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日々を記す


12月28日(月)

 仕事納めをした。仕事納めと言ってももうやることは特になくて、ただ机まわりを片付けて挨拶をしに行っただけだった。このご時世に一体何故…と思う。

 挨拶を終えて早々に会社を後にし、コレナガと池袋で会う。コレナガは一年に一回の散髪の日だったらしいが、先月に会った時と大して変わっていなかった。いつもと違う感じにしたらしい。
「どこ行く?」
「なんでもいい」
「ジョナサンかガスト」
「その二択ならジョナサンだな」
 デニーズに行った。

 僕がこの一年間の自分を労わってゴディバパフェを食べている間、コレナガは向かいの席でハイボール片手に茄子の煮びたしを食べていた。「お酒ってどういう風に飲みたくなるもの?」と聞いたら「コーラを飲みたくなるのと同じ気持ちだよ。」と言っていた。感情的な問題ではないらしい。

デニーズの後、「魔女がいっぱい」を見に行った。
「ロアルド・ダール原作の映画だよ」
「ロアルド・ダールってだれ?」
「チャーリーとチョコレート工場の原作者だよ」
「ああ、チャリチョコね。」
 なんだその略称。

 映画は予想以上に魔女が怖くて、二人で同時にビクっとなったのが面白くて笑って、ラストはめでたしなのに感動とは違う涙が一気に出た。ロアルド・ダールは容赦なくて、すごい。子供が見るには少し怖いんじゃないだろうか。でも最近の子は鬼滅とか見てるから平気なのかな。鬼滅が自分の小学生の時にあったら絶対見られなかったなと思う。首を切り落とすとか怖すぎる。

 会社でもらった缶ジュースを二つ、コレナガのコートのポケットに無理やり押し込んで駅でバイバイした。コレナガはこれから未完のクリスマスカードを仕上げて送らなければいけないらしい。クリスマスはとっくに終わったが。

 最寄り駅から家までの道を会社でもらった木村屋のあんぱんを食べながら帰った。

 今日は甘いものを食べすぎだなあと思った。

***

 一か月休んで、二週間だけ復活して、また一か月休んだら年末になっていた。何かがおかしくなって、通院して、その病院からも逃げ出して、それでも、なんとか、生きている。

 年内最後のnoteでこの一年を振り返るとか、なんかいいこと言うとか、物申してみるとか、いろいろ考えたけれど、言いたいことは特になくて、ああ、ただ日々のことを淡々と記していく以外にないんだな、と思った。そういやこれ日記だった。

 いろんな人が、いろんな場所で、みんなみんな大変な一年だった。だけどなんだ、だからなんだ、ってことは何もなくて、大変でも大変じゃなくてもとりあえず今日生きて、運が良ければ明日も生きて、今日見た世界を淡々と書いていく。

 2018、2019年と休まず続けてきて、急に中断と蒸発だらけの2020年。2021年はどうなるか分からないけれど、そんな感じで、もう一度、やっていきたいと思っています。

来年も、どうぞよろしく。