バイオロジカルを超えてく君がいた
20歳から26歳まで、大恋愛をしていた。
彼とは、2016年の夏に総武線快速の列車の中で出会った。背が高くて細くて、朝の満員電車の中、猫背気味で吊り革を掴んでいた。
目が合った。お互い一目惚れだった。
「君の名は。」が流行った夏だった。もちろん2人で観に行った。
映画の途中でどちらともなく手を繋いだ。
海の底のように冷たい映画館の中で、かすかに脈を感じながら、人の体温はこんなに暖かいんだ、と感動を覚えた。
彼の大学は中央線沿いにあった。興味があって一緒に授業を受けた。私