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 窓のふしぎと、申請書!

わが家の周辺に、最近、つぎつぎに新築の家が建ち、どの家を見ても、窓が細長いのが、数本並んでいたり、小窓が多いのが、ふしぎでならなかった。突然の火事や地震のような災害時に、外への出口を確保できるのかと。

でも、それが、建築基準法の大改正で、そう決まっているからだ、と教えてくれたのは、シロアリ退治をした1年目の検査に来てくれた、K君(29)だった。彼は152cmしかない小柄だが、その小柄故に、勤め先で重宝されている様子だった。

というのは、最近の建物は、床下が非常に狭くなっていて、彼は20cmの 高さならなんとか潜れるというのだが、彼にももぐれない狭い床下もある という。わが家のは50cm近くあるそうで、楽だった、と彼も含めて、シロアリ工事の作業員数人が、喜んでいた。

窓を小さく建てるようになったのは、2000年頃とその後の建築法大改正で、耐震性を重要視して、土台石に鉄筋を加えて強固にすることと、壁を崩れ にくくするため、これまでのような〈大きなガラス戸や窓〉が禁じられた ためだそうだ。今までに新潟や神戸や北海道、東北などでの大地震の時に 壊れた建物の状況を調べた上で、家の窓を細長く小さくして、壁の面を広く強くすることで、耐震性を増すようにしたのだと、私は初めて知った。

わが家は畳1枚分と同じ大きさのガラス戸が16枚、その2/3 ほどの大きさの窓が、2階も含めて18枚もある。今の建築法に照らすと、違反だらけなのだ。そのせいか東京都から、「補助金を出すので、ガラス戸と窓すべてを、2重ガラスにするように」という、勧告書が届いた。私自身も、災害対策 と寒さ暑さ対策と、盗難除けのためにも、2重ガラス窓にして、鍵も2重に したいものだと思っていたので、すぐに手続きをした。

この申請の手続きが実に大変で、(1)家のすべてのへやの〈平面図〉と〈立面図(四方)〉のコピーを取りに、ファミマのコピー機を借りに行き。(2)申請者(=私)のマイ・ナンバーカードの表、裏のコピーをし。(3)建物の登記事項証明書(6か月以内に発行されたもの)を、法務局で「全部事項証明書」で発行してもらいに、予約を取って出かけた。

これをすべて、用意して、ガラス専門業者に渡し、どの部分を〈2重窓〉にするかをガラス屋が図面に印をつけて提出したのが、1月末頃だった。その時点で、あまりに申請者が多いので、9月頃に申請許可書が届くはず、と 言われたのだが、有り難いことに、届いたのは6月初めだった。

ガラス業者の言うには、もの凄い数の申請者がいるため(それほど、わが家のように、1畳大のガラス戸の家が多い、つまり30年ほど経過した家が 多いということ?)順に2重窓にしていくが、工事そのものは1日で終る、と言ってくれて、順番を待っていると、7月3日に実施してくれることに なった。

そして本日=6月20日に業者から大封筒の書面が届き、「東京都助成金」をもらうための必要書類群が書き並べてあって、これがなんと、「申請書」を送った時とまったく同じ(1)(2)(3)の書類をそろえることと、更に加えて(4)助成金振り込み用の「通帳のコピー」(表紙と、口座情報記載頁の見開き両方をコピーとること)とあり、またひと仕事増えてしまった、とがっくりしていたら、夜になって業者からTELがあり、前回の申請の時に、これら全ての書類を出してあるので、今回は私は何もしなくてよい、業者の方で、やるのみ、と書き加えるべきだったのを、書き忘れて申し訳ない、と謝られて、肩の荷が下りる思いがした。

ガラス業者からの注意事項として、
「工事完了後に請求書が届きますので、お支払い下さい」
「契約金額から、助成金予定額を減額しての支払いはしないで下さい」
「国からの助成金は、工事完了後に業者が申請して数ヶ月後に、当社に振り込まれ、その後に当社から私に振り込まれることになる。申請から助成決定までには、半年以上かかると思われる。都からの助成金は、私の口座に直接 ふりこまれる」とのこと。

私はどうやら、国からと、都からの両方から助成金がもらえることになっていたのか、と初めて実感して、それにしても、なんとややこしい、時間の かかる面倒くさいことと、有り難いのか嬉しいのかわからなくなってきた。私への振り込みがすべて終るまでに、2年近くかかりそうなのだ。

この助成金手続きの大変さに、ガラス業者の中には、関わらない人も多いのだとか。そのせいで引受けた業者は、てんてこ舞いの様子だった。

私のこの文を読むだけでも、「申請書の大変さ」と複雑さにうんざりして、途中で読むのをやめたくなったことと、お察しいたします。税金の使い道としての、お金が関わることですから、仕方ないのかもと思いつつも、IT化の進んだ今の時代、もう少し能率的にやってくれるといいのだけど・・。

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