈もある事をご了承下さい

スポーツでいえば「心・技・体」のようなもので、繁盛しているお店はこれが全て高いレベルを実現しています。当たり前ですが繁盛すると来店してくれるお客さんが増え、それぞれの業務量がどんどん増えるのですが、そこの質と量のバランスを絶妙に調整し、QSCをいかに高いレベルで保つのかを調整するノウハウが長く繁盛しているお店は卓越しています。

あるお店はITサービスを活用して生産性を徹底的に高めたり、あるお店は食材原価(Quality)に特化して客単価を上げてターゲットを絞ってバランスをとるお店もあります。ここのやり方はお店によってどんな特徴を出すのか千差万別です。

具体例をあげると、Cleanlinessの観点でトイレが汚いお店で私は繁盛しているお店に出会った事がありません。逆に繁盛しているお店のトイレは、清潔感にとどまらず、インテリアのセンスや女性が喜びそうなアメニティなど本当にそこまでやるのか?と驚かされるお店も沢山あります。是非皆さん今後、飲食店にいった際はトイレに注目する事をおすすめします(笑)

次に共通する点が、経営者、店長さん、スタッフさんが『人格者で素敵な人が多い』事です。

繁盛店で働かれている人達の仕事への基本スタンスが、美味しい料理と心地よいサービスを清潔な空間でお客さんに心から楽しんでもらい幸せになって欲しいと心から思っている人達なので、その想いは、その人の全てに表れます。

その想いを感じたお客さんの幸せそうな雰囲気が連鎖し、お店全体の雰囲気を作り出します。言語化する事がとても難しいのですが、その繁盛店ならではの状況を作りだしているのが、飲食店で働かれている一人一人のスタッフさんなのです。

正直、飲食店はやり方次第では、お客さんに満足してもらわなくてもトレンドをおさえて原価をさげて上手くプロモーションさえ出来れば突発的に成功する事も出来ます。(大抵の場合そういうお店は流行が去るとまた違うお店にリニューアルし同じ事を繰り返してます)

それも一つのビジネスのやり方ではあるのですが、その手法だとお客さんの満足をえる事は難しく、働いているスタッフさんも高い志しは持ちづらく、ただただ作業として目の前の仕事をこなすだけのお店になってしまう事が多いです。

長期的に繁盛しているお店で働いている人達は、利益を出す事が一番とは考えておらず、お客さんが満足してくれる事が一番で、それを感じて幸せになれる従業員さんがいて、その結果で利益が上がっていく。という考えで仕事をしている方がほとんどです。

自分も飲食業界をサポートする立場として働いていた中で、ひどく下に見られる対応をされた事もありましたが、繁盛店の方達はあくまで対等な立場で、一緒に成功に向かって進んでいくパートナーとして接して貰えていました。その時に学んだ仕事へのスタンスは間違いなく今の自分の働き方に大きな影響を与えてくれています。

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最後に

現在、新型コロナウイルスの影響で飲食業界の方達は本当に苦しい状況にたたされています。私がお世話になった素敵なお店の閉店や休業報告も悲しいですが聞く事が増えました。

もちろん一番大切にしないといけないのは健康や命である事は間違いないと私個人も思うのですが、感染リスクを気にしすぎて経済を止めてしまい、大切な何かを失ってしまうのもとても悲しい事だと思います。

何が正しい選択なのか明確な答えを出す事は難しいですが、間違いなく言える事は、「日本の外食産業は素晴らしい文化で、人生を豊かで幸せにさせてくれる場所である」という事は間違いない事実ではないでしょうか。

そんな場所をこんな過酷な状況になりながらも必死に維持し続けてくれている飲食業界の人達を私は心から尊敬していますし、全力で応援したいと考えています。

1日でも早く、大切な人達と気兼ねなく外食出来るようになる日がくる事を願っています。

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